(8)【神道とイエス】

され、ただもうひとつ大島丈が三峯神社を選ぶ理由があるのです。
先程、三峯神社の御祭神は日本民族の祖神である伊弉諾尊、伊弉册尊と言いました。

しかし、これは伊弉諾尊(イザナギ)、伊弉册尊(イザナミ)の子孫であるところの
日本武尊(ヤマトタケル)が創建したものであり、
元来は三峯山は狼を御神体としているのです。

後で説明しますが、
本来、日本はアニミズム思想がアーキタイプであり、全ての自然現象を神とするのだから、
狼を御神体とする山があるのは当然なのです。

しかし時代が進み、科学によって思考が歪み、
日本全国にある三峯神社は「狼を神として祀る三峰神社は邪神だ」という批判を受け
三峯神社は激減していくこととなります。

大島丈は、この中身が稀薄となり、歪みが生じてしまった形式ばかりの神道、
また、形式ばかりのキリスト教ではなく
古神道、原始キリスト教こそが人類の救いであり、立ち帰るべき拠り所なのだという信念を持っているのです。

そのため、三峯神社へ狼の御神体に逢いに行くわけなのです。
これは彼のアニミズム思想の実践と決意表明なのです。