801的に萌えを感じる詩歌、801視点で見ると萌える詩歌などを貼る&語るスレです。
和歌、長歌、短歌、俳句、川柳、都都逸、なんでもよし
古事記や日本書紀、万葉集の昔から近現代のものまでなんでもよし
架空の人物が詠んだのでもよし(源氏物語の中で源氏が詠んだ歌とか)
自作もよし。その場合は自作と明記を
できるだけ出典や作者は添えてください
古典作品の場合、現代語訳・解釈等はあるほうがわかりやすいと思います。801訳ヽ(・∀・)ノ!
自作
吐く息白く耳朶の冷たさ笑いながら教える熱量
影を挟む口元の形に引かれそっと触れる夕暮れ
過疎だけどこのスレ好きだから完走してほしいなぁ
以下自作三首 近親地雷注意
あどけなく 振る舞い触れて 伸ばす手を 拒めど燃ゆる 実を成さぬ仲
追った背を 越せずじまいに 時は過ぎ いえぬ想いも 時にとられて
許しあう 二段ベッドの 王国で 息顰めては 秘密を食べた
絵葉書にならないような放課後をそれでも僕は愛しています(黒.夜.行)
Twitterの短歌botより。
いつもの日常だとしても、相手も、相手のいる風景もとても大事でいとおしいのでしょうね。
夢l野l久l作 『猟l奇l歌』よりいくつか
・殺すぞ!と云へばどうぞとほゝゑみぬ其時フツと殺す気になりぬ
・誰か一人殺してみたいと思ふ時君一人かい…………………と友達が来る
・ずつと前殺した友へ根気よく年賀状を出す愚かなる吾
・色が白い美しい子を何となくイヂメて見たさに仲よしになる
・自惚れの錯覚すなはち恋だから子供は要らないザマア見やがれ
一番上の歌が特に好き。首に手をかけた時、その表情はひきつるのか、それとも微笑んだままなのか…
その名の通りこの歌集、他にもこんな作品ばかりなので、病んでる雰囲気が好きな方におすすめしたい
青空文庫で全部読めます(ダイレクトマーケティング)
0791風と木の名無しさん2015/03/13(金) 04:04:53.68ID:VVaxZl2QO
保守
保守自作四首
月明かり 重なる影の 口づけは 黙し秘めたる 生涯の愛
酔いどれの ふざけて告げる 愛ならば 君の呆れた 笑顔が見れる
胸もない 悪いだけだと 抱き心地 されどお前が よいと宣う
稔らずの 我が腹を撫で 笑む君が 壊れて尚も ただ愛おしい
>>792
>我が腹を撫で 笑む君が
四首めのここ好きです >>790
独特の世界観で素晴らしいな。1つ目と4つ目が好きだ。ドラマを感じさせる。 あはれてふ事をあまたにやらじとや
春におくれてひとりさくらむ
紀利貞
すごい妄想突っ走っちゃって元服が済んで公達たちが春が来て一気に花の咲くように出仕するようになって
その時は大勢の一人だった青年に何かのきっかけで恋に落ちて彼だけが輝いて見えるっていう歌にしか見えない
>>795
よく知ってる歌なのにその発想はなかったわ
個人的には何かの事情で一人だけ出仕が遅れて
春も終わりかける頃ようやく姿を見かけるようになった青年に
ほのかな思いを抱くようになる彼(モテ男として名を馳せている) と妄想 0797風と木の名無しさん2015/10/29(木) 20:27:47.62ID:vabl6M500
保守
初めてこのスレ知ったw
せっかくなので長いけれど一つ
入/江/康/夫 夜の森の唄
暗い森の奥で 翼のない鳥たちの笑い声がする
肉いろの お月さまが七つ
ぼくたちの人でなしの恋を 池の水に泳がせる
唄って
さあ
唄って下さい
いつもの
犬どもをつるませ 死んだものを焼きはらう唄を
緑の闇の奥で 翼もくちばしもない鳥たちが叫ぶ
閉じられた夜の麓の底で
ぼくたちの人でなしの恋が かさこそと音を立てる
唄って
さあ
唄って下さい
夜なかの 残酷な裏切り
何が起こったのか おこらなかったのか を
薄れていく闇の奥で 散らばっていく鳥たちの笑い声
犬どもが そして悪魔が
つるみ はらむ暁の ぼくたちの人でなしの恋の行方
さあ
唄って下さい
世界で いちばん たいせつなひとをだます唄を
保守がてら自作投下
起立した背中に熱を「良識を受け継ぐことはただしいことだ」
例えると君は真冬の昼ごろに気まぐれで買うカフェラテみたい
薬指を光らせきみが自慢気に手料理二皿食卓に置く
0801風と木の名無しさん2016/01/13(水) 00:01:31.17ID:5c+kzj350
あげ
良スレなれば己も一首詠うてみんとてするなり
白絹の 肌染める紅 照る月夜 交わす口づけ 今はもう無い
雨衣 つつめる顔を のぞきあひて
ことほぎかわす つはものの友
森鴎外 明治三十七年六月十五日
0804風と木の名無しさん2016/04/16(土) 02:43:43.84ID:jVHJpbJ40
保守
ツイッターのBL短歌って勝手にやってもいいのかな?
なんか本になってるらしいんだけど
保守がてら
家にありし櫃に鑠さし蔵めてし 恋の奴のつかみかかりて
草の名は知らず珍し花の咲く
一首目は万葉集から「恋してはいけない相手を好きになってしまったから
必死に抑えていたのに、実際に見ると恋心がわきあがってくる」
という片恋の歌で、
二つ目の俳句?は回文になってる オシャレだしものすごい深読みをすると
「恋なんてものは知らないけど、素敵な感情が胸に溢れてきた」
みたいなかわいい感じに読める
>>806
二首目もいい
高校生くらい同士で名前も知らない相手を
恋と気づかず目で追ってしまう的な妄想が捗る 今日はまづ 思ふばかりの 色みせて 心の奥を いひはつくさじ(慈.照.院.集)
今日は想っているのを匂わせるだけで、内心はまだ言葉にはしないよ!みたいな歌
詠んだのが「将軍でありながら政治放り出した無能」というような扱いの人なんだが
これだけ見ると駆け引き上手の小悪魔な気がしてならない…
0810sage2016/05/07(土) 21:09:00.53ID:F1/6gL9k0
確かに良い小悪魔だ
立ちかへり又もとへかし別れぢの のちも夜深き有明の空
足/利直/義
意訳:引き返して来て下さらないか、一旦は別れたけれど夜はまだ深いではありませんか
男が女の立場で詠んだ後朝の歌、というだけでも結構ツボなのに
内容が「夜は長いんだから戻って来て」なのがまた更に萌える
じゃあほしにかこつけて星合の歌でも置いていきますw
星合の頼む夕べを待ちすぎて 床のひとりゐ夜半ぞふけゆく
「牽牛と織姫の七夕伝説になぞらえてあの人を待っていたが、訪れもなく夜は過ぎていく」という歌な訳だが
彦星の訪れを待つ身(=織姫・女側の立場)で詠ったものだと解釈する向きもある様で
将軍と口喧嘩する様な短気な武将が詠んだとは思えん歌なのが猶良し
>>814
「あの人」って将軍!?
村山槐多「血の小姓」
虐殺せられし貴人の
美しい小姓よ
汝の主の赤に金に赤に金に
ぎらぎらとだらだらと滴たる血に
じつと見入る小姓よ
夜が来たぞ
人もないこの無慈悲な夕
誰かが泣き出した
狂した血の小姓よ汝も
泣け、血に愛せられて。 保守になるかと思い村山槐多連投します
「君に」
げに君は夜とならざるたそがれの
美しきとどこほり
げに君は酒とならざる麦の穂の
青き豪奢
すべて末路をもたぬ
また全盛に会はぬ
涼しき微笑の時に君はあり
とこしなへに君はあり
されば美しき少年に永くとどまり
その品よきぱつちりとせし
眼を薄く宝玉にうつし給へり
いと永き薄ら明りにとどまる
われは君を離れてゆく
いかにこの別れの切なきものなるよ
されど我ははるかにのぞまん
あな薄明に微笑し給へる君よ。
槐多が恋した同じ中学の一年下の稲尾少年に(たぶん心の中で)捧げまゐらせた歌十一首
一九十三年より一九十四年はじめにかけて神楽岡宗忠が社の下に京都一のめでたき少年居たまひき
その君が瞳の美しき鋭きにわが泣きし事も幾度ぞ
紫の孔雀の毛より美しきまつ毛の中に何を宿すや
―孔雀のまつ毛
浮々と君を思へば宝玉の世界の中に残されにけり
片恋の涙に心しめす時瑠璃色の世も泣ける哀れさ
ともし火を飾りそめたる薄明の都の空に君をしのびぬ
かなしさの涙きはまる美しの春の日ぐれよ君よいづこに
友禅に夜をつつみて君が眼の薄ら明りへ投げむとぞ思ふ
君が眼の薄ら明りに溺れたる群衆の中の一人となりぬ
薄薔薇の都の空をふりそむる雨より君のにほひそめけり
かへり見てあまりに無頼なるわれよ
悪漢の恋をも君は入れたまふなさけよわれはうれしさに泣く
つひに君が声音をさへきき得ずして別るる片恋の苦さよ
かた思ひ春より春へはこびゆくわれをば君よ笑ひたまふな
とこしへに君を思はんこの恋は銀鎖となして未来へ曳かん
一篇の物語を見ているようだと思った
0819風と木の名無しさん2018/03/07(水) 00:15:18.64ID:mME8bV9c0
沖の門中で舟漕げば 阿波の若衆に招かれて 味気なや 櫓が櫓が櫓が、櫓が押されぬ
我は讃岐の鶴羽の者 阿波の若衆に肌触れて 足好や腹好や 鶴羽のことも思はぬ
閑吟集から。阿波の若衆は、船でウリをするオニイサンのことで、オニイサンのテク凄スギィ!みたいな内容かな?「櫓が押されぬ」って意味深
>>819
閑吟集持ってるのにこんなスゴイのあるの気付かなかった
阿波の若衆ってどんだけエロかったんだろう(*´Д`)ハァハァ
解説(新潮版)に「阿波は衆道で名高かったのであろうか」とあるけど
不勉強なせいか聞いたことがないな >>812
萌えた。良いシチュエーションだねぇ
男が女の立場で詠んだ後朝の歌って他にもあるっぽいけど
どういう時に詠まれるのか、不勉強なのでいまいち想像がつかん
宴席とかで、「後朝をテーマに歌詠むぞー。俺が男の歌詠むから、お前女の歌詠めや」みたいな感じで
ワイワイ盛り上がりながら後朝ごっこしてたんか?
それとも、ふと女の気持ちになって歌を詠んでみたくなっただけなのか
あるいは、親族の歌下手な女から代作頼まれたりとか?
足利姓なら武士だよね
めっちゃホモソーシャルなコミュニティーの中で生きてそうな人が
女の立場で歌を詠むってかなりグッとくる >>822
歌合わせじゃないかな?
2チームに別れてそれぞれがお題に沿った歌を出して
勝った負けた物言いとかやるの
大喜利みたいな 0824風と木の名無しさん2020/07/28(火) 16:55:38.06ID:79pDGjJx0
>>822
歌集にも残るような有名な歌なら、やっぱり宴の席とか歌合わせとか公的な社交の場で詠まれたものだと思う
「親族の歌下手な女から代作頼まれた」ことがきっかけで男同士で歌を贈りあうことになり…!?というシチュの平安BL小説とかありそうw 0826風と木の名無しさん2022/05/12(木) 11:40:57.25ID:gZuSEsiS0
保守あげ
やれそうと思われたのは悔しいが事実やったんだからまあいい 佐藤真由美
ノンケの友達に興味本位で抱かれた朝みたいな感じで好き
0827風と木の名無しさん2023/01/21(土) 18:42:04.03ID:evqbmOR30
10年前の自分のレスが残ってて恥ずかしいやら不思議な気分だ
これだけではなんなのでageていく
つなげない手と手の磁場がふるえては上腕筋を太らせていく
くちびるがかたいことには慣れないと言いかけたときまたふさがれる
二首とも枡野浩一
保守
南無阿弥陀仏 甚六菩提のためなり
恋しやと 思ひゐる夜の
夢はただ いくたび
見るも 君のおもかげ
とある名刹の屋根瓦に書かれていた歌で、戦国時代に瓦職人の男性が恋人の男性の成仏を願って施したものだろうとのこと。この瓦が見つかった経緯も含めてとても素敵なエピソード。出典は、「室町は今日もハードボイルド」ていう室町時代の殺気溢れるエピソードを紹介した本。
>>828
素敵だね
そういう戦国時代の名もなき庶民の男同士の恋の歌ほんとに素敵だね
私は全然詳しくないけどやっぱり大伴家持と大伴池主のやりとりが好きだな
わが背子と 手携(たづさ)はりて
明けくれば 出で立ち向かひ
夕されば ふりさけ見つつ
思い延べ 見なぎし山に
八つ峯には 霞たなびき
谷辺には 椿花咲き
うら悲し 春し過ぐれば
ほととぎす いやしき鳴きぬ
ひとりのみ 聞けば寂しも
君と我と 隔てて恋ふる
砺波山 飛び越え行きて
明け立てば 松のさ枝に
夕さらば 月に向かひて
あやめ草 玉貫くまでに
鳴きとよめ 安眠(やすい)寝しめず
君を悩ませ
訳
あなたと手を取りあって夜明けや夕方に思いをのべ見ては心をなぐさめた山に霞がたなびき
椿の花が咲くうら悲しい春が過ぎるとホトトギスが鳴くようになった
ひとりで聞くのは寂しいからあなたと私を隔てて恋しく思わせる
砺波山を飛び越えていって鳴き声を響かせて安眠させないようにあなたを悩ませてほしい
家持の歌はほんとに美しいね 大伴家持は言わずと知れた天才歌人だけどある時からぱったり歌を詠まなくなったんだよね
それは池主が死んだからという説があるらしいね
池主は橘奈良麻呂の乱で死んでるんだよね
>>46
増刷かかったよ!
つーても岩波文庫だからちびーっとだけど
我こそと思わん者は今すぐ本屋さんに走れ! 0832風と木の名無しさん2023/10/29(日) 15:51:58.88ID:w2qAbU0m0
「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う
穂i村i弘
このスレで見つけた穂i村i弘の『体温計くわえて〜』の短歌にえらく感動して思わず本を買ってしまった 良スレ感謝
もうゆりの花びんをもとにもどしてるあんな表情を見せたくせに
加i藤i治i郎
服を脱ぐたびにあなたは神様を辞めてわたしの獣になった
木i下i龍i也
愚かなかみなりみたいに愛してやるよジンジャエールに痺れた舌で
穂i村i弘
死ネタっぽいのを何首か
何事もなき冬晴れの星空をベテルギウスは死につつ渡る/松i木i秀
歯や骨を褒めらるるうち死は壺に過不足もなく収まり消える/小i高i賢
ひとの死の後片付けをした部屋にホチキスの針などが残らむ/永i井i陽i子
君のこと想いて過ぎし独房のひと日をわれの青春とする/道i浦i母i都i子
死後のわれは身かろくどこへも現れむたとへばきみの肩にも乗りて/中i城iふiみi子
この街の酸素を少し減らすため君とふたりで点すマルボロ /小.佐.野.彈
製図器を質屋に入れてマージャンの資金(もとで)を作りし友まだ死なず/大.西.隼.人
恋よりももっと次第に飢えていくきみはどんな遺書より素敵だ/瀬.戸.夏.子
どことなく昭和の香りがする退廃BLを感じる