(9)【神道とイエス】

あなたは、「神」という言葉を遣っていますが、
どうも一神教の「神」で神社を語ってしまっていますね。

キリスト教やイスラム教などの一神教に対し、
神道は八百萬神(やおよろずのかみ)であり多神教なのです。

一神教は絶対の力を持つ神であり、あなたが言うところの「見放す神」です。
一方、神道はアニミズムであり、自然崇拝が主で「見放す神」など存在しません。
あなたは大変な心得違いをしています。

もう一度言いますが、日本は古くから自然崇拝なのです。
言葉を換えると精霊崇拝、アニミズムとなります。

日本人は、山、田、稲、川、海、土、風、このような自然を「神」としてきました。
山の神、海の神、空の神、という具合に神がいっぱいいるから八百萬神(やおよろずのかみ)と呼ばれるわけです。

日本人は、自然現象全てを「神」としてきました。
自然の摂理そのものが「神」であり、
災害も含めて、それが神の法則と考え生きてきました。

自然が主ですから、本来、神社参拝というものもなく、
形よりも心の方を大事にしてきました。

元々、神道に神社などなく、自然を信仰の対象にしていたのです。
たとえば磐座(いわくら)と言って石を信仰の対象にしてきました。
石は神が降臨する神体というようことで、磐座と呼ばれるわけです。

その後、神社が出来、
徐々に人々の認識に誤りが生じてくるようになります。

これはキリスト教でも言えることで、
イエスは「偶像崇拝」を禁止していたにも関わらず、
やがて教会が出来、像が出来、それを信仰の対象にしてしまい、
原始キリスト教から遠くかけ離れていきました。