【処女】ボーイッシュ七人目【貧乳】

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0001名無しさん@ピンキー2011/03/31(木) 00:36:00.84ID:plvXBOfD
女の子なのに、服装、髪型などが男の子っぽい。
また、一人称が『僕』もしくは『俺』な女の子が好きな人の為のスレ。
一人称が『私』でもボーイッシュならそれでよし。

■過去スレ
【処女】ボーイッシュ【貧乳】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1148561129/
【処女】ボーイッシュ二人目【貧乳】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173804885/
【処女】ボーイッシュ三人目【貧乳】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1180891800/
【処女】ボーイッシュ四人目【貧乳】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187559831/
【処女】ボーイッシュ五人目【貧乳】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203759527/
【処女】ボーイッシュ六人目【貧乳】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250612910/

■関連するかもしれないスレ
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第9章
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206353662/
男装少女萌え【11】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296266561/

■『あくまで仮』の保管庫
http://www27.atwiki.jp/boyish-eroparo/
上記保管庫管理人不在のため、現在ページの編集しかできない模様。
@wiki自体の規約も変わりエロ禁止になったため、新しい保管庫を作ってくれる勇者を募集しています。

0255名無しさん@ピンキー2014/06/05(木) 23:06:43.68ID:QpvhUfi8
ほしゅ

0256名無しさん@ピンキー2014/08/29(金) 00:21:11.75ID:ZbU7jnC8
幼い系ボーイッシュは至高

0257名無しさん@ピンキー2014/09/20(土) 06:56:51.88ID:JE6HW7M1
キノさんみたいなのもいい

0258名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 20:36:35.82ID:4Or8tjSJ
ちょっと質問。
スレタイに貧乳ってあるけど、巨乳爆乳はダメかな?
爆乳ボーイッシュってツボなんだけど。

0259名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 22:19:11.13ID:iEN/UMbX
>>258
いいに決まってる!

0260名無しさん@ピンキー2014/09/22(月) 00:21:54.30ID:hC2Ji5G0
>>259
ありがとう。
なら、そのうち爆乳応援団娘辺りで一本書くよ。

0261名無しさん@ピンキー2014/09/26(金) 15:30:03.79ID:DacALdId
スポーツ系ボーイッシュなら、大きい胸が嫌だって娘もいるかもしれない
けど彼氏が出来て奉仕する喜びを知って、自分の大きい胸に感謝するボーイッシュも良い

0262名無しさん@ピンキー2014/09/26(金) 15:44:05.03ID:eFoh8ITo
お前の個人的な話はどうでもいい

0263名無しさん@ピンキー2014/10/21(火) 22:35:36.89ID:tNWIOfPb
>>262
俺はお前の個人的な話を聞いてみたいぞ。
そして共にボーイッシュに萌えようじゃないか

0264名無しさん@ピンキー2014/12/06(土) 23:22:48.23ID:Ruuq+Y3F
一人称は大事だよな

0265名無しさん@ピンキー2014/12/08(月) 09:56:41.49ID:4Py2DlHc
胸大きいと一人称俺だったりするよな

0266名無しさん@ピンキー2014/12/12(金) 21:59:13.21ID:Pm/sRacq
一人称あたしでも悪くはないんだがボーイッシュはやっぱり男っぽい一人称がいいよな

0267名無しさん@ピンキー2014/12/12(金) 23:29:43.52ID:DFbHsMLr
ぼくっ娘
ボクっ娘
僕っ娘

同じようで違うな

0268名無しさん@そうだ選挙に行こう2014/12/13(土) 18:01:42.91ID:hVVakPc3
>>267
一番上は幼い感じで童顔
二番目はスポーツ系が多いね
三番目は知的な感じ

0269名無しさん@そうだ選挙に行こう2014/12/14(日) 17:56:25.77ID:n41bghas
一人称あたしは、男勝り&スポーツ系で巨乳、
そして絡みは男女オンリー(女子から宝塚的にもてるが、本人はノーマルでレズHは無い)

ボクっ娘(ぼくっ娘、僕っ娘)は絡みはノーマルもレズもありって感じが

0270名無しさん@ピンキー2015/01/01(木) 11:06:12.43ID:Mj8Azq/I
アゲましておめでとう

0271名無しさん@ピンキー2015/01/05(月) 03:18:39.59ID:hjQYseyl
>>267
いや、ボクっ子 ぼくっ子 僕っ子もありだろ
でもボクっ娘が最高 異論は認める

0272名無しさん@ピンキー2015/01/18(日) 02:34:09.35ID:9OrrMZKL
っ子とっ娘の違いとはなんなのか

0273名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 00:43:31.02ID:PR6jQoZU
誰もいない様なので、ちょっと投下させていただきます。
まだ前編。
直接的エロ描写無し。
後編は、明日か明後日くらい。

よろしくお願いします。

0274満員電車でイケメンと2015/03/19(木) 00:48:39.28ID:PR6jQoZU
 人生には閉塞感があり、窮屈感があり、圧迫感がある。
 平たく言えば息苦しい。
 無論、山あり谷ありが人生だと分かっているし。周りにいる皆が、多かれ少なかれそれを体験している事も理解している。
 だが、いくら受験生の身とはいえ、もう半年以上息苦しいのは如何かと思う。
 平日は、家と学校と塾の三角形をなぞるだけ。
 休日ならば、そのトライアングルから学校が消えるだけだ。
 もう、どれほど漫画を読んでいなければ、ゲームもしていないか。中学生の身には拷問もいいところだ。
 どこかで息抜きをしたいが、学歴社会の荒波はそれを許してはくれない。
 重ねて言うが、本当に息苦しい。

「うぅ、あわわ」

 と、そんなどこにでも転がっていそうな悩みを抱えている中学生の少年――鳴海ひよりは、絶賛窒息間近だった。
 リアルで。
 運が良いのか悪いのか、海難事故というわけでもなく、満員電車の人の荒波。
 老若男女関係なく、堅いやら柔らかいやら、やっぱり堅いやら、サラリーマンにフリーターらしき若者、学生。
 様々な人間に押し潰されそうになりながら、どうにか溺れないようにエアスポットである車両の端、角の部分に避難出来た。
「うぅ……塾の駅まであと二十分か。潰されなきゃいいけど」
 腕時計で時間を確認し、適当な神に祈りを捧げた瞬間。
「あっ うわぁぁあああ!」
 一瞬の浮遊感と、直後に押し寄せてくる人の波、いや人間型の砲弾の嵐。
 不可避の痛みの予言に反射的に目が閉じられる。
 身体が強張り、そして……。
「?」
 顔面を柔らかい何かが、覆った。
 それだけだった。
 小柄な中学生である自分の何倍、何十倍もの質量が襲ってくる痛みが、いつまで待ってもやってこない。
「あ、あれ?」
 恐る恐る目を開けると、そこには。
「大丈夫かい?」
 イケメンがいた。
「ふふ、怪我はないかな?」
 切り揃えられた黒髪。
 微笑を浮かべる美形フェイス。
 似合い過ぎる銀縁眼鏡。
 小柄なひよりでは見上げるしかない長身。
 その身体に纏う、白い詰襟。いわゆる白ラン。
 壁に手を突っ張って、人の弾幕からひよりを守ってくれたのだ。行動もルックスもイケメンだ。
 はっきり言って、目を奪われた。
 悪天候だか事故だかで緊急停止したというアナウンスや、周囲の人間の怒号が耳から耳に抜けていくくらい。
「あ、あり……あり、あり……」
「アリーヴェデルチ?」
「じゃなくて、あ、ありがとうございました」
「どういたしまして。無事な様で何よりだよ。ボクも身体を張った甲斐があったってものさ」
 そう言って、まるで夜が明けたかの様に微笑んできた。
 思わず胸が高鳴る。

0275満員電車でイケメンと 22015/03/19(木) 00:51:01.45ID:PR6jQoZU
 考えてみれば、ピンチを身体を張って助けてくれた長身のイケメンに、定義が変わった感のある壁ドンの形になって、息遣いが通じあう近さにいる。
 これは少女漫画なら間違いなく恋に落ちるシチュエーションだ。
 だが、残念ながらひよりは純度百パーセント、雑じり気無しの男の子である。
 確かにドキッとはしたが、それは男女の境界を超えた美しさが原因であって、そっちの気は微塵もない。
 まだドキドキしてるけど。
「本当に助かりました、お兄さん」
 ソドムとかゴモラ的な空気を振り払うため、再び礼を口にした。
「お兄……さん?」
 するとイケメンさんは、きょとんとした顔をしたと思ったら、くつくつと肩を震わせ始めた。
「お兄さん、お兄さんかぁ」
「あ、あの……」
「いやね? こんな格好をしてるボクも悪いとは思うんだけどね」
「は、はい?」
 事情がよく飲み込めず、ぽかんとしてしまう。

「身体には自信があったんだけどなぁ」

「え?」
 その言葉に、弾かれた様に、顔を端整な面持ちから下に向ける。
 御神木の如く均整の取れたスマートな長身を崩す、その膨らみ。
 結構分厚い詰襟の生地など知ったことでは無いと言うように、肩の震えに合わせて、たゆんふるん揺れている。
 いや、それだけではなく。ひよりの顔のすぐ横にある手や、腰つきを見ても、男性的なゴツさは見受けられず、むしろ柔らかそう。
 つまり。
「あ……」
 この目の前にいるイケメンさんは。
「あの……」
 お兄さんではなく。
「あの、す、すいません『お姉さん』!」
 極上の肢体を、男性用衣装で包んだ、お姉さんだった。
「ん、いいよ。許してあげる」
 気を悪くした様子も無く、ごく自然に許して貰った。
 ホッと胸を撫で下ろす。恩人に、しかも女性に無礼を働くなど、人間としてどうかと思う。
「あ……」
 しかしそうなると、背の差の関係で目の前にある膨らみに目が行ってしまう。
 クラスのマセた男子が教室で広げていた、巨乳グラビアアイドルの写真集も霞む双丘が、詰襟と二十センチも無い空間を挟んだすぐ傍にあると思うと、理性が言うことを聞かない。
(柔らかそうだなぁ、息をするだけで揺れてるもんなぁ……って、だめだめ)
 せっかく善意で助けてくれたのに、それに対して下卑た視線を向けるなんて、人として云々。
「え、えーと、そうだ」
 無言だからこそ、雑念に囚われるのだ。だから、顔を上げて何か話そうとした矢先。
「そんなにボクの胸が気になるかい?」
(気付かれてた! うう……女の人は、そういう視線に敏感だって言うもんなぁ)
 実際は、制御出来ない若さ故に、露骨過ぎる視線だっただけなのだが、人生経験の薄いひよりには分からなかった。
「気にしないでいいよ、君くらいの男の子ならむしろ健全だよ」
 事も無げに受け入れたイケメンさんは、身動ぎ一つでキスしてしまいそうな距離まで端整な顔を近付けて、満面の笑みを浮かべ、驚愕の発言をする。
 ――ついでに分からないことを言うなら。

「ボクのおっぱい、触ってみるかい?」

 ――その笑顔は正に、肉食獣のものだと、ひよりの知識には無かったのだった。

 後半へ。

0276名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 02:44:43.87ID:Hm2FFYs7
暇つぶしにやってみたが、、一人だけ凄い奴がいた、想定外の奇跡だゎ・・

お前も超本命ならできる確立高いな

▲をnn2に変える
s▲ch.net/s11/078momo.jpg

0277名無しさん@ピンキー2015/03/21(土) 21:02:09.78ID:kYEHYQjC
gj

0278名無しさん@ピンキー2015/04/02(木) 08:24:50.77ID:eRJVzO+g
>>275
はよ

0279名無しさん@ピンキー2015/08/18(火) 00:02:10.20ID:w7gfQxhp
ここってゲーアニのボーイッシュキャラで投下はアリなの?

0280名無しさん@ピンキー2015/08/22(土) 03:14:01.93ID:hjp2gle+
オリキャラ板じゃないんだしいいんじゃね

0281名無しさん@ピンキー2016/02/15(月) 00:26:59.76ID:TX7PO6x6
ボーイッシュな娘が自分の中の女性を意識する日が終わってしまった

0282エロは無い2016/02/19(金) 17:33:40.70ID:8pKp7bel
「……はぁ。結局渡せないまま、か。まあボクらしいっちゃらしいかもね、へへ……」

 手の中にリボンで装飾され、色紙で包まれた四角い小さな箱状の物を弄びながら、彼女は
自嘲を込めた笑みを浮かべた。
 箱の中身はチョコレート。一週間前に用意し、一週間何度も渡す機会を伺い、そして結局は
渡す事が出来なかったバレンタインのチョコレートだ。彼の好きなホワイトチョコレートで、丁寧に
型をとった自信作だ。

「まったく、明宏があんなに自慢気にチョコ見せびらかすから……」

 彼女のサッカー仲間の佐竹明宏はクラスでも人気者だ。ルックスは、まあ平凡より少し上と
いった所だが、性格が明るく、ムードメーカーとしての天性の才能を持ち合わせていると言っても
いい程他人とコミュニケーションを取るのが上手い。男女問わず別け隔てなく接するその姿は
幼い頃からぶっきらぼうで友達を作るのが苦手だった彼女にとっては、憧れの対象だった。
 その憧れが、恋心へと変わっていくのに、さして時間はかからなかった。
 が――

「……まあ、去年はボクの方が貰っちゃったし、な」

 ぶっきらぼうでコミュニケーションが苦手なのが、他人から見ると「クール」と評される事に
なるのだと、そう知ったのはここ数年の事だった。
 もともとサッカーが大好きで、男に混じって走り回っていたそのせいではあるまいが、彼女は
いわゆる女らしさに欠ける体型へと成長を遂げていた。
 髪は短く、服装はパンツルックが基本で、出るべきところはさっぱり出ていない。
 そんな自分が「ボーイッシュでカッコいい」と評され、一部の女子から熱狂的な人気を得ている
事は、二年前のバレンタインに山程チョコレートを貰うまで、彼女自身は全く気づいていなかった。
 お陰で昨年のチョコの量は明宏のそれを凌駕してしまい、しばらく彼はらしくもなく酷く落ち込んで
いたものだった。

「でも、今年は自分の方が一個だけ多く貰えたからって……あんなにはしゃがなくてもいいのになぁ」

 その光景を思い出して、彼女は今度は素直な笑みをこぼす。
 だがその笑みは、その時の胸に刺さった痛みを思い出してしまう事で掻き消えた。

『お前とはライバルだからな! 来年も負けねーぞ!』

「……ライバル、か」

 わかってはいた事だ。彼女自身、そうだと知ってはいたことだ。
 だが、机の中にチョコレートをしのばし、これを渡して告白でもしたら、彼はどんなに驚く
だろうかと夢想していた楽しい気分が、その一言で吹っ飛んだ。
 自分は彼にとって女子ではないのだと、そう改めてつきつけられたその痛みは、これまで
度々あったそういう場面の中でも、一際強く彼女の心を苛んでいた。

「……はぁ」

 ため息が口をつく。
 確かに、彼と一緒に並んで走ってボールを追いかけているのは楽しい。
 だが、自分たちはもう少しすれば高校生になる。男と女、身体能力の差は如何に練習しようと、
如何にセンスを磨こうとどうにもならなくなってくる。
 その時、自分はどうやって彼と一緒にいればいいのだろう。
 男と女として、ごく普通に彼氏と彼女として一緒にいる――それが出来れば、これほど嬉しい
ことは無いだろう。ずっと、ずっと彼と一緒にいられるのだから。
 だが――それは彼にとってはありえない未来なのだ。

「……ライバル、か」

0283エロは無い2016/02/19(金) 17:34:10.07ID:8pKp7bel
 再び同じ言葉をつぶやき、彼女は手の中の箱を掲げ見た。
 中身はチョコレート。それは彼女が一週間前に、まるまる一晩使って作った手作りのチョコだった。
 作っている時のわくわくした想いも、出来上がって包んでいる時のドキドキと高鳴る胸も、その全て
が今はズキズキと彼女の胸を傷めつける刃となっていた。

「食べちゃおっか、な……」

 そして、もうこの想いも食べて、消化して、どこかへやってしまおうか。
 そんな風に彼女が思った、その時だった。

「何してんだ?」
「ひゃぅ!?」

 突然肩を叩かれ、彼女は文字通り飛び上がった。

「……な、なんなんだ、そんなにビックリして……」
「あ……え、うー」

 振り返れば、そこに彼がいた。

「考え事でもしてたのか? まあ、お前いっつも何か難しそうな顔してるし、俺じゃ考えもしない
 ような事考えてんだろうけどさ。世界平和とか?」

 全く背後を意識していない所に肩を叩かれた驚きと、彼がそこにいる驚きと、そして今まで
考えていた諸々とが、彼女の言葉をうまく紡がせない。今はまだ部活動の時間中だ。所用が
あるからと偽り休んだ彼女の元に、彼が何故やって来られるのか。
 普段なら「そんな立派な事考えてるわけないだろ」と軽口の一つでも返していた所だが、
彼女はただ黙ってうつむく事しか出来なかった。

「……お前、今日何か様子おかしかっただろ? 昼休みも、いつもなら絶対引っかからないような
 所でフェイントに引っかかってたしさ。だからまあ、身体の調子でも悪いのかと思って、家まで
 様子見に行かせてくれってさ、抜けてきた」

 その様子を彼も察したのか、すこしばかり真面目な調子で自分がここに来た理由を口にする。

「……別に、体調は悪く無い」
「そか? ならいいんだけどさ。お前が元気無いと、俺も張り合い出ないから、頼むぜ!」
「……うん、ありがと」

 ライバル。その言葉が再び彼女の脳裏をよぎる。こうして自分の事を彼が気にかけてくれるのは
嬉しい。だが、それはあくまでサッカー仲間として、ライバルとしてでしかないのだ。

「……何かますます元気なくなってないか?」
「気のせいだよ。ボクは別にもともとお前みたいに明るくないから」

 彼女の心はどんどん沈んでいく。目の前にいる大好きな彼は、ずっとずっと一緒にいたい彼は、いつの
日か離れていってしまうのだ。自分が女だから。彼と同じフィールドに立ち続ける事ができないから。

「うーん、でもまあ、昔よりだいぶ明るくなったと思うけどなー」
「……気は済んだかい? ボクはもう帰るよ?」
「あー、うん、まあお前が元気ならそれでいいんだけど……」

0284エロは無い2016/02/19(金) 17:34:28.47ID:8pKp7bel
 もうこれ以上、彼の顔を見ていたくなかった。好きだからこそ、今のこの気持ちを抱えたまま、
叶わぬ想いを抱えたまま彼と共にいる事は、今の彼女にとっては耐え難い苦痛だった。
 一刻もはやくこの場を立ち去りたい。そしてこの気持ちを整理して、消し去って、それから先は
出来る限り、身体の許す限り彼と同じフィールドに立ち続けよう。そんな決意を彼女が固めつつ
あった、その時だった。

「……あ」

 彼が彼女の手の中にあった小さな箱を指差した。

「それ、まさか……チョコか!?」
「……! あ、いや……こ、これは違う……」
「お前、帰りにチョコ貰ってたのか!? じゃあ、今年の勝負引き分けじゃねえかよ!?」
「……これは、貰ったものじゃない」

 言ってから、彼女はしまった、と思った。
 貰った物ではないチョコレートを自分がどうして持っているのか。

「……貰った物じゃないって事は」

 当然、彼も気づくだろう。このチョコが、誰の手によって作られた物であるかという事に。

「買ったのか!? わざわざ!?」
「なんでやねん!」

 思わずツッコミを入れてしまってから、彼女は頭を抱えた。
 そうだ、この男は時々ちょっと馬鹿だった。

「……あ、いや、まあ、そうだよ、買ったんだよ、貰ったの全部普通のチョコだったからね、うん」

 だが、その馬鹿さは今は利用できた。彼が望んでいないチョコレートを、なし崩しで渡しても
仕方がない。彼が望むのはライバルの自分であり、恋人の自分ではないのだ――そう考え、
慌てて彼女は取り繕った。

「あ、それで何か落ち込んでたんだな」
「……なんで?」
「いや、せっかく買ったチョコを俺に取られるかもしれないって思ったんだろ?」

 少しだけ、彼女はこの男の事が好きな自分に疑問符をつけたくなった。

「ボクはそんなセコくないっ!」
「でも、普通のチョコじゃないって事はホワイトチョコだったりするんだろ? 俺大好きなんだよなー、
 ホワイトチョコ。普通のチョコとはちょっと違う味わいがさー」
「……ほ、欲しいのか?」

 一度は食べてしまおうと思った物だ。食べるのが自分であるか彼であるかは大した差ではないと、
そう彼女は思った。

「おうよ! くれるならもらうぜい!」
「……わかったよ。ほら」
「ひゃっほーい! サンクスなー」

0285エロは無い2016/02/19(金) 17:35:36.86ID:8pKp7bel
 彼女は包みを開いてチョコを取り出し、彼へと手渡した。
 その瞬間、やはり、それでも、彼女は自分の頬に血が集まるのを感じた。
 幸いにも、と言うべきか、彼がそれに気づいた様子は無かったが。

「おー、なんか手作りみたいな感じだなぁ」
「……最近はわざと手作りっぽくしてる市販品もあるんだよ。バレンタイン用だね」
「なるほど、安売りしてたのか……お、うまいなこれ」

 複雑な気分を抱えたまま、彼女は美味しそうにチョコを口にする彼の姿を見ていた。
 食べてもらえて嬉しいという気持ちと、どうせ食べてもらえた所でという気持ちが半分ずつ、心の中を
かき乱していた、その時だった。

「でも、良かったよ」
「……何が?」
「こういう形とはいえ、お前からチョコ貰えてさ」

 その言葉に、彼女は心臓が止まるが如く驚いていた。

「いやさ、もう何年かの付き合いになるけど、お前からチョコ貰えた事なかったし」
「………………」

 どういう意味だろう、と彼女は自問した。
 その自問に答えが出る前に、彼は続けて言葉を口にした。

0286エロは無い2016/02/19(金) 17:36:15.52ID:8pKp7bel
「意外と堪えるもんだぜー? 身近にいる女子から義理チョコすら貰えないってのはさー」

 身近にいる、女子。
 すっかり否定されたと思っていた。自分の事は女だと思っていないと、そう彼女は思い込んでいた。
ただのサッカー仲間で、ただの友達でしかないと、そう思われているのだと。
 だが、今彼は確かに口にした。身近にいる、女子、と。

「……ぼ、ボクの事……女の子だと、思ってくれてるの?」
「へ? そりゃ、お前普通に女じゃん。まあ、足さばきは男よかよっぽど凄えけどさ」
「……でも、サッカーしてばっかで、女の子らしい事何にもしてなくて、全然女の子っぽく、ないよ?」
「変なこと聞くなぁ、お前。だってお前相当可愛いぞ。クラスの男子にも結構人気あるし」

 可愛い。
 相当、可愛い。
 その言葉に、彼女は自分の顔が耳朶まで真っ赤に染まるのを感じていた。
 先ほどから心臓は早鐘のように高鳴りっぱなしで、試合の時にすら感じた事が無い程に全身を
怒涛の如く血が巡っている。

「……あ、あのさ」
「なんだ? ……ってお前顔真っ赤だぞ。やっぱ調子悪いんじゃねえか」
「ボクのこと、女の子だって……相当可愛い女の子だって、思ってくれてるの?」
「……え、ああ、うん。普段全然笑わねえけど、俺がヘマしたりした時にクスって笑うだろ。
 ああいう時凄え可愛いぞお前」
「……あああぁあああ」
「なんだどうした」

0287エロは無い2016/02/19(金) 17:38:10.01ID:8pKp7bel
 もはや、天を仰ぐしかなかった。
 地獄から天国へ、かどうかはともかく、望みはあるとわかったのだ。
 そうなれば、どうすべきかは自明だった。

「……ごめん、ボク、さっき一つ嘘ついてたんだ」
「嘘? ……やっぱり調子悪いのか? まあ確かに顔真っ赤だし、熱あるんだろ……」
「違うよ! ……そのチョコ、ね」
「このチョコ?」
「ボクが作ったんだよ。買ったってのは嘘」
「……へ?」
「その作ったチョコを、今君にあげた……この意味、わかるよね?」
「え、え、それってお前……えぇぇええええ!!???」

 途端に、彼の顔もまた彼女のそれのように真っ赤になる。

0288エロは無い2016/02/19(金) 17:39:54.10ID:8pKp7bel
「お前がボクのことライバルだとか言うから、それで女だと思われてないんだって思い込んじゃって、
 それで……ああ、もう全部お前のせいだからなっ!」
「……えっと、よく、わからんのだが……」

 大きく息を吸い、昨日からのもやもやした気持ちを全部込めて、そしてこれまで抱いていた
想いもまた全部込めて、彼女は告げた。

「ボクは……お前の事が、好きだ」

 言葉と共に、彼女の目端から光る物が零れて、落ちた――

 

0289エロは無い2016/02/19(金) 17:42:41.37ID:8pKp7bel
         ★

 後日談。

「結局、付き合い始めたけど、特に今までと何も変わりは無し、と」

 バレンタインから一週間後の昼。友人と一緒に給食を食べながら幸せそうにニヘニヘと笑う
彼女に、友人は呆れがちに言った。

「ん? 別に変わる必要は今の所無いからね。ボクは明宏と一緒にいられればそれでいいからさ」
「いや、ここまで読んだ人は結局エロい事何も無しってのに落胆してるんじゃないかと」
「ちゃんと書いてるから大丈夫だろ」

 メタいセリフである。

「ま、別にボクは満足だし、いいんじゃないかな」
「まあ、アンタが満足ならそれでいいわ」
「うんうん……よし、ごちそうさま、っと」
「今日もサッカー場で一勝負?」
「うん、ミニゲーム。昼休みも有効活用しなきゃね。大会まで無駄な時間は無いのだよ」
「……あー、前言撤回するわ。ちょっとだけ変わったわよ、アンタ」
「ん?」
「可愛くなったと思う。うん。女の私から見ても」
「そう? だとしたら嬉しいな」

 そう言って彼女は笑う。本当に、幸せそうに。

「さて、ライバル兼彼女として、今日も精進するとしますか!」

 いつかは終わるだろう、ライバルとしての自分。
 でも、その後も自分は彼の横に立っている事が出来る。
 その事に、限りない幸せを感じながら――今日も彼女はフィールドを駆けるのであった。

 終わり

----------------------------------------
変則連投規制うぜー。

0290名無しさん@ピンキー2016/02/20(土) 00:31:28.20ID:+Z/Qb0+6
GJでございます

0291名無しさん@ピンキー2016/03/17(木) 07:48:18.76ID:ckKFEvUP
GJ

0292名無しさん@ピンキー2016/08/08(月) 09:33:08.91ID:ZFcUO7V+
ボーイッシュ後輩と夏祭り
普段ボーイッシュな格好してる娘の浴衣姿は良い

0293名無しさん@ピンキー2016/08/22(月) 19:26:47.54ID:BBGWxQEq
誰か男装貧乳がプールに行く話書いてくれよ

0294名無しさん@ピンキー2016/12/06(火) 09:27:57.62ID:HT6YWMic
>>292
じゃあサラシに半被、締め込み姿のボーイッシュ少女(日焼け付き)は要らんのだな

0295名無しさん@ピンキー2017/12/23(土) 19:04:40.23ID:PCgON8Xe

0296名無しさん@ピンキー2018/06/08(金) 07:59:39.48ID:YerIlR9b
http://machiu.is-mine.net/ ボーイッシュでエロ

0297名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 21:54:30.13ID:6VjbMU9a
ボーイッシュといえばこの子だよね





https://i.imgur.com/EOQHESp.jpg

0298名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 21:55:12.88ID:MMvZCYsW
まみスレと聞いて

0299名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 21:58:21.06ID:QMrlphE+
本スレあって草

0300なんjから来ました2020/05/18(月) 21:58:47.13ID:Ux+wTtxY
2011年からのスレって…

0301名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 22:01:22.12ID:qzfyeUNo
ったく、お前らまた書き込んじまったのか?
素人は最後に書き込んだら呪われちまうぞ…
ここは俺に任せな、この道のプロだ
ほら、さっさとなんJに戻れバカどもが

0302名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 22:03:58.66ID:dnhaCI0V
なんJから来たンギw
よろしくニキーwwwwwwww

0303名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 22:04:47.36ID:0euiashs
ちゅちょちぇ〜��

0304名無しさん@ピンキー2020/05/18(月) 22:12:29.86ID:JJPDtdCd
ここがボまみ本スレ?

0305名無しさん@ピンキー2020/05/19(火) 01:00:47.15ID:z41xuvxw
私がボまみ

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