田中氏:実は「艦これ」は,最初はほとんど自分の趣味の企画といってもいい存在だったんです。
旧軍の要港があった街や,奮戦して壮烈に,あるいは誰も見ていないところで悲しく沈んでいった艦艇を
何らかの形で紹介し,一瞬でもいいからみんなで共有できるようなものを作りたいというのが,そもそもの発端でした。
だから,そういう哀しみの史実や喪失感,もしくは「痛み」といったものを感じさせるプロトコルとして,
ロストというのは当然の選択だったんです。実際にブラウザゲームとして実装してみたら,
多くの提督(「艦これ」プレイヤーのこと)から「ロストは珍しい」「やめて」とも言われたのですが,
むしろそれ以外にどうやって表現するんだと(笑)。