秋はあまり自分のことを話さない。
俺のことを聞いてきたり、人の話をきくのが上手だ
頭悪いから、うまい言葉をくれるわけでもないし
ボキャブラリーが豊かなわけでもないけど
ただ真剣に、黙って話しをきいてくれるところは
こいつのいいところだった
秋が自分の話をするのはめずらしい
それがないと俺は、何にも気づけない
まあそりゃあ言葉にしなきゃ思いは伝わらないっていうくらいだし
伝えないあいつが悪いって思う
でも、伝えないやつにも
伝えないなりの理由があるって分かる

中学のとき親の話をしてくれたから
こいつとは友達に、親友になれた

こいつだって、きっと苦しかったんだ
俺のこと中2から好きだったってことは
少なくとも4年間くらいは俺に片思いだったってことだろ
俺は人のことそんなに思い続けられない
そのときまた気づいたことがあった
あのときも、あの時も、秋は
率先して俺のこと考えてくれた大事にしてくれた
俺は秋を大事にしてあげたことがあるのか?って。
だから、俺は、秋に自分から言おうって
そのときはじめてそう思った。

「話がある、俺もお前が好き。
だから付き合うのおっけーすることにした。」

そう伝えた
秋はびっくりしてたけど、ありがとうって言った
なんかわからんけど、悲しそうな、なんか考えてる顔にもみえた