美術商にかかってきた1本の電話
その「ノザキサキ」を名乗る人物から関西地方に支店のある美術商に1本の電話がかかってきたのは、野崎さんが不審な死を遂げた日から10日後の事だった。

「絵画を5、6点売りたいので査定に来てほしい」

絵画の売却を相談してきたというこの女。美術商の担当者が住所を尋ねると、亡くなった野崎さんの自宅住所を指定したという。