【地獄の】イヤリング官女官能スレ【三人官女】
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0001名無しさん2014/06/15(日) 02:02:09.58ID:P/i8Ux01
このスレはスーパー戦隊シリーズ第17作目。
「五星戦隊ダイレンジャー」に登場する悪の組織、ゴーマ族の侍女
地獄の三人官女の三女「イヤリング官女」でHな妄想をするスレです。

ルール(最初に読んでください)

・人の好みは千差万別、好みに合わなかった方は見なかったことにしてください。
・荒らしやアンチはスルーしてください。皆さん、仲良く妄想しましょう。
・SS投下や画像の貼り付けは、このスレではOK。
 ただし、基本的にイヤリング官女のみで。
 例外として指輪官女とネックレス官女もOK。(姉妹だからね)
・人を不快な気持ちにさせる言葉遣いは控えましょう。

以上です、追加事項が増えるかもしれません。

それでは、お願いします。
0071地獄のッ2014/06/21(土) 02:24:12.95ID:2wRrXbQk
イヤリング官女がそういうと、彼女の美しく長い黒髪がさらに伸びてきて、少年の体にシュルシュルと巻きついてきた。
「うあ…。」
少年の首から腰までが黒いマフラーに包まれたようになる。包んだ髪が少年の体を愛撫をしていく。
「ふああ、気持ちいい…。」
その髪はミンクの毛皮以上の肌触りであった。
「ほほほ、気持ちいいだけじゃないわよ。こういうのはどうかしら?」
髪の愛撫が止まったと思うと、不意に髪が上半身を強く締め付けてきた。
ギリギリ、ギチギチ・・・
「あぐっ・・・!うう・・・。」
強烈な締め付けに苦しむ少年。さらに赤い光が少年の体に流れていく。
0072地獄のッ2014/06/21(土) 07:15:32.91ID:2wRrXbQk
「な、なにこれ・・・?」
「感度を高める妖力よ。これは坊やにとって強力な媚薬となるの。ほら、締め上げられて痛いはずなのに気持ちよくなっていくでしょう?」
妖力のせいか少年の全身がほてっていき、さらにモノは大きさと固さを増していった。
「妾の髪で締め上げられてさらに大きくするとは、坊やもかなりの変態なのね」
「だ、だって・・・、お姉さんの髪の毛とおっぱいが気持ちいいんだもん・・・。」
いつのまにか少年からイヤリング官女への恐怖心が消えていた。
少年は愛撫と締めつけの重奏が少年の体に最高の快感を与えて、その上に胸による責めも加わった三重の責めを受けていた。そのあまりの快感にイヤリング官女が異形の怪人であることを忘れてしまったのだろうか。
少年は股間と上半身に快感を受けつづけて、爆発の時期が近付いてきた。
「あうう、なんだか、おちんちんが、変だよぉ…。」
「ほほ、もう果てるのかしらね?このまま搾りつくしてあげる」
イヤリング官女は胸の動きをより激しくしてきた。同時に上半身に巻きついてる髪の締め付けが強くなった。
0073地獄のッ2014/06/21(土) 07:19:58.74ID:2wRrXbQk
「さぁ、妾の顔と胸に出しなさい!」
「うわぁぁぁぁ・・・!」
ドピュ、ドピュ、ドピュン ドクドク・・・。
少年のペニスから白い液体が大量に吐き出され、イヤリング官女の胸、髪、そして顔を汚した。
「たくさん出したわね。そんなに気持ち良かったかしら?」
「う、うん・・・。これでぼく、かえれるんだよね・・・。」
少年は力なくそう言うと、気絶してしまった。

「ほほほほほ・・・、今回はこれで返してあげる。でも坊やはもう妾の虜、またたっぷり搾ってあげるわ。」
0074地獄のッ2014/06/21(土) 07:22:07.96ID:2wRrXbQk
ひとまずここで完結です。単純におねショタとかそういうのが好きなのでこんな感じですね。
ちなみに渋のオリジナル版に若干修正が入ってます。
0075名無しさん2014/06/21(土) 11:43:04.32ID:pOWEkgkD
>>74さんへ

素晴しい作品の投下をして頂き、ありがとうございます。

SS作りの参考になります。

私もこれだけの内容を書けるぐらい、成長したいものです。

後は画力が欲しいです。私は絵がとても下手くそなので……。

では、私もそろそろ書き始めます。
0076名無しさん2014/06/21(土) 16:19:38.23ID:pOWEkgkD
では、SSを再度、投下させて頂きます。
だけど、その前に注意事項があります。必ず、最初から最後まで読んでください。

※駄文注意、できるだけ見直ししてから書き込みますが
 間違いがあったら教えてください。

※このSSは、実在する人物や作品などが登場いたしますが
 私の勝手な妄想なので、本家との関連性は全くありません。
 勝手に妄想するのが、許せない人は見ない方がいいです。
 ですが、できるだけ本家の内容と一致させるつもりです。

※想像上ではない実在のモデルの方がいますが、その方も私が考えた
 イメージのみで、勝手にやらせて頂いているだけなので
 その方への直接的な誹謗中傷はやめてください。

※特撮系、人外系、凌辱系が苦手な人は見ない方がいいです。

※話の内容のプロローグから第5章まではHな描写は少なく
 イヤリング官女自体がほとんど話に関係がないのですがご了承ください。
 第6章以降にHなシーンをたくさん増やしていきたいとおもいます。
 それまでは、無理に読まなくてもいいです。気が向いた時にでもどうぞ。
 内容は自分が書きたいと思って書いているぐらいですので……。

※感想は人が不快な気持ちにならないような表現にしましょう
 ただし、ネタにするぐらいのものは構いません。

それでは、始めさせて頂きます。
0077名無しさん2014/06/21(土) 16:21:19.49ID:pOWEkgkD
タイトル 「イヤリング官女を犯す」
0078名無しさん2014/06/21(土) 16:25:38.25ID:pOWEkgkD
 プロローグ「物語」

 これは、誰も知らないお話……。

 宇宙人と遭遇したり、変身ヒーローになったりしながら
創造した世界にまで行って、愛する人を求めた一人の男の物語…………。
0079名無しさん2014/06/21(土) 16:32:59.77ID:pOWEkgkD
第1章「星」
 
?「ああ……!ううっ!……気持ちいい……」

7月に入り、夏の暑さも厳しさ増す一方で、一人の男が自慰行為に燃えていた。

閉め切った部屋の中で、モワモワした熱気を気にせずに、ただひたすらにアソコをしごく。

男「ああっ!……ダメだよぉ……そんなとこ……イヤリング官女……」

そう言いながら、恍惚した表情で激しく手を上下に動かす。
動かす度に、汗が頬をツゥーっと流れていくを感じる。

普通の人は、男がナニをオカズにしているのか、サッパリ分からないだろう。
イヤリング官女って誰それ?アニメキャラ?と思うかもしれない。
0080名無しさん2014/06/21(土) 17:15:30.73ID:pOWEkgkD
そこで説明しよう、「イヤリング官女」とは

特撮「スーパー戦隊」シリーズの第17作目。
現在も高い人気を誇る「五星戦隊ダイレンジャー」に登場する、怪人だァァッ!!

作中で、ダイレンジャーの宿敵「ゴーマ族」と呼ばれている組織は
6000年前の地球にいた種族の一つであり、「妖力」を使うことができる。
そして、現代に復活し世界を暗黒にしようを企んでいる。という設定だァァッ!!

イヤリング官女のキャラクター設定は、そんなゴーマ族の
「地獄の三人官女」と呼ばれる官女の一人で
「阿古丸」という名の少年幹部の侍女として付き従っている。という役柄だァァッ!!

それから、「指輪官女」と「ネックレス官女」っていう二人の姉達がいるぞ。
ちなみに、指輪官女が長女、ネックレス官女が次女、イヤリング官女が三女だァァッ!!

3人とも、人間態は華やかな姿をしているが、怪人態はなかなか戦闘能力が高く。
三位一体攻撃でダイレンジャー達を苦しめたぞ。

その他のいろいろな悪役がいるが、それは自分の力で調べてみよう。
0081名無しさん2014/06/21(土) 17:30:03.47ID:pOWEkgkD
次に、イヤリング官女の外見を説明しよう。


イヤリング官女は美人だァァッ!!



だけでは、説明にならないので簡単に特徴を述べます。

人間態 (三姉妹なので人間態の姿は非常によく似てる)

・赤く豪華で中華風な貴族服を着ている。(三人官女全員共通)
・髪の毛がサラサラしている。     (これも三人官女全員共通)
・美人だァァッ!!      (これも三人官女全員共通だァァッ!!)

怪人態 (怪人態では誰なのか、簡単に見分けがつく)

・赤いタイツ服っぽいので全身を纏っている。ちなみに、胸当てつき。
・両耳が顔よりも大きく、大きなイヤリングを着けている。
・口の中に眼球らしきものがある。
・髪の毛がモサモサしている。 (怪人態で唯一、髪の毛がある)
・美人だァァッ!!       (三姉妹の中で一番美人だァァッ!!)

以上。もっといっぱい彼女の魅力はあるが、長くなるので残念ですが、割愛させて頂きます。

何だい? 指輪官女とネックレス官女のことを詳しく教えてほしい?
ごめんな、あんまり詳しくないんだよ。自分で調べてみてね。
0082名無しさん2014/06/21(土) 17:34:51.93ID:pOWEkgkD
今の説明で、イヤリング官女が何者かは理解できたかな?
実際の姿は自分も目で確かめてみてほしい。

だがしかし、このままでは男が何故
彼女?怪人?をオカズにしている理由が分からない。

それも説明しよう。

それは、男が変態だからだよ。以上、解散。
0083名無しさん2014/06/21(土) 17:56:32.90ID:pOWEkgkD
男「ハァハァ……イヤリング官女……いいよ……。」

周りの人に聞かれたら、恥ずかしくて悶絶級の言葉を放ちながら、一生懸命にしごく。

男「ううっ……そんなぁ……イヤリング官女……そんなことしたら……イっちゃうよ!」

そして、男のアソコは限界を迎えた。

男「ヤバイ……出そう……出るっ!……ウッ!」
 
男はティッシュにその情熱を全てを開放した。

ビュルルゥ!!ボタッ…ボタッ…。

男「ハァハァ…………。」

男は満足して一息ついた。
 
男「フゥ…。」

余韻に浸り終えて、しばらくすると
激しい自己嫌悪が彼を襲った。彼は酷く後悔した。

男(また……、やってしまった…………。)と……。
0084名無しさん2014/06/21(土) 18:06:11.30ID:pOWEkgkD
話は15年前程に遡る。

男は、幼い頃にTVで見ていたダイレンジャーと戦う
イヤリング官女を見て初めて、勃起をしたのだ。

そこから、彼の苦悩は始まる。

それは子どもの時から周りから、少し変な奴扱いされていた。
理由はダイレンジャーの話になると、イヤリング官女が一番好きと
いつも言っていたからである。
周りからは、ダイレンジャーよりも、敵の怪人が好きだなんておかしいぞと言われた。
指摘されて、多少は傷つきそれ以来
人前で、口にしなくなったが、心の中ではいつも叫んでいた。

男「ダイレンジャーよりもイヤリング官女が好きだァァッ!!」

小学生時代も半分が過ぎ、周りの男の子達は
次々と「ヒーロー」への憧れから卒業していくが、彼は未だにイヤリング官女が好きだった。

もっとも、イヤリング官女は「ヒーロー」ではないのだが……。

中学生時代に入ってからも思春期なのに、異性には興味を持たず
相変わらず、イヤリング官女のことばかり考えてしまう。





無論、性的な興味はイヤリング官女へと向けられた…………。
0085名無しさん2014/06/21(土) 18:11:50.25ID:pOWEkgkD
高校生活もほとんどの間、一人で過ごした。部活にも入らなかった。
このころから、イヤリング官女の情報収集に情熱を傾けた。
周りが変わっても彼だけは何も変わらなかった……。

両親も彼の性癖には気づけなかった。普通は知らないだろうが……。

大学生になっても、これといった友達や彼女もできず
やっぱり、イヤリング官女一筋だった。

周りが海に行ったり、カラオケをしたり、スポーツに打ち込み、異性と付き合ったりして
遊びや人との付き合い方、情熱や愛を経験し、青春を駆け抜けていく時に。



彼は家に真っ先に帰宅し、PCで調べまわっていた。



そして、脳内の妄想だけが危険な領域へと変わっていった…………。
0086名無しさん2014/06/21(土) 18:18:27.83ID:pOWEkgkD
現在、彼はフリーターをしている。
仕事で稼いだお金は全て、愛するイヤリング官女をもっと知るために使われている。

彼は現在、一人暮らしをしている。
彼はイヤリング官女の愛を語るブログを立ち上げ、情報収集の手柄を載せた。
そして、ダイレンジャーDVDを全巻買い揃え
自分一人で、イヤリング官女のフィギュアや抱き枕、多数のイラストを制作している。


彼は、掲示板にも何度かスレを立てたのだが、世界広しといえども
性癖の合う奴は見つからなかった。

彼は前から自分は性癖がマニアック過ぎるのかと考えていたが
世間は彼からみて、もっと深刻な状況だった。

イヤリング官女が好きどころか、知らない人の方が圧倒的に多いではないか……。
彼は、そう思い知らされた………。
0087地獄のッ2014/06/21(土) 18:19:23.72ID:2wRrXbQk
>>75
いえいえ、大したものでもないですよ。とりあえずは自分の本能のままに描いてます。
絵でも小説でも言えることですが下手でも愛さえあればそれをわかってくれる人はいます。自分も絵は下手ですがそこは愛で補ってますし( http://m.pixiv.net/profile.php?PHPSESSID=0be8e7fa18f604f53d9ca7f54adf0cab&;guid=ON

期待してますので焦らず頑張ってください。
0088名無しさん2014/06/21(土) 18:45:23.54ID:pOWEkgkD
彼は一人暮らしには満足していた。

男(これでいつでも好きなだけ、イヤリング官女でオナニーできるぞ……。)と

確かにドアに鍵の掛からない部屋では、いつ家族に見つかるかと思うと
安心してオナニーができない。それは見られたら死ぬほど恥ずかしい……。
思春期の男子達が抱える大きな悩みである。

だが彼には、いつもどうにもならない問題を抱えていた。

それは…………。

イヤリング官女が現実の世界には存在していないことだった。

一応、イヤリング官女は生きているようにTVに映るが
あれは、姿をスーツアクターがスーツを着て演技し、声は役者をアフレコをしているだけ
本当に生きてはいない。だから、どんなに愛しても現実に彼女は存在しない。
彼女を深く愛していても、届くことのない気持ちと精液は、むなしく宙を舞う。
彼は本物のイヤリング官女には話しかけることも、触れることさえもできない自分に猛烈に腹が立った。
どうやったらTVの中の世界に行けるかを本気で考えた。

男「もしも、○○えもんがいたらなぁ……。」

彼は全てを憎んだ。
0089名無しさん2014/06/21(土) 19:09:13.40ID:pOWEkgkD
まず最初に、ダイレンジャー達を恨んだ。

男(イヤリング官女にこんなに会いたいのに、なんでお前ら倒しちまったんだよ……。)

次にゴーマを恨んだ。

男(なんでこんなに美人なのに幹部じゃないんだよ、幹部だったらもっと長く活躍するところが見れたのに……。)

さらに、監督や脚本家、演出家や怪人のデザインをした人
番組スタッフや俳優を全員恨み、TV局まで恨んだ。
一人一人の方に言いがかりが多いので、全員分にして怒りを吐き出す。

男(お前らがこの話を作ってTV放送なんかするから、俺は見ちまったじゃねえか。そのせいで、俺はこんなに悶々しているんだぞ……。)




最終的にあんなに愛していたイヤリング官女を憎んだ。

男(大体、全ての元凶は君のせいなんだぞ……。)

男(君が美しすぎて勃起したせいで、俺は君じゃなきゃ勃起できなくなってしまったんだぞ……。)

男(責任を取ってくれよ、一回でいいからヤらせてよ……。)

彼は八つ当たり的な思想になってしまった。
0090名無しさん2014/06/21(土) 19:55:02.24ID:pOWEkgkD
その他にも、両親や友達、石ノ森章太郎さんまでもが犠牲になった。

男(父と母がTVなんか買っていたから見ちゃったんだ……ちくしょう。)

男(あの時、あいつらが理解してくれたら……ちくしょう。)

男(そもそも、「スーパー戦隊シリーズ」が最初からなければこんなことには……ちくしょう。)

でも、一番憎んだのは自分だった。

男(子供のころ、普通にダイレンジャーを見てれば……。)

男(イヤリング官女を好きにならなければ……。)

男(むしろ、僕がダイレンジャーを見なければ……。)

男(僕は今頃……。)

男(うあああああああああ)

彼は地球上でたった一人の孤独を十分に味わった。

だけど、彼はイヤリング官女を愛する気持ちが止められない。
理由なんてない。好きなものは好きなんだ。

男(後悔なんて、いつものことだ。もう慣れた。発作みたいなものさ。)

そう男は、自分に強く言い聞かせた。この間、後悔タイムの所要時間は僅か30秒程。

男「クヨクヨすんなよ、俺。生きていれば良いことある…………。」

スッと立ち上がり、汗を手で拭い
使用済みのティッシュをゴミ箱にポイと投げ捨てる。

男「かもしれないじゃないか…………。」

彼は気晴らしにベランダから出て、青空を見上げた。
雲一つない青空だった。青すぎて目に染みてきた。

男「ハァ…………。」

男はため息をついた。

男(ここにいてウジウジしていても仕方がない。)

男(散歩にでも行くか。)
0091名無しさん2014/06/21(土) 20:24:30.17ID:pOWEkgkD
男は今日一日は、仕事が休みなので
ゆっくりできると考えていたが、休日というのは
何故いつも、あっという間に過ぎていくのだろう。

蝉の声を聴きながら商店街をブラブラと歩く。

男(なんで蝉の声が聞こえるんだろう?)

男(ここ町中だぞ、どこで蝉が鳴いているんだよ。)

彼の住む町は比較的、都会よりも田舎に近い雰囲気で自然に恵まれている。
昭和の面影の残る商店街や駅があり、森林や小川などが多い。

若者達はパッとしない町と言うが、男は

男(俺はこの町の雰囲気、結構好きなんだけどなぁ……。)

と、考える。
そのまま何処へ行こうかと考えていると……。
0092名無しさん2014/06/21(土) 21:02:51.72ID:pOWEkgkD
?「オイ、男じゃないか。」

後ろから不意に声がする。

男(確か……この声は……。)

振り返るとそこには、男の知っている人物が立っていた。

男「友人!!……お前どうして……ここに……。」

友人「よお、久しぶりだな、元気にしてたかよ。」

それは男の数少ない友人の一人だった。彼は確か東京で一人暮らしをして
そこそこ大きな企業で働いている筈なのに……。どうして此処に……。

男「お前この町を出て、東京で暮らしてたんじゃないのかよ。」

友人「休暇を貰ったんだ、それでさ、実家に帰省しようと思ったんだよ。」

男「そうなのか……。良かったな……。」

友人「お前どうしたんだよ、元気がないな。」

男「昔からこんな感じだよ……。」

友人「そうかそうか、悪い悪い。」

男「まあ、また会えて嬉しいよ……。」

友人「俺も嬉しいぜ。あっ、そうだ。」

男「?」
0093名無しさん2014/06/21(土) 22:08:05.10ID:pOWEkgkD
友人はゴソゴソと鞄を探り、紙袋を取り出した。

友人「ハイ、これお土産だ。後でお前の家に持っていこうと思ったけど、今渡すよ。ホラ。」

お洒落な紙袋の中に、おいしそうなお菓子がプリントされた箱が入っている。

男「おう……ありがとう……。」

友人「今すごく東京で流行っているお菓子だよ、なかなかうまいぞコレ。」

男「うん……後で食べるよ……。」

友人「本当に大丈夫か?顔色悪いぞ。」

男「大丈夫だよ。」

友人「そうか、無理はすんなよ。」

男(全く、相変わらず騒がしい奴だな。)

友人「ん、なんか言ったか?」

男「な……何にも言ってないよ。」

友人「そうかな、聞き間違いかな。」

男「そういえば、仕事は順調なのか。大変だろ。」

友人「なかなか大変だよ。でも、給料が高いからいいけどね。」

男「そうなんだ……。」

友人「お前はどんな感じ。まだ、フリーター?」
0094名無しさん2014/06/21(土) 22:37:37.12ID:pOWEkgkD
男「うん……そうだけど……。」

友人「えー早く決めた方がいいぜ、若いうちに稼いでおかないと後が大変だぜ。」

男「そうだよね……。」

友人「ああ、すまんな。別に悪い意味で言ったんじゃないよ……。」

男「いいよ……。本当のことだし……。」

友人「本当にゴメンな、でも今時、正社員だって結構危ないし……。」

男「…………。」

友人「今はフリーターでも、そのうちお前にきっとピッタリな仕事が見つかるよ。」

男「うん……そう言ってくれて……ありがとな……。」

友人「お、おう。」

男はここ最近、彼とは連絡をあまり取っていなかった。
その理由は自分はフリーターで、彼は会社の正社員。
自分のような暇人が、彼みたいな忙しい人に連絡でもしたら迷惑だと思い込み
メールを送ったり、電話で話したりするのが億劫になっていた。

男は自分を恥じた。彼は仕事の格差などを気にせずに心配してくれて
さらに、こうして僕にお土産をくれたのに、自分は連絡もしないで…………。

男(僕はなんて冷たい奴なんだ……。)

男(こんなに心配してくれるいい奴なのに……。)

男(謝らなくちゃ……。)
0095名無しさん2014/06/21(土) 23:30:58.51ID:pOWEkgkD
男「ゴメン……あんまり連絡しなくて……。」

友人「ああ、いいよ、いいよ。俺も連絡取るのを忘れていたし……。」

男「でも……俺は……。」

友人「気にすんなよ、あ、そうだ。今度どこかに遊びに行かないか。」

男「えっ……。」

友人「昔みたいにさ、この町のいろいろな場所を二人で見に行こうぜ。」

男「うん……いいけど……。」

友人「懐かしい町だな、1年も東京に住んでたらこの町が恋しくなっちゃってさ。」

男(俺はあんまり……懐かしくないんだけど……。)

男(でも……この町が……恋しくなれるって……羨ましいよ……。)

男(僕はこの町から……あまり外の世界に行ったことがないんだから……。)

友人「そういえば、お前一人暮らしをしているのか?」

男「そうだよ……2ヶ月くらい前から……。」

友人「へぇー、どこに住んでるの?家賃はどれくらいなの?」

男「裏山の近くで……1ヶ月で5万円ちょっとくらい……。」

友人「あの……よく俺達が登った裏山か?」

男「そうだよ……。」

友人「へぇー、涼しそうでいいじゃん。」

男「そんなことないよ……虫がすごく出てくるし……。」

友人「まあまあ、自然が身近に感じられていいじゃないか。」

男「そうかな……。」

男(出るのは大体……蚊なんですけど……。)

友人「そうだよ、東京は蒸し暑いし、いつも人だかりで、どこもかしこも大混雑だよ。」

男「大変だな……。」

友人「まあね、でも良いこともあったし……。」

男「何?……どんな良いことがあったの……。」

友人「ああ、それはな、俺に――」

その時、不意にスマホが鳴った。僕の…………ではない。
どうやら、彼のスマホらしい。
0096名無しさん2014/06/22(日) 00:05:26.54ID:AsFATnCm
友人「一体、誰からなんだ?」

彼はポケットの中からスマホを引っ張り出した。
すると、顔がパッと明るくなると嬉しそうに言った。

友人「女ちゃんからだ、ハイハイ、今すぐに出ますよと。」

男(女ちゃんって……一体誰なんだ……?……コイツの彼女かな?)

友人「あーもしもし、俺だよ、友人だよ、元気?」

友人「俺か?俺は元気だよ?」

友人「今どこにいるって?俺の実家の近くだよ。帰省しているの。」

友人「ウンウン、そうだね、したいね。」

友人「いつの日?ウンウン、分かった、来週の日曜日ね。」

友人「バイバイ、じゃあね。」

ピッと通話を終えてポケットにスマホをしまう友人。
すごい嬉しそうだ。ニヤニヤしている。ちょっと気持ち悪い。

友人「ゴメンゴメン、急に電話が掛かって着ちゃってさ。」

男(見れば分かるよ……。)

友人「でさ、さっきの話の続きだけど。」

男「言わなくても分かるよ。当てるよ。多分、彼女が出来たことが良いことなんだろ。」

友人「あー、バレちゃったか。驚くと思ったのに。」

男「あの会話を聞いていたら、誰だって相手が彼女って分かるし。」

男「良いことって、このことかって直感的に感じ取るだろ。」

友人「アチャー、バレちゃったら仕方がない。」

友人「そうさお前の考えはBINGO、当たりだよ。」

男「さっきの電話内容は……多分デートの約束だろ。」

友人「お前、本当に勘がいいな。」

男「曜日が出てきて、約束っぽいことをしてたみたいからだからね。」

友人「そういうこと。」

男「可愛い子?」

友人「可愛いよ、メチャクチャ可愛い。」
0097名無しさん2014/06/22(日) 00:31:59.98ID:AsFATnCm
男「良かったな……。」

友人「ああ、お前も早く彼女作れよ。」

男「余計なお世話だよ……。」

友人「ハハッ、冗談だよ。」

友人「そうだ、明日お前の家に遊びに行ける?」

友人「俺は明日の夕方5時ぐらいにに東京に帰っちゃうんだよ。」

友人「お前の部屋どんな感じか見てみたいけどいいかな?」

男「ゴメン……。明日は朝から夕方まで仕事なんだ……。」

友人「そうか、今日はもう遅いし仕方ないね……。」

男「ゴメン、俺、フリーターなのに…………今からでもいいけど。」

男(少し片付けなくちゃいけないけど……。)

男(イヤリング官女のフィギュアと……抱き枕を……。)

友人「無理しなくていいよ。また今度にしようぜ。」

友人「お互い準備が何も出来てないし、何をして遊ぶかも決めてないからな。」

友人「また、必ず休暇取ってくるから、その時な。」

友人「じゃあ、俺はそろそろ行くよ。お袋がご馳走作ってくれたみたいだし。」

友人「後は、親父にいろいろ自慢しまくってやんなきゃな。」

友人「じゃあな、男。」

男「うん、また会おうな。」

友人「おう。」

そう手を振って彼は行ってしまった。

男(俺の両親も俺のことを心配しているのかな?)

男(俺もそろそろフリーターを辞めて、職に手を付けて、現実を見ようかな…………。)

男はたまに考える。
0098名無しさん2014/06/22(日) 01:24:59.09ID:AsFATnCm
彼は時々、自慰行為後の賢者タイムでも考えてしまう。
俺は一生をこうやって過ごしていくのかなと……。

正社員の仕事に就けず、家族を持たず、親に孫の顔も見せれずに永遠の別れを迎えて

イヤリング彼女と結婚するというありもしない妄想に取り憑かれ続け
挙句の果てには孤独死でもするのかなと…………。

もしも、イヤリング官女と出会わなければ
こんな風にはなっていなかったのでは……。

男(俺も友人のような勝組のリア充になれたのか…………?)

男は嫌な幻覚を打ち消す。

男(いや……違う……。)

それでも多分どこかで俺は君を見つけて
今と同じように君を愛しているのだろう。

それだけが、俺の人生の生きた中で唯一、誇れることだ。
多分、いや絶対に世界で一番、俺がイヤリング官女を愛していることだ。
俺の人生の生きたせめてもの証だ。

男(この証を……誰でもいいから……俺を認めてくれ……。)

男は自分の手を握り締めて空を見上げた。

青空は茜色に染まりオレンジ色の雲がゆっくりと流れていく。
大きな雲が何かを包み込むようにモクモクと立ち上る。

夕焼け色の空も青空と同じくらい目に染みた。
夜空はやりきれないほど、悲しく僕の瞳に映るのだろう。

イヤリング官女はキバレンジャーのせいで死んだんだ。
いくら泣いたって、怒ったって、愛を叫んだって変わらないんだ。
もう、僕も現実を見るときなんだ。

男は家路につこうとしていた。
もはや、打開策など何もない。

男の心がどうにもならない問題にぶち当たり、ガラスのように砕けかけ
イヤリング官女を愛することを終えようとしていた時に…………。

一方その頃、地球から遠く離れた惑星から、一つの「宇宙船」が地球に向かって飛び立っていった…………。
0099名無しさん2014/06/22(日) 02:11:50.97ID:AsFATnCm
>>87さんへ

期待して頂きありがとうございます。

確かに、あなたの仰る通りでございます。

私も愛の力でカバーしていきたいなと思います。

でも、あなたの絵は良いと思いますよ。
私は好きです。これからもたくさん書いてください。応援しています。

ニコニコ動画で「五星戦隊ダイレンジャー」の配信を見てますよね。
あと少しで17話ですね、私もとても楽しみです。
0100名無しさん2014/06/22(日) 02:44:17.43ID:AsFATnCm
とりあえず1章が終了しましたが、間違いが結構ありますね……。

特に酷かったところを訂正します。

>>80 ×世界を暗黒にしようを企んでいる。
   ○世界を暗黒にしようと企んでいる。

>>81 ×彼女の魅力はあるが、長くなるので残念ですが
   ○彼女の魅力はありますが、長くなってしまうので残念ですが

>>82 ×実際の姿は
   ○よく分からなかった方は、どんな姿かは

>>85 ×このころから、
   ○この頃から、

>>89 ×最終的に
   ○最終的には、

>>91 ×男は今日一日中は
   ○男は今日一日は、

>>93 ×男「そういえば、仕事は順調なのか。大変だろ。」
   ○男「そ……そういえば、仕事は順調なのか?大変だろ。」

>>96 ×友人「アチャー、バレちゃったら仕方がない。」
   ○友人「アチャー、バレてしまったら仕方がないな……。」

 他にも変な表現があったら教えてください。
前よりかは見辛くはないと思いますけど、いかかでしょうか?
0101名無しさん2014/06/22(日) 02:49:22.76ID:AsFATnCm
 記念すべき100が訂正分になってしまったことと
なんかズレてしまった訂正分になってしまったことを
お詫び申し上げます。すいませんでした。

文字列をピッタリに合わせた筈なのに……。何故……。
0102名無しさん2014/06/22(日) 03:23:13.98ID:AsFATnCm
第2章「プロジェクト・コロニー」

 地球から何億光年も彼方にある惑星「マウス星」では
今まさに、一大計画を始めようとしていた……。

 マウス星、それは我々以外の知的生命体が住んでいる惑星である。
地球とは似たような外観の惑星で、水や酸素、その他諸々の物質が存在している。

 マウス星が誕生した最初のころ、地球の生命の誕生の歴史と同じように、海から生物の進化が始まったが
ある時、陸上に繁栄した生物の中で、突然変異で誕生した種族が、この星の頂点に君臨し
さらに、その数を増やしながら進化をどんどん繰り返していくにつれて
その種族は高い知性を身につけ、体が活動に適応するように二足歩行に進化し
文字や言葉によるコミニュケーション能力まで備えたのだから驚愕だ…………。
まあ、我々人類も似たよう進化だが、その進化後がもっと凄かった。
その知性はとどまることを知らず成長し続けて…………。

 なんと!!我々と同じ社会形態をとり、我々が想像するような未来都市を開発するまでに至っていた。

 この星の科学技術は現在、今の人類の科学技術を遥かに上回っており
生み出した物は、我々人類が作り上げるには、まだまだ時間が掛かりそうな物ばかりである。

 タイムマシンや物体転送装置、汎用型宇宙船などが存在し
人々は、人工知能を搭載したロボット達と共に働き、高度な文明を築いている。

 だが、この星の住人達は我々人類から見ると、とても驚くべき姿をしている。
その体は、首から上が動物の「齧歯目」それより下は我々「人間」と同じ体型で
全身には、フサフサと短い毛が生えており、前歯が鋭い。
種族によってはなかったり短い者もいるが、尻尾が伸びている。

 顔がネズミっぽく、体が人間の生物は地球上には存在しない為
大変、奇怪な姿かもしれないが、これがこの星の人々の当たり前の姿である。

 彼らは、強大な軍事力を保有しているが、一部の種族を除いて非常に温厚な性格の種族で
争いの為にその力を使わず、軍隊は災害救助などのレスキュー部隊として活躍し
科学技術は、この星の発展を願って作られた物ばかりである。

 ところが…………。マウス星はある厄介な問題を抱えていた。
0103名無しさん2014/06/22(日) 04:32:34.31ID:AsFATnCm
 それは、このマウス星の人口が増えすぎて
土地不足問題と食料不足問題に苦しみ始めた。

 マウス星の人々は素晴らしい科学力を持っていても
この難問を合理的に解決するのは難しかったようだ。

 その為、朝から晩まで会議が開かれ、
一つの会議室に種族の代表が集結し、あれこれ議論をしていた。

 彼らは最初に、海を埋め立てて土地を増やすという計画を出したが
海が埋め立てられたら貴重な海産物資源が大量死滅する可能性に加えて、
労力も時間もかなり掛かるという結論に達し、海を埋め立てるのは没になった。

 次の意見は、空に家を浮かせて滞在しようという意見だったが
しかし、それには浮き続ける為のエネルギーを莫大に消費する上に
星の大気を狂わせてしまう。効率的ではないと意見がまとまり、これも没となった。

 地中にシェルターを作り、その中で住むという意見も出たが
大地震が来た際に崩れて、生き埋めになったら危険だし、救助をするのも一苦労だと
意見が出て、すぐに没にされた。

 理想のアイデアは、時間が余り掛からず、食糧不足も解決ができ
かつ、エコロジーでこの星に負担を与えないというのが、基準だった。

 会議はなかなか最高のアイデアが出ずに
時間だけが悪戯に過ぎて行った。

 その間に、少子化条例で人口の爆発的な増加は収まったが
少しずつ確実に増え続け、食料も配給制へと変更された。

 常に満員電車状態での環境と空腹で
温厚な性格の彼らも次第にイライラし始め
このままでは、暴動が起こる可能性も危惧された。

 そんな中で、また一つ、アイデアが提案された。
0104名無しさん2014/06/22(日) 06:01:11.85ID:AsFATnCm
 そのアイデアとこれまでとは一線を越していた提案だった。

 それは他の星に移住する計画だった。

 その内容は、まずはマウス星のスーパーコンピュータに移住できそうな星を割り出させて
移住が可能か判断する。だが、宇宙は広いので判断できるのは
マウス星の人々がその星に住めるか、住めないかどうかでしか分からない。

 その場合はその星に、調査部隊を派遣し知的生命体の有無などを確認して、星の環境を調査
細かい基準を満たしていたら、通信でマウス星から移住ができると伝え
大型物体転送装置をその星に運び込み、マウス星側から都市開発に必要なものを転送させる。

 もう既に知的生命体が繁栄している場合はその星を諦めて別の星を探す。

 そして、十分に暮らしていける環境を整えてから人々を移住させて
土地と食料の負担を二つに分けるという提案だった。

 意外と基準を満たす星はたくさん存在するが
他の生物が既に繁栄している星も多く。
なかなかいい星は見つからない。

 とはいっても、彼らは他の生物が既に住んでいる星を侵略をして
土地や食料を奪い取る気はない。

 彼らは平和的に、問題の解決がしたかった。

 そこで、移住できる星の条件を書き出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・調査するのは、マウス星と限りなく環境が似ていると判断された星。

 理由(あまりにもかけ離れていると生命維持装置などの準備に時間と手間がかかる。)

・知的生命体のいる星には移住をしてはいけない。

 理由(争いの元になるから。相手の進化の阻害をするから。)

・生物が進化を遂げている星にも移住をしてはいけない。

 理由(これから誕生する星の生命と進化の歴史を変えてしまったらいけないから。)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 そして軍隊は「惑星調査部隊」へと、編成され候補の星が見つかると
基準を満たした星か調査をするために派遣されていった。

 調査部隊は何億光年の距離を地球の時間で換算して8時間ほどで
宇宙空間の移動が出来る「探査型宇宙船」に
5人1組の部隊で乗り込み、惑星調査に向かうのである。
 
0105名無しさん2014/06/22(日) 06:50:13.00ID:AsFATnCm
マウス星が夕方の頃、調査部隊がまた星に派遣されようとしていた。
4人がモニターの前に集合し指令を待っている。

?「今日は確か……この星か……。」

真ん中のリーダー格の男が、星のデータを見ながら
今回の目的地の確認をする。

?「そうみたいだな……。」

右隣の男が言葉を軽く返す。あまり話さないタイプの男なのだろう。

?「あのコは集合するのがいつも遅いわね〜。」

真ん中の男から左隣の女性が、やる気のなさそうにつぶやく。

?「全くだよ!!……アイツはいつも……ウンコが長いんだよ!!」

女の左にいる男はイライラしている。

?「嫌よ〜そういう汚い言い方、もっと増しな言葉が選べないの〜。」

?「うるせぇな!!この上品かぶれが!!」

?「まあ〜、酷ーいこの人、レディに向かって〜、私〜泣いちゃうかも〜。」

?「なんだとぉ!!てめぇ!!」

口論を始めた2人を周りが諌める。

?「2人とも、静かにしろ。もうすぐ出発時刻だ。」

?「奴も直に来るだろう……少し黙っとけ……。」

2人に怒られて静かになる部屋。

?「ハイハ〜イ。」

?「チッ……。」

その時、此方に向かって急ぐ足音が聞こえる。」

?「おっ、来たみたいね。」

?「やっとかよ……。」

?「…………。」
0106名無しさん2014/06/22(日) 07:25:13.42ID:AsFATnCm
?「すみません、遅れてしまって……。」

?「遅〜い、もう待ち疲れちゃって眠いわ〜。」

?「トイレぐらい早めに行って終わらせろよ!!」

?「すみませんでした……。」

?「…………。」

?「オイオイそれぐらいにしとけよ。もうすぐ指令が来るぞ。」

そう言った瞬間にモニターが付き、軍服を着た男が現れた。

?「こんばんは、諸君。」

5人「「「こんばんは!!ゲンシ大佐!!」」」

ゲンシ大佐「うむ、では名前を読み上げる、呼ばれた者は返事をしてくれ。」

5人「「「ハイ!!」」」

ゲンシ大佐「ブラウン・ワン。」

ブラウン「ハイ!!」

ゲンシ大佐「ブラック・ツー。」

ブラック「ハイ。」

ゲンシ大佐「ホワイト・スリー。」

ホワイト「ハーイ。」

ゲンシ大佐「ゴールド・フォー。」

ゴールド「ハイ……。」

ゲンシ大佐「シルバー・ファイブ」

シルバー「ハ、ハイ」

ゲンシ大佐「以上5名、今回の任務については分かるな。」

5人「「「ハイ!!」」」
0107名無しさん2014/06/22(日) 08:15:58.05ID:AsFATnCm
ゲンシ大佐「では、いつもと同じように惑星調査を頑張ってくれ。健闘を祈る。」

5人「「「ハイ!!」」」

モニターの電源が消えて、部屋の後ろのシャッターが開く。

ブラウン「よし、皆行くぞ。」

ブラック「おう……。」

ホワイト「ファ〜イ。」

ゴールド「ヘイ……。」

シルバー「ハ、ハイ」

5人が向かった先にあったのは探査型宇宙船
これに乗り込んで惑星探査に出発だ。

乗るといっても、目的地への大体の距離を入力し
自動操縦に設定してカプセル型の衝撃防御装置に入り
後はスリープ状態になることで、寝てしまえば
すぐに目的地に到着したように感じるのだ。

ブラウン「防御カプセル異常なし。」

ゴールド「燃料タンク満タン、異常なし。」

ブラック「スピード装置、コントロール装置……共に異常なし。」

ホワイト「パワーエンジンも異常ないよ。」

シルバー「レーダーや計器、アイテムケースも多分平気です……。」

ゴールド「ハァ!!そんなチェックでいいのかよ。抜けてたらどうすんだよ。」

ホワイト「コラーあまりイジメないの〜可哀そうでしょ〜。」

シルバー「すいません……。でも……大丈夫です……。」

ブラック「安全確認終了だ……ブラウン。」

ブラウン「よし、全員防御カプセルに入れ、出発だ。」

全員がカプセルに入り込むとプシュー、パタンと蓋が閉じ
ガチャンとロックが掛かる。スリープガスが流れ出たかと思うと
それと同時に、エンジンが唸りを上げて火を噴きだす。

宇宙船用の滑走路が開き、一気に加速する。
その頃にはもう5人は眠りについている。

激しい衝撃と共に機体は光の速度と化してマウス星を飛び出し
移住先を求めて飛び立った。素晴らしい物を積み荷を載せて…………。
0108名無しさん2014/06/22(日) 09:50:17.35ID:AsFATnCm
第3章「遭遇」

 あれから家に帰った男は、ベッドの上で、虚ろな目をしながらゴロゴロしていた 。
そのまま、次の日を迎えた。とはいってもまだ日付が変わったばかりの時間帯。
町は暗黒の眠りについている。

男(ああダメだ……友人と自分の価値を比べてしまって辛い……。)

男(そういえば……裏山はアイツとよく登りに行ったな……。)

 彼と友人は高校生の時に出会った。
彼とはそこまで親しくはなかったけど
この町を二人でウロウロ歩いて散歩したぐらいの仲だった。

 二人で行った一番多く遊びに行った場所は裏山だった。
学校が終わった後に頂上から町を見下ろした。

男(夕焼け色に染まる町は感動的なほど綺麗だったな…………。)

男「…………。」

 男は暇だったので、久しぶりに裏山にでも散歩しに行くかと思いつき
服を着替えて、靴紐を結び直し、暗闇の中に歩き始めた。
0109名無しさん2014/06/22(日) 10:53:09.52ID:AsFATnCm
散歩といっても、裏山に何かがあるわけでもない。単なる暇つぶしだ。
ただ、何もせずにジッとしていると、自分の将来をを考えてしまうだけではなく
イヤリング官女のことも考えてしまう。

男(こんな遅くに裏山に一人で行くのは初めてだな。)

男(今までせいぜい7時ぐらいでアイツと二人だったからな。)

急に暗闇が怖くなり、何かから逃げるように
忍者の如く、闇夜へと走り去る。

途中、またイヤリング官女が頭の中をよぎるので
振り払うように月と競争しながら突っ走る。

男(山道が見えてきたし久しぶりに登るか。)

頂上を目指せ。走れ、月はいつもとなりで走ってくれるから。

男(俺みたいな物好きに付き合ってくれるなんて、優しいんだな君は。)
0110名無しさん2014/06/22(日) 11:23:24.53ID:AsFATnCm
変な想像しながら、ついに頂上に到着。
息を切らしながら夜空を見上げる。

たくさんの小さな星と 、たった一つの大きな月が
闇の中に散りばめられている。
 
星の瞬きと月の光が天高くから、この町に降り注いでいる。
その美しさに折れた心が浄化されていくようだ。
言葉にできないほどの輝きを放つ。
その美しさに汚れた心が、浄化されていくようだ。

月がこちらを見下ろし微笑んでいる……ように見えた。

男(俺の神経もどうかしちまったみたいだな。)

こんなに、夜空が綺麗なんだから。
一つくらい流れ星があってもいいのにな……と思う。

星空に頼む願いは一つ。
「イヤリング官女に会いたい。」
0111名無しさん2014/06/22(日) 13:58:36.69ID:AsFATnCm
その時、流れ星がキラリと空を駆けた……。

男(やった、流れ星だ。ああいけね、願い事をしなくちゃな……。)

男「イヤリング官女に会いたい。」
男「イヤリング官女に会いたい。」
男「イヤリング官女に会いたい。」

男(ほら、3回も唱えたぞ……。)

真面目な流れ星なら、汚い願いを無視してそのまま空の旅を続けるのだろう。
怒りっぽい流れ星なら、汚れた願いに怒り、真っ赤な隕石と化して俺を粛正するのだろう。
優しい流れ星なら、汚れちまった悲しみに満ちた俺を、この苦しみから解放してくれるだろう。

男(さぁ、流れ星よ……。どうする……。)
0112名無しさん2014/06/22(日) 14:07:26.76ID:AsFATnCm
流れ星は遠くへ消えた……。

男(何をやっているんだ俺は……。)
男(自分が恥ずかしい……。まるで恋する乙女みたいだったじゃん……。)
男(あー気持ち悪い、バカやってるぜ。)

帰ろうとした矢先、流れ星が空で運動会を開催した。
流星群は綺麗だが、男の気持ちはガタ落ちする。

男(おいおい、叶わぬ願いを流れ星は笑うのかよ……。)

男「あー馬鹿にされてイライラするな。」

急に吹っ切れた俺は、なりふり構わず願い事を精一杯で叫んだ。
0113名無しさん2014/06/22(日) 14:50:17.96ID:AsFATnCm
男(誰にも聞かれず、通報されませんように…………。)

 性的な欲求のことばかりを叫んだ。

男「イヤリング官女とセックスしたい!!」

男「イヤリング官女にフェラしてもらいたい!!」

男「イヤリング官女にクンニしたい!!」

男「イヤリング官女にパイズリしてもらいたい!!」

男「イヤリング官女に手コキしてもらいたい!!」

男「イヤリング官女に手マンしたい!!」

男「イヤリング官女に足コキしてもらいたい!!」

男「イヤリング官女に髪コキしてもらいたい!!」

男「イヤリング官女をレイプしたい!!」

男「イヤリング官女に逆レイプしてもらいたい!!」

 とりあえず10個も叫んだ。まだ流星群は流れ続けている。
まだまだ、叫ぶぞと喉に気合を込める。
0114名無しさん2014/06/22(日) 15:18:55.67ID:AsFATnCm
男(これくらいの声なら、人に聞かれはしないだろう……。)

 次は、真面目に考えてこうつぶやいた。

男「イヤリング官女と結婚したい……。」

男「イヤリング官女と幸せな家庭を築きたい……。」

男「イヤリング官女といろいろな場所に遊びに行きたい……。」

男「イヤリング官女と美味しいもの食べたい……。」

男「イヤリング官女をキバレンジャーからを守りたい……。」

男「イヤリング官女の温もりを感じたい……。」

 男はこの願いをあまり声を出さずに唱えた。
密かな願いだからね……。
最後の願いを最大パワーで叫ぶ為に……。

男(フフフ我ながら、赤面失神級の願いがポンと出てくるな。6個も言えたぜ。)

男(自分の変なところに感心、感心。おや、最後に一つデカめな流れ星が来たな……。)

男(これが最後だァァッ!!、大音量で願いを叫ぶぞと、手に力を込めた……。)

呼吸を整え、いざ最大限の声で星に願いをかけた……。
0115名無しさん2014/06/22(日) 17:41:19.24ID:AsFATnCm
男「頼む!!一生分のお願いをここで使う!!」

今までで一番大きな声ながらも、悲痛な声は願いを叫び続ける。

男「イヤリング官女に会うことが出来るのなら!!
  一度だけでいいので!!チャンスを僕にください!!
  もし!!それも駄目なら!!僕をこの世界から一瞬で消してください!!」

叫び終わっても、当然、何も起きない。

男「ハァハァ…ハァハァ…ウッ……アッ……。」ドシン!!

叫び終えた男は、急に体がフラついて気分が悪くなり、地面に座り込んでしまった。

彼には満足感も何もない。もう愛が実らない現実が辛く、精神的に限界だった。

男(叫び疲れたよ。どうせ何も起こらない、願いなんて叶わない……。)

男(叫んで、いろいろと吹っ切れたぜ。もうそろそろ現実を見よう……。)

男(今からでも、まだ間に合う。友人の生き方を見習ってみようか……。)

男(そうやって、生きよう。さようならイヤリング官女……。)

彼は立ち上がると自嘲気味に笑い、微かに涙声になりながら。

男「さて、明日からまた仕事だ!!。俺、ファイト!!」

彼はポジティブな自暴自棄の気分で独り言をいいながら

男(君を愛したことは永遠に忘れない…………。)

と、告げた。もう報われない愛で、苦しむのはやめようと…………。





そう真剣に考えだした矢先に、とんでもないことが!!。
0116地獄のッ2014/06/24(火) 01:27:27.05ID:y+hKrCL4
>>115
執筆お疲れ様です。かなりテンポ速いですね。主人公の心境、自分もよくわかりますよ(笑)
支援としてイヤリング官女の絵を描いたので貼らせていただきますね。
http://i.imgur.com/7UaJsXU.jpg
0117名無しさん2014/06/25(水) 18:09:22.78ID:gxyjKZGp
>>116さんへ ご支援、本当にありがとうございます。

家のPCで書いているので、誰かが使っていると
書くことができませんので遅れてしまいます。
すみません。

「五星戦隊ダイレンジャー」の17話まで、残り数日ですね。
待ちきれませんね。

絵には、イヤリング官女への愛情が溢れていますね。
私も見習いたいものです。

休日に一気に書き込みますので、気長に待っていてください。
0118名無しさん2014/06/26(木) 18:37:16.04ID:qoMQ34hl
なんと、遠くに見えた大きな流れ星がこちらに向かって落ちてくる。

男(まさか、願いを叶えてくれるのか?)

ギラギラと燃え上がりながら近づいてくる!!

男「エッ!!マジか!!」

うわーすげー うわーきれー なんて言っている場合じゃない……。

もしも…このまま…裏山に激突したら……。
それが原因で町が崩壊でもしたら……。

洒落にならないよ……。俺のせいで町一つ消滅なんてしたら……。
俺が頼んだのは俺を吹き飛ばすくらいの石つぶての隕石だって。
そんな、ビッグサイズのなんかいらないよ。
これじゃあ、町を巻き込んだ罪で天国に行けないよ。
どっちみち、俺みたいな性欲の塊は地獄行きですけどね…………。

男(まあ、こんなところにいたら結局潰されそうなんだけどな……。)

そうっている間にも流れ星はグングン近づいてくる!!

男「イヤリング官女と会えないくらいならそれでもいいけど……。」

口にするのは容易いが、足が震えて立ち眩みがする。
全身からヒャッとした汗が出て、体が急に凍える。
童貞のまま死ぬ自分に涙がこぼれる…………。

隕石が目の前に降ってきた。裏山にぶつかる!!

父よ母よごめんなさい。せめて、別れの挨拶がしたかった…………。
鈍い光が体を包む。僕はメテオと共に散り、灰と化す。

恐怖に耐えきれず、目を瞑った次の瞬間。
0119名無しさん2014/06/28(土) 20:51:52.91ID:Vh5x2v2+
瞼の裏側に眩い光を感じ取った。
ピカッて感じの眩しさよりも、ビカ〜っていう光りの映り方だ。

おぼろげな閃光が僕の体を包み込む。

男(何かに包まれて死ぬのなら、イヤリング官女の髪の毛に締め上げられたかったかな…………。)

男は最後までイヤリング官女のことを想った。

男(皆……さようなら…………。)

不思議な光に薄く目を開けると、ゴゴゴゴゴと唸りを上げ真っ赤な隕石が自分に向かってくるのが見えた。

男(もう終わりだ…………バイバイ…………。)

彼は静かに目を閉じたが、涙が止まらなかった。



男(おかしいな……。)

男(もうとっくのとうに、死んでいる頃なのに……。)

男(隕石は、まだ落ちてこないんだろうか……。)

しばらく経っても一向に何も起きない。
音一つ、風一つもしない。

男(まさか、もう死んだのかな…………。)

不審に思った男が目を開けると……そこには……。

男「エッ!?」

なんと、隕石が目の前で静止していた。

隕石は彼の体を押し潰し、裏山の辺り一帯を吹き飛ばしそうな勢いで落ちてきたのだが

どういう訳か、勢いが瞬時に失われて、静かに彼の前に浮いていた……。

男「隕石が…………止まっている!?」

男「なんで……どうして……?」

狼狽える僕の体は力が抜けて座り込んでしまった。

男(一体……これは……どういうことなんだよ…………。)
0120名無しさん2014/06/28(土) 21:46:02.33ID:Vh5x2v2+
男は腰を抜かしながらも、疑問が浮かび上がった。

男(何故、まだ燃え続けているんだ……?)

流れ星が光って見える理由は
宇宙の小岩石が、地球の大気に突入したときの摩擦熱で燃え上がりながら落下して
それがまるで、発光しているかのように見えるという……筈なのだが……。

静止しているこの隕石は、まだ燃えるように光っている。
勢いを失ったのにもかかわらず、摩擦熱でここまで燃えているのは不自然だ……。

男(それに、隕石っていうよりも……光の塊?)

それは、隕石のような形をしているが岩石のようなゴツゴツした見た目ではなく
何かが丸くなって光っているかのようだった。

男がまじまじとそれをを眺めていると……。



いきなり、光の塊がバチッと音がして次第に消えていく。

男「ウワッ!!もう、なんなんだよ!!」

突然の物音に驚く男。

光が消え始め、その中から姿を現したのは…………。



鈍く光り、角ばった形の機械のような物体だった!!

男「あれは一体何なんだ!!」

答えを考える暇もなく、今度はグォーンと音が響いた。

男「今度はなんだ!!」

男が震えながら叫ぶと、その物体はゆっくりと動き始めた。

男「嘘だろ……!?」

グォーン…グォーン…グォーン…。

不気味な音を響かせながら、それは形を変え
なんと、ジェット機のような流線型のフォルムに変化した!! 
0121名無しさん2014/06/28(土) 23:26:26.62ID:Vh5x2v2+
その物体はギラギラと輝き、翼はジェット機のようにそこまで大きくなく
小型のロケットエンジンっぽいものが付いている。

見た目を分かりやすく例えれば「電子戦隊デンジマン」の
デンジファイターを銀色に塗り替えたような外見だ。

男「戦闘機、そんなバカな……宇宙から来たんだぞ!?」

現代の科学力では、こんな代物を作り出すことはできない。

男「まさか……宇宙船なのか……。」

男「じゃあ、中に乗っているのは宇宙人か!?」

男「でも、そんな……ありえない……。」

言葉を失う男。謎と不安が渦巻くばかり。

そんな彼を尻目に機械の内部で目覚める者達がいた…………。
0122名無しさん2014/06/28(土) 23:38:01.43ID:Vh5x2v2+
やっと3章終わりました。毎度すみません。

仕事に行っているのと家族がPCを使っているので
SSの更新が遅れてしまいました。

章のタイトルも内容と一致していないので、後々訂正をします。

誤植も多いので私自信が、これは酷いと判断したところだけを直していきます。
私が直してないで、これは変だという箇所があれば
是非教えてください。お願いいたします。
0123名無しさん2014/06/28(土) 23:54:50.93ID:Vh5x2v2+
>>110  × 星の瞬きと月の光が天高くから、この町に降り注いでいる。
       その美しさに折れた心が浄化されていくようだ。
      言葉にできないほどの輝きを放つ。
       その美しさに汚れた心が、浄化されていくようだ。

     ○ 星の瞬きと月の光が天高くから、この町に降り注いでいる。
       言葉にできないほどの輝きが、俺の瞳に映る。
       その美しさに汚れた心が、浄化されていくようだ。

>>119  × 男(まさか、もう死んだのかな…………。)

     ○ 男(まさか、俺はもう死んでいるのかな……目を開ければ、三途の川にでもいるのか……。)

>>121  × 翼はジェット機のようにそこまで大きくなく
      小型のロケットエンジンっぽいものが付いている。

     ○ 翼はあるが、ジェット機のようにそこまで大きくはなく
      小型のロケットエンジンっぽいものが物体の後ろに付いている。
0124名無しさん2014/06/29(日) 00:51:32.24ID:iw/fYh5E
第4章「プレゼント」

目標地点に着陸した宇宙船のコンピュータが告げた。

「モクテキチ ニ トウチャク シマシタ」

電子音声が流れ、カプセルが開いた。
ガスが切れ、その中から5人は目を覚ました。

ブラウン「よし、到着だ!!皆起きろ!!」

ホワイト「ウ〜ン、よく寝た〜。」

ゴールド「やっと、着いたのか。」

ブラック・シルバー「…………。」

彼らは体を伸ばして、宇宙船の電子頭脳から
星のデータを詳しく調べる装置を起動させた。

ピピピピピとコンピュータが星のデータを集め始めた。

シルバー「移住できたら良いですね……。」

ブラック「そうだな……。」

その結果は…………。

「コノ ホシ ノ カンキョウ ハ マウスセイ ト ヒジョウ ニ ヨクニテイル
 ヒツヨウ ナ サンソ ミズ ヒカリ ヤミ ブッシツ スベテ ソロッテ イル」

ホワイト「フゥ〜、いいじゃん♪」

ゴールド「やったぜ!!もうこれで、退屈な任務は終わりだな!!」
0125名無しさん2014/06/29(日) 00:59:43.30ID:iw/fYh5E
「ザンネン ダガ コノ ホシ ニハ チテキ セイメイタイ 
 ノ ソンザイ アリ イジュウ ハ フカ ト スル」

ホワイト「えー、またダメなの……。」

ゴールド「クソッ!!これで、10回連続失敗だよ!!」

ブラック「…………。」

シルバー「ハァ……。」

落胆する4人。だが、この男は……。

ブラウン「綺麗な星だな……。」

ホワイト・シルバー「エッ……。」

ゴールド「ハァ?」

ブラック「…………。」
0126名無しさん2014/06/29(日) 01:08:06.20ID:iw/fYh5E
彼は宇宙船の窓から風景を見ていた。

ホワイト「どれどれ……ウワー、確かに綺麗ね〜。」

ブラック「本当だな……。」

シルバー「自然に溢れていますね。」

ゴールド「景色なんて、そんなのどうでもいい。」

ホワイト「ロマンがないのね、アンタ」

シルバー「すごい綺麗ですよ。」

ゴールド「結果が出たんだ、早く帰ろうぜ。」

ブラウン「まあまあ、落ち着いてくれ。」
0127名無しさん2014/06/29(日) 01:22:42.14ID:iw/fYh5E
ブラウン「他の星を見て学ぶことは多いからな。」

ブラウン「それに今、我々の星にはゆとりがない。」

ブラウン「だから、こうやって心を落ち着かせる時間も必要だ。」

だが、ゴールドは反論をした。

ゴールド「俺達だけが、怠けてどうするんですか。」

ゴールド「マウス星は、今この瞬間でも苦しんでいる状況だというのに。」

ゴールド「くだらないものなんか見てないで、さっさと、次の星を探しましょうよ。」

ブラウン「くだらない?ゴールド、お前はとりあえず、この景色を見てみろ。」

ブラウンの声に力がこもった。

ブラウン「文句はそれからだ。」

ゴールドはこれ以上、反論したら面倒だとおもい

ゴールド「分かったよ、見りゃいいんだろ、見れば……。」

そう言いながら、ゴールドは背けていた目を景色に映した。
0128名無しさん2014/06/29(日) 01:35:03.45ID:iw/fYh5E
ゴールド(ハァ!?……確かに……綺麗だな……。)

彼の目には、山から見下ろした町が見えた。

夜空の星と同じくらいに町の明かりも綺麗だった。
その明かりは人工的なマウス星のギラギラとした光とは違い
にじむように、あちこちで灯っている。

ブラウン「どうだ、勉強になったか。」

ゴールド「何がです。」

ブラウン「星と星の輝きの違いだよ。」

ブラウン「いや、星の存在の違いかもな。」

ゴールド「違い……。」

ブラウン「そうだ、違いだ。我々は最近、イライラばかりしていて……。」

ブラウン「物の本当の価値を忘れてしまっていたんだ。」

ゴールド「どういう意味ですか……。」
0129名無しさん2014/06/29(日) 01:50:21.35ID:iw/fYh5E
ブラウン「お前、さっきどうでもいいって言っただろう。」

ゴールド「言ったよ……。」

ブラウン「なんで、どうでもいいって言ったんだ?」

ゴールド「移住できない星に価値なんてないからだ。」

ブラウン「でも、その前はやったぜと言ったな。」

ゴールド「言いましたけど、それがなんだっていうんですか。」

ブラウン「お前は、この景色を見てどう思ったか?」

ゴールド「悪くはないって思ったよ。」

ブラウン「そうか、それは良いことだ。」

ゴールド「何故だよ。」

ブラウン「それは景色に価値があったってことだろ。」

ゴールド「…………。」

ブラウン「星の違いに気がついたか。」

ゴールド「マウス星にはない価値があることですか……。」

ブラウン「そういうことだ……。」
0130名無しさん2014/06/29(日) 02:07:59.69ID:iw/fYh5E
ブラウン「一つの意味で、価値があるかないかを判断するのではなくて
     一つでもいいところがあればそれを価値とし、自分の糧として学ぶ。」

ブラウン「それだけでも、この星に来た価値はあると思うけどな。」

ブラウン「俺は、あの町の光を見て、マウス星にはない優しげな光だと、思ったな。」

ホワイト「あ〜、私もそんな風に思ったよ。」

シルバー「僕もそう思いました。」

ブラック「フッ……。」

ゴールド「…………。」

ブラウン「ゴールド、お前はどう思ったんだ?」

ゴールド「ああ……優しそうな光だと思ったよ……。」

ブラウン「そうだろ、もっと周りの本質を見ろ。」

ブラウン「相手や物に本当の価値を、見出せるようになるんだ。」

ブラウン「悔いのない価値を探すんだ。極端ではない考えで……。」

ブラウン「今見た景色も、見なければ何も考えさせれなかったのだからな。」

ゴールド「…………。」
0131名無しさん2014/06/29(日) 02:22:47.05ID:iw/fYh5E
彼らは5人揃ってもう一度、町の景色を眺めた。

マウス星から移住することができない、意味のない星だが
自分達の星にはない光のあるこの星の価値。

何かを批判する前に、価値を探そう。
一つだけで判断せず、全体を見渡そう。

彼らは少しだけ、自分や相手を見直すことができた。
0132名無しさん2014/06/29(日) 02:51:52.05ID:iw/fYh5E
ブラウン「そういえば、この星にはマウス星と同じ、酸素があるんだよな。」

「ハイ ソウデス」

ブラウン「だったら、少しの間だけ宇宙船から降りて、あの町の景色を見に行かないか。」

ブラウン「気分転換にさ。チョットだけ。」

ホワイト「WOW〜賛成、いいんじゃない♪」

シルバー「もし……誰かに見つかったりでもしたら、どうするんですか?」

ブラウン「大丈夫だ、レーダーにはこの一帯での生命体の反応は殆どない。」

ブラウン「自然が多い星だから、遭遇するのはこの星の動物ぐらいだろう。」

ブラウン「万が一に備えて、俺達のスーツや宇宙船もステルスモードにすればOKだ。」

ブラック「見られたら、相手の記憶を消す道具もあるしな……。」

ゴールド「早く、景色を見て帰ろうぜ。マウス星が心配だ。」

ブラウン「まあまあ、気持ちは分かるけど、そんなに焦んないでくれよ。」

ブラウン「じゃあ、行こうぜ!!」

5人「「「おう!!」」」

「オキヲツケテ クダサイ」

こうして、彼らは出入り口のシャッターへと向かって行ったのが……。
姿を透明にする前に見られてしまったのである……。

運命の出会いというべきなのか……。
たった一人の男に……。
0133名無しさん2014/06/29(日) 03:33:29.06ID:iw/fYh5E
第5章「友達」

男は宇宙船の中から、変な生き物が出てくるのを見てしまった。
そして、絶叫した。

男「うわああああああああああ!!!」

5人は彼を見てなんだこの生物はと、驚き。
つられて、叫んでしまった。

5人「「「「あばばばばばばばばばば!!!」」」

お互いひとしきり、叫んだところで
冷静に状況を整理しようとした。

男(この人達って、宇宙人!?ハムスターみたいな顔してるけど!?)

ブラウン「どうする……逃げるか!?」

ブラック「記憶を消す。」

ホワイト「私にはどうしていいか分からない……。」

ゴールド「正当防衛を取る!!」

シルバー「まだ、相手は何もしていませんよゴールドさん!?」
0134名無しさん2014/06/29(日) 03:47:55.12ID:iw/fYh5E
男(何か言ってはいるみたいだけど、何を言っているのかはサッパリ分からない!?)

ブラウン「意思を通わせてみようか……。」

ブラック「記憶を消す。」

ホワイト「私はアイデア0、PASS。」

ゴールド「先制攻撃を取る!!」

シルバー「落ち着いて、話し合いをしましょうよ!!ゴールドさん!!」

そして、5人はこの男と意思を通わせることにした。

まずは、互いの言語が分からないので、5人はマウス星の発明品の一つ
言語記憶装置でコンタクトを図ろうとした。

この装置は、相手に触れて情報を貰うだけで現地の言葉を
瞬時に記憶できるという優れものである。
0135名無しさん2014/06/29(日) 04:04:12.83ID:iw/fYh5E
しかし、情報を貰う相手の体に触れなければならない。
仕方がない。5人は男が危険物を持っていないことを確認し

男に歩み寄った。

男(なになに!?俺をどうする気なの!?捕まえる気なの!?)

男(それで、俺の体を解剖でもするのか!?嫌だ!?そんな死に方したくない!?)

男は逃げようとしたが、足が震えて動けない。心臓も暴れっぱなしだ!!

ヤバイと、男が焦っているうちに5人は彼の周りを取り囲んだ!!

ハムスターのような顔をした宇宙人に、突然出会えば誰だって驚くだろう!!
取り囲まれたら尚更だ!!
男は気を失わないのに精一杯だった。

5人が彼に距離をさらに詰めた。

男は彼らの服の腰のあたりに、銃のようなものがホルダーに入っているのを見てしまった。

男(殺される!!!)

そう判断した男は雄叫び上げ、がむしゃらにその場で暴れた!!
0136名無しさん2014/06/29(日) 04:22:17.07ID:iw/fYh5E
それを見て、5人共パニックを起こした。
ゴールドは攻撃しようと銃を弄り
ブラウンとシルバーが銃を取り出そうとしたゴールドを制すのに必死になり
ホワイトは悲鳴を上げ
ブラックはただ、静かにこの阿鼻叫喚を見つめていた。

もう一刻の猶予はできない。今すぐに和解しないと大変なことになる。
そう判断したブラウンは、男の動きに隙を見つけて……。

ブラウン「今だ!!全員!!アイツの体を掴め!!一か八かだァァァ!!」

リーダーの指示に全員が従い、急いで男の体を掴み
そのまま、上に持ち上げ始めた。

男「ぎゃああああああああああ!!!離せええええええええええ!!!」

暴れる男を押さえつけ、5人は担ぎ上げた。

ブラウン「言語記憶装置ィィィ!!起動ォォォ!!」

ブラック「了解!!」

ホワイト「OK!!」

ゴールド「分かったよ!!」

シルバー「ハ、ハイ!!」

5人に言語記憶装置が、男からの情報がインプットされるまでの40秒程の間。
男はハムスター顔の宇宙人、5人に胴上げされていた…………。
0137名無しさん2014/06/29(日) 12:04:54.95ID:iw/fYh5E
5人にデータがインプットされるまで残り20秒。

ピコピコピコピコピコ……。

男「離せえええええ!!誰かあああああ!!助けてえええええ!!」

ブラウン「あと少しだァァァ!!耐えろォォォ!!」

ブラック・ゴールド「おおおおお!!」

ホワイト・シルバー「あああああ!!」

ピコピコピコピコピコ……。残り15秒。

ブラウン「カウントダウンだァァァ!!行くぞォォォ!!」

「「「「おう!!」」」

5人「10・9・8・7・6・5……。」

ピコピコピコピコピコ……。もう少しだ。

男「ぎゃああああああああああ!!」

5人「4・3・2……。」

ピコピコピコピコピコ……。もう残り僅か。

男「くそおおおおお!!降ろせえええええ!!」

5人「1……。ゼロおおおおお!!」

カウントダウンが終わりを告げた瞬間。
バチンと何かが弾ける音がして

5人の脳に男の住む星で住む国。
すなわち、日本の言語のデータが伝わった。
0138名無しさん2014/06/29(日) 12:29:52.70ID:iw/fYh5E
データが脳に伝わる瞬間。

ビリビリと5人の脳天に衝撃が走る。

5人「インプット完了!!」

男「ウワッ!!……痛っ!!」

その間に持ち上げられていた男は、地面に落っこちた。
そして、逃げ出そうとした。

男「ひいィィィ!!お助けェェェ!!」

だが、背後から声が追いかけてきた。

ブラウン「待ってくれ!!」

男「…………。」

さっきとは違う……。日本語で話しかけられ
男の体はピタッと立ち止まった。

男(まさか、あの宇宙人達が……話しかけて来たのか?)

男はゆっくりと振り返った。

ブラウン「話し合いをしてくれないか?」

ハムスター顔だが、体は人間のような宇宙人の
問いかけに男は、つい……。

男「あ、ハイ……良いですよ……。」

こんな返事を返してしまった。

その返事の意味は5人にも理解できた。

ブラウン「ありがとう。」

男「なんか……こちらこそ……どうも……。」

ついに、未知との会談が始まった!!
0139名無しさん2014/06/29(日) 13:11:02.72ID:iw/fYh5E
ブラウン「いきなり手荒い手段に出てしまい、申し訳ないことをした。」

ブラウン「だが、そのおかげでこの星の言語を知ることができた。」

ブラウン「心から礼を言いたい。」

ブラウン「ありがとう。」

ブラック「かたじけない。」

ホワイト「サンキュー♪」

ゴールド「…………。」

シルバー「ありがとうございました。」

男「いえいえ……私も怖くてパニックになっちゃって、すいませんでした。」

ブラウン「いや、悪いのは私達の方だ。」

ホワイト「そうよ、知らない人に囲まれて担がれたら、誰だってビビるわよ。」

ゴールド「俺だったら、あそこまでビビりはしない。」

ブラック「同じく……。」

ホワイト「あんた達ねぇ……本当に……。」

シルバー「そうですよ、相手の気持ちを考えましょうよ。」

ホワイト「ちょっと、シルバー……人の言おうとしたこと言わないでよ!!」

シルバー「あ、ごめんなさい……。」

ブラウン「お前達、よさないか。」

リーダーの一喝で4人は静かになった。

ブラウン「すまない、恥ずかしいところを見せてしまったね。」

男「いや、そんなこと……。」
0140名無しさん2014/06/29(日) 13:34:39.41ID:iw/fYh5E
ブラウン「いやいや、我々5人はチームを組んでしばらく経ったというのに……。」

ブラウン「未だに、チームワークがなくてね……。」

ゴールド「なくて悪かったな……。」

ブラウン「でも、私は彼らが、素晴らしい仲間になると思っているよ。」

ブラック・ホワイト・ゴールド「!?…………。」

シルバー「ブラウンさん……そう言ってもらえると僕……嬉しいです。」

ブラウン「おう、これからも皆で頑張ろうな。」

シルバー「ハ、ハイ。」

男「あの〜、お取込み中のところ、すみませんが……。」

ブラウン「はい、どうかしましたか?」

男「お名前を……教えてくれませんか?」

ブラウン「ああ!!すまない、自己紹介を忘れていました。」

ブラウン「うっかりしていたもので、つい……。」

男「いえいえ、私もまだ名前を言っていませんでしたし……。」

ブラウン「いや、ここは私達が先に自己紹介させて頂こう。」

ブラウン「皆、自己紹介だァァァ!!」

「「「「おう!!」」」」

男「ああ、そんなに無理しなくてもいいですよ……。」
0141名無しさん2014/06/29(日) 16:10:18.17ID:iw/fYh5E
ブラウン「ブラウン・ワン!!」 シュタッ!!

ブラック「ブラック・ツー」  グォン!!

ホワイト「ホワイト・スリー♪」 ピカッ!!

ゴールド「ゴールド・フォー!!」 ドガッ!!

シルバー「シルバー・ファイブ」 スタッ!!


ブラウン「星の輝きを守るため。」

ブラック「自分の命を守り抜き。」

ホワイト「相手の命も守りたい。」

ゴールド「俺たちは!!5人揃って!!」

シルバー「軍事レスキュー部隊」

「「「「ハムスターマン!!」」」 ドゴォーン!!

男(ハムスターマン……どういうことだ?)

男(彼らは何故、地球の動物、ハムスターに名称と姿が似ているんだ?)

ホワイト「ちょっと、アンタ今の名乗り見ていなかったの?」

男「いいえ、ちゃんと見ましたけど……。」

ブラウン「けど……どうしました?」
0142名無しさん2014/06/29(日) 16:20:59.97ID:iw/fYh5E
男「あなた方は何故、ハムスターに似ているのですか。」

ブラウン「ハムスター?」

シルバー「僕らと名前が似ていますけど、なんなんですか?ハムスターって?」

男「この星の動物です。」

ホワイト「私達と姿が似ているってどの辺が?」

男「首から上が似ています。」

男「後は、全然違うように見えますけど……。」

ブラック「宇宙船のコンピュータに聞いてみよう。」

ブラウン「そうだな、こんなところで立ち話もなんだから、我々の宇宙船の中へどうぞ。」

ゴールド「俺もその方がいい」

男「いいんですか。ありがとうございます。」

男は彼らの宇宙船に入って行った……。
0143名無しさん2014/06/29(日) 16:35:00.21ID:iw/fYh5E
宇宙船の内部は機械に囲まれてはいるが、少し奥の部屋はリビングのように家具が置かれている。
それより奥の部屋には、カプセルのようなものが並んでいる。

どうやら、入り口から機械操縦室、リビングルーム、カプセルルームの順のようだ。

男「中は意外と広いんですね。」

ゴールド「俺は狭いと思う。」

男「…………。」

ホワイト「気にしないで、コイツは誰にでもこういう態度だから。」

男「そうなんですか……。」

シルバー「あの、お名前を聞いてもよろしいですか?」

男「あ、僕も名前を言おうとしたのに忘れてました。すみません。」

ブラウン「まあ、お互い様だな。」

男「はい……僕の名前は男って言います。」

シルバー「じゃあ、男さんよろしくお願いします。」

男「こちらこそ、よろしくお願いします。」

ブラウン「まあ、ソファにでも座ってくつろいで。」

男「はい、では失礼します。」

ホワイト「そんなに〜、かしこまらなくてもいいよ。」

男「ありがとうございます……。」
0144名無しさん2014/06/29(日) 17:04:23.55ID:iw/fYh5E
男と皆が席に着くと、機械操縦室からブラックが戻ってきた。
そして、ハムスターの説明と人間との関係性を皆に話した。

ブラック「かくかくしかじか……。」

ブラウン・ホワイト・シルバー「へぇ〜、そうなんだ。」

ゴールド「つまり、お前らこの星の人間は俺らに近い生物で実験をしたり、折に閉じ込めたりして楽しんでいるのか。」

男「エッ……でも……別に痛めつけるつもりで実験をしていることではないと思いますけど……。」

ゴールド「だけど、苛める奴もいるんだろ!!」

男「ヒィッ……まあ……そういう奴もいますけど……。」

ゴールド「気に食わない、この星のハムスター達の解放戦争でもするか。」

男「そんな、戦争だなんて……。」

ブラック「待て、ゴールド。」

ゴールド「なんだよ。」

ブラック「他の星に攻撃をしてはいけない……俺達の星の決まりだ。」

ゴールド「だからって、ハムスターが可哀そうじゃないか!!」

ブラウン「仕方ないだろ、これがこの星のやり方なんだ。」

ホワイト「私達だって、似たようなことを他の生物でやってるんだし……。」

ブラック「要は、同族意識があるからって助けようって気になってるんじゃないか。」

ゴールド「そうかもしれねぇけど……。」

ブラウン「お前の仲間を大切に想う気持ちは立派だが、だからってマウス星と他の星の違いを、変えさせるようなことはしてはいけない。」

ブラウン「いろんな文化や歴史があるんだ。星や国一つ一つに。」

ブラウン「いや、人ひとりでも違いあるのは間違ってなんかいない。」

ブラウン「自分と違うからって排他的にはなってはいけないぞ。」

ゴールド「そうですね…………。」

シルバー「そうですよ……。」

ゴールド「お前は黙れ!!」

シルバー「すみませんでした……。」

ホワイト「ホラホラ、喧嘩は止めてさ〜。彼にこの星の話を聞きましょうよ〜。」

ブラウン「それは、いい考えだ。男君。」

男「は、はい。」
0145名無しさん2014/06/29(日) 17:23:00.87ID:iw/fYh5E
ブラウン「この星を君たちは、なんて呼んでいるのかを教えてほしい。」

男「はい、地球って呼んでます。」

ブラウン「良い名前だな。」

男「皆さんは、どこの星から来たんですか。」

ブラウン「マウス星っていう星だ。」

男「どんな星ですか?」

ブラウン「ああ、それはね…………。」

――――――――――――――――――――――――

それから彼ら、6人は互いが違う星の人間だということを忘れて
夜明け近くまで語り合った。

地球の環境の話や、マウス星から地球に来た理由。
お互いの星のテクノロジーの話に、文化や歴史の話。

6人は全ての悩みを吐き出した。人生への不安や星の未来への不安を…………。

男はこんなに楽しい人との交流は久しぶりだと思った。
5人もデータからは解らない地球の話を聞けて、とても満足した。

そして地球とマウス星の、星の違いでの話で大変盛り上がっていた彼らに
別れの時が迫っていた。
0146名無しさん2014/07/05(土) 16:45:56.10ID:rD5DdTfG
闇に眠る町に、夜明けが近づいていた。

ブラウン「もうそろそろ、マウス星に帰還しなくてはいけないな。」

男「そうなんですか?」

ホワイト「もうそんな時間なの?」

ブラック「この星の日が昇る前に帰らなくてはならない。」

男が腕時計を見ると、時刻は大体4時頃だった。

男「そうですね、もうすぐ朝がきます……。」

さっきまで、盛り上がっていたムードが嘘のように静かになる。

シルバー「なんか……寂しいですね……。」

ゴールド「仕方ねぇだろ、コイツ以外の奴に見つかって騒がれたら、後が大変だ。」

ゴールド「俺達の存在を知られる前にずらかるしかねぇだろ。」

男「僕の事は……いいんですか?」

ゴールド「ハァ?どういう意味だよ。」
0147名無しさん2014/07/05(土) 17:29:27.20ID:rD5DdTfG
男「僕は、あなた方を……見てしまったから。」

ゴールド「ああ、そういうことか。」

ゴールド「どうするんだ、リーダー。」

ブラウン「う〜ん、どうしようか……。」

ブラック「基本、我々の姿を見たものは……。」

ブラック「記憶を消すことになる。」

男「僕の記憶を消すんですか?」

ブラック「大丈夫だ、身体的苦痛や精神的苦痛、後遺症などはなにも残らない。」

男「そうなんですか……。」

ホワイト「ちょっと待ってよ!それでもいいの!」

ブラック「なにがだ……。」

ホワイト「お互い、辛いことを語り合った仲でしょうが!!」

シルバー「そうですよ、せっかく違う星の人と仲良くなれたのに……。」

ブラック「…………。」

ゴールド「じぁあ、どうするんだよ。」

ホワイト「ウッ、それは……その……。」

4人は悩んだ。どうしたら男の記憶を消さなくても
自分達、宇宙人の存在した証拠を残さなくてもいいかを……。

だがしかし、1人がその答えを導き出した。

ブラウン「諸君、私にいい考えがある。」

彼は、男に目を向けた。
そして、一つの質問をした。

ブラウン「男君、君は約束を守れる人か。」

男「エッ!」
0148名無しさん2014/07/05(土) 17:52:10.34ID:rD5DdTfG
ブラウン「男君、どうなんだ。」

男「そ、そんな、皆さんのことを話しても誰も信じたりなんかしませんよ。」

男「それに、誰かが信じたところで悪いことなんてしませんよ。」

男「第一に、この星はあなた方の星のような凄い科学力は持っていませんよ。」

男「だ、だから、宇宙に行って征服するための戦争とか起こしませんって……。」

男が矢継ぎ早に理由を話していると
彼は真剣な目で見つめながら、話を制した。

ブラウン「待ってくれ、男君。」

男「はい?」

ブラウン「私は君に約束を守れるかと聞いているんだ。」

ブラウン「誰かが信じるか、そういう話ではない。」

ブラウン「星同士の戦争の危険性の話でもない。」

ブラウン「君自身が人との約束を守れるかが知りたいんだ。」

男「…………。」

ブラウン「君自身が決めるんだ。」
0149名無しさん2014/07/05(土) 19:26:45.68ID:rD5DdTfG
男は自分に聞いてみた。俺は約束を守れる人かと
すると、素早く1人の声がささやいた。

男(俺が約束を破ったことがないかだって?)

男(約束を破ることは人の信用を失うことだ。)

男(俺はそこまで人の信用を失うようなことはしていない。)

男(だから、俺は約束を守れる人だ。)

だが、後からもう1一人の声が問いかけた。

男(本当にそうだろうか?)

男(確かに人の信用を失うようなことはしていない。)

男(だけど、小さな約束なら何度か破ったことがある……。)

男(ほとんどが、親の小さな言いつけばかりだけど……。)

男(だからといって、僕が今まで約束を全て守ってきた訳でもない……。)

男(それに、一生人のどんな約束でも、守り続ける自信もない……。)

男はどうしていいか分からなくなった。
彼がどちらが正しい答えかと、考え込んでいると……。

ブラウン「迷っているのか?」

不意に声をかけられて、彼は視線を戻した。

依然、真剣な顔をしていたブラウンは
彼から、2人の自分が言い争っていて決まらないと聞いた。

すると、ブラウンは男の心の霧を祓う助言をしてくれた。

ブラウン「過去や未来のことを考えるな。」

ブラウン「今、現在の自分に聞いてみるんだ。」

男「エッ!」
0150名無しさん2014/07/05(土) 19:39:32.06ID:rD5DdTfG
ブラウン「これは私の持論だが……。」

ブラウン「嫌な過去を思い出すとき、駄目だったことだけを思い出すのではない。」

ブラウン「起こってしまった悪い事を、次に向かってどう活かすかが大切なんだ。」

男「嫌な過去、すなわち失敗は次に向かっての反省点になるってことですか。」

ブラウン「そうだが、嫌なことがまた起こるのではないかと怯えることではない。」

ブラウン「次に同じ状況の時、良い方向に向かうために考えるのだ。」
0151名無しさん2014/07/05(土) 19:51:58.36ID:rD5DdTfG
ブラウン「次に嫌な未来を想像してしまう時は、他の未来を探すんだ。」

男「悪い方向に考えるな、という意味ですか。」

ブラウン「そうだ、悪い未来を打破することを考えてほしい。」

ブラウン「自分で未来を描き、進んで行くんだ。」

男「自分の描いた未来……。」
0152名無しさん2014/07/05(土) 20:12:38.01ID:rD5DdTfG
ブラウン「最後に現在、今の自分の気持ちに正直になる。」

男「今の自分に正直……。」

ブラウン「過去や未来を考えて、思考を止めるな。」

ブラウン「今の自分の気持ちを出すんだ。」

ブラウン「あの時はこうしとけばとか、こうしたらこうなるかもとか。」

ブラウン「確かにそう考えることも大事なことだが、失敗に怯えて自分の気持ちを押し殺してはいけない。」

ブラウン「そして、やっぱりあの時に、といった過去を増やすな。」

ブラウン「今の自分の考えや意見を尊重するんだ。」

ブラウン「未練の残る選択なんて選んではいけない。」

ブラウン「はっきり出していいんだ、正直な気持ちを……。」

男「今の自分の気持ち、考え、意見……。」
0153名無しさん2014/07/05(土) 20:35:14.71ID:rD5DdTfG
ブラウン「これが私の人生の見つめ方だが、全ての人に当てはまるわけではない。」

ブラウン「私の考えが君に当てはまるかは分からない。」

ブラウン「だけど、最後に決めるのは自分自身だ。」

ブラウン「君の人生だから、君が選ぶんだ。」

ブラウン「思い出す過去と描いた未来、現在の気持ちを……。」

男「選ぶのは自分自身……。」

男(思い出す過去は僕でも選べる……。)

男(でも、俺は描いた未来を選べない……。)

ブラウン「悪いね、私の考えを押し付けて……。」

男「…………。」

ブラウン「どうしたんだい、男君?」

ホワイト「気分でも悪いの?」

男の中で、心が炎のように激しく燃え上がっていた。
それは、熱いハートとは違う、塞き止められた感情の昂ぶりだった。
0154名無しさん2014/07/05(土) 21:30:20.56ID:rD5DdTfG
男「ブラウンさん、僕は約束は守りますよ。」

ブラウン「そ、そうか。」

男「でもね、僕は未来を選ぶことはできないんですよ。」

ブラウン「どういう意味だい。」

男「僕は……好きな人がいるんだ……。」

ホワイト「そうなの?」

男「でもね、その人とは生きている世界が違う、次元が違うんだ。」

男「比喩ではなくて、本当に会うことのできない世界にいるんだ。」

ゴールド「どんな奴なんだよ。」

男「想像上の人物、生きているように見えるだけで実際には生きてはいない。」

男「そんな人を……僕はもう20年近くも愛していたんだ。」

シルバー「20年もですか!!」

男「その人と結ばれることは絶対にない。」

男「それでも、彼女を諦めきれずに今まで生きてきた。」

男「だけど、もうこれ以上は叶いもしない彼女への思いだけでは生きてはいけない。」

男「彼女を忘れてこれからの人生をどう生きようか、と思った矢先に皆さんに会えた。」

男「皆さんに会ったとき、最初は驚いたけど、凄い嬉しかった。」

男「だって、宇宙人と話したのって多分、世界中で俺一人しかいないだろうから。」

ブラック「それはどうだかな……。」

男「ブラウンさんの考えは分かるんですけど……。」

男「俺は……描いた未来を……選べないんですよ……。」

そう口にした瞬間、目頭が熱くなり
大粒の涙が止め処もなく溢れてきた。

男(こんなこと、初めてだっけ……他の人にこの思いを打ち明けたのは……。)
0155名無しさん2014/07/05(土) 22:03:46.94ID:rD5DdTfG
ゴールド「オイオイ、泣くなよ……。」

シルバー「男さん!大丈夫ですか!」

ホワイト「STOP!泣かないでよ!」

男「仕方ないでしょ!!涙がとまらないんだよぉ!!」

男のフォローに回る3人を尻目に
ブラウンは何かを考えているようだ。

ブラックはそんなブラウンを不審に思い、声をかけた。

ブラック「何をそんなに考えているんだ……。」

ブラウン「あ、ああ、この状況の打開策を。」

ブラック「まさか、アレを彼に渡すつもりなのか。」

ブラウン「!?……よく分かったな。」

ブラック「やめろ、それは俺達、マウス星の決まりを違反している……。」

ブラック「それに、彼がアレを使いこなせるとは思えない。」

ブラウン「だが、俺が彼に自分の安易な考えを押し付けたせいで……。」

ブラウン「彼の傷口を抉るようなことをしてしまった。」

ブラック「お前に悪気はなかったんだろ。」

ブラウン「でも、彼を傷つけた。悪意はなくても俺は彼を苦しめた。」

ブラウン「だから、俺は彼を救いたい。」

ブラウン「友人が悲しんでいたら、助けるのは当然のことだ。」

ブラック「ブラウン、お前って奴は……。」

ブラック「だけどなぁ、上にはなんて言えばいいんだ……。」

ブラック「アレを無くしましたとでも言うのか。」

ブラウン「それは俺が何とか説明するから!!」

ブラウン「頼む、止めないでくれ!!」

ブラック「お前……。」
0156名無しさん2014/07/05(土) 22:19:30.25ID:rD5DdTfG
ブラック「ハァ……分かったよ……。」

ブラウンの熱意に負けたブラックは彼の考えを認めた。

ブラック「俺も折れた以上は、お前にできるだけ協力はする。」

ブラウン「ありがとう、ブラック。」

ブラック「だけどな、アイツ等や上にも説明しないといけない。」

ブラック「無論、彼にもな……彼が使いこなせる保証はないけどな……。」

ブラウン「ああ、勿論だ。」

ブラウン「彼とは堅い約束を結ばなければならない。」
0157名無しさん2014/07/05(土) 22:38:23.02ID:rD5DdTfG
一方、3人と男は……。

ゴールド「そんな女はさっさと諦めな!!」

男「そう簡単にできるなら苦労はしないよぉ!!」

ホワイト「他の人を探しなさいよ!!」

男「彼女一筋なんだよぉ!!」

シルバー「その人の名前はなんていうんですか?」

男「ああ、それはね……。」

ブラウン「お〜い、皆集まれ!」

男が返事を返す前にブラウンとブラックが向こうから戻ってきた。
ブラウンの手には、さっきまでは持っていなかった銀色のケースがあった。

男「そ、それは一体なんですか?」

ブラウン「コレかい?君にプレゼントするものだ。」

男「僕に、プレゼントですか?」

男が中身を聞く前に3人が叫んだ。

ホワイト「マジで言っているの!!ブラウン!!」

ゴールド「気でも狂ったのか!!」

シルバー「大丈夫なんですか!!コレを渡しても!!」

男は3人の叫び様から中身はトンデモナイ物だと感じ取った。

そして、男の推測は的中することになる……。
0158名無しさん2014/07/05(土) 23:00:30.18ID:rD5DdTfG
ブラウン「そうだ、マジで言っているんだ。」

ブラック「ああ、それに狂ってもいない。」

ブラウン「彼にコレを託したいと思ったからだ。」

ブラック「本当は、彼を安易な考えで傷つけたコイツの罪滅ぼしだ。」

ブラウン「それだけじゃない、友人が悲しんでいるときに手を差し伸べるのは当たり前のことだ。」

シルバー「そうですけど……ゲンシ大佐にはなんて言えば……。」

ゴールド「そうだ、決まりを守らなければ俺達は除隊されるぜ。」

ホワイト「もしも、取り返しに行けって大佐に言われたらどうするのよ。」

ブラウン「俺が大佐に掛け合う、大佐だって俺達のしたことを認めてくれる。」

ホワイト「そんな、だからって彼が変な風に使ったら……。」

ゴールド「ああ、やめといたほうがいいぜ。」

シルバー「男さんを助けたい気持ちは僕にも分かりますけど……。」

ブラウン「そのことだ、彼にはこれから約束をしてもらう。」

ブラウン「それで、決める。」

ブラウンは男の方に向き直り、真剣な顔をした。

ブラウン「男君、一度しか言わないよ……よく聞いてくれ。」

男「は、はい。」

男(一体なんなんだ……。)
0159名無しさん2014/07/05(土) 23:28:32.16ID:rD5DdTfG
ブラウン「君がもしも、この星で一番の力を持った時に……。」

ブラウン「君は力に溺れて、悪の道に進んだりしないか。」

ブラウン「今の純粋な君でいられるのか。」

ブラウン「どうなんだ、答えてほしい。」

男は必死になって考えた。

男(俺が悪の道に進む?そんなことないだろ。)

男(俺みたいな小心者が悪事を働く勇気もないし、それに暴力は嫌いだ。)

男(でも、世界で一番強くなれたら……。)

男(誰も俺を止めることができないのなら……。)

男(自暴自棄になって悪の道に進むのかもしれない……。)

男の自信が消えかけた瞬間。
彼の優しさが呼びかけた。
その声は、彼の心に小さな
だが、決して消えることのない真っ赤な火を灯した。

男(僕は人に優しくありたい。)

男(皆が僕に優しくしてくれたみたいに。)

男(もしも、世界で一番の力があっても、周りに優しくして生きていたい。)

男(たとえ、性癖が理解されなくても、夢が叶わなかったとしても。)

男(僕は心の優しさを忘れたくない!!!)

彼の目に優しさと自信が満ちている。
どうやら、彼の答えは決まったようだ。
0160名無しさん2014/07/05(土) 23:44:28.48ID:rD5DdTfG
ブラウン「さぁ、君の答えを聞こう!!」

男「僕は強く優しく純粋に生きていきたいです!!!」

ブラウン「そうか…………。」

男「ハァハァ…………。」

男が偽りのない気持ちで叫んだ瞬間。
彼の顔に笑みがこぼれた。

ブラウン「その言葉が聞きたかった……。」

ブラウン「いいだろう、私は君にコレを授ける。」

ブラウン「このバトルスーツとバトルアイテム。」

ブラウン「そして、ワールド・クリエイター・セットを。」
0161名無しさん2014/07/05(土) 23:57:25.23ID:rD5DdTfG
ホワイト「正気なの!!ブラウン!!」

ブラウン「俺は正気だぞ、ホワイト。」

ゴールド「コイツが信用に値するのか。」

ブラウン「少なくとも、俺は彼を信じる。」

ブラック「俺もだ……。」

ゴールド「ブラック、アンタもかよ。」

ホワイト「そうよ、アンタが一番こういう話に堅物じゃない!!」

ブラック「別に男を信じたわけではない、ブラウンを信じただけだ。」

ホワイト「そんな……。」

シルバー「僕も男さんを信じてみます。」

ゴールド「お前まで何を言ってるんだよ。」

シルバー「だって、男さんがこれで願いを叶えられるんですよ。」

シルバー「20年も好きな人を想っていたんですから、その人を愛する気持ちを僕は信じます。」

ホワイト「シルバー……。」

ゴールド「お前……。」

ホワイト「わかったわ、私も男君を信じてみる。」

ゴールド「ハァ?お前まで、一体どうしちまったんだよ……。」
0162名無しさん2014/07/06(日) 00:17:54.86ID:w77C17UI
ホワイト「別に、深い理由はないわ。」

ホワイト「けど、なんかコレが今の彼に必要な気がしたのよ。」

ホワイト「それに、彼にコレを渡す流れだし。」

ゴールド「だからって……。」

ホワイト「アンタはどうするの?」

ゴールド「ハァ?」

ホワイト「4対1よ。」

ホワイト「信じるの?男君を?」

ゴールド「クソッ!卑怯だぜ……。」

ゴールド「…………。」

ゴールド「チッ、仕方ねぇ……。」

ゴールド「分かった、俺もコイツを信じる……。」

ゴールド「だけどな、コイツを認めたわけじゃねぇからな。」

ブラウン「これで考えが満場一致したな。」

ゴールド「ちゃんと、大佐には話をつけてくれよな。」

ブラウン「分かっている。」

ホワイト「男君も約束したからね、ちゃんと守ってよ。」

男「はい、約束しました。」

ブラック「よし、君にこれから軽くコレの説明をする。」

ブラック「もう時間がないから、よく聞いておけよ。」

男「はい。」
0163名無しさん2014/07/06(日) 00:54:36.63ID:w77C17UI
ブラックがケースを開けた。
中には、銀色のブレスレットがが入っていた。
リングの真ん中に金色に光るひし形の装飾品が付いている

ブラック「よく見ておけ。」

男「はい。」

ブラックはブレスレットに話しかけた。

ブラック「出てこい。」

すると、ブレスレットが輝いて
中から、銀色のスーツと武器のような物が2つ
バックルが大きなベルトっぽい物が飛び出してきた。

ブラック「音声認識だ、出てこいと言えば収納されているアイテムが出てくる。」

男「凄い……小さなブレスレットから何倍の物を取り出すなんて……。」

ブラック「次は一つ一つざっくり説明をする。」

ブラック「まずはこれだ、バトルスーツ。」

ブラック「装着した者の総合能力を何十倍にも高めてくれる。」

男「それは凄いですね……。」

ブラック「このスーツに慣れれば、もっと強くなれる可能性もある。」

ブラック「ただし、これを装着するだけで意外と体力を使うぞ。」

男「そうなんですか?」

ブラック「疲れているときには安易に装着しない方が身のためだ。」

男「まさか……死ぬほどの負担なんですか……。」

ブラック「いいや、心配するな、せいぜい軽い筋肉痛程度だ。」

男「そうですか、良かった……。」
0164名無しさん2014/07/06(日) 01:36:57.01ID:w77C17UI
ブラック「次はこれだ、メタルヤイバー。」

ブラック「強力な合金で作った切れ味抜群の刃だが……。」

男「刃だが……?」

ブラック「こうすると……チェンジ・メタルロッド!」

ブラックが刃を手に取り、そう声を上げると
刃は形を変えて長い棒状のものになった。

男「変化した!」

ブラック「これがメタルロッド、当たり前だが棒術に優れている。」

ブラック「そして、チェンジ・メタルシールド!」

ブラックの手の中でメタルロッドは片手で持てるサイズの盾に変化した。

男「また変わった!」

ブラック「これはメタルシールドだ、攻撃を防御しながら格闘戦に持ち込むことができる。」

ブラック「これで、チェンジ・メタルヤイバ―!」

言うが早いか、盾は刃に戻った。

ブラック「チェンジって言った後に、変化させたい武器の名称を言えばそれに変わる。」

ブラック「これでヤイバーとロッド、シールドの説明は終わりだ。」
0165名無しさん2014/07/06(日) 02:02:03.34ID:w77C17UI
ブラック「お次はこれだ、ロックバスター。」

ブラック「威力は普通のレーザーレベルだが、これにエネルギーを貯めて撃つと……。」

男「普通のレーザーって……まあいいや、どうなるんですか?」

ブラック「ここでは試せないが、その威力は大き目の岩石を木端微塵に打ち砕くまでに上がる。」

男「滅茶苦茶、危ないじゃないですか!」

ブラック「だから悪用するなと言っているんだ。」

ブラック「いいか、カチカチ連打して撃ちまくればある程度の弾幕が張れる。」

ブラック「長押しをして、チャージすれば最大威力で打てるようになる。」

男「チャージには、どのぐらいの時間が掛かりますか?」

ブラック「約20秒間ほどだ。」

男「なるほど。」

ブラック「ロックバスターの説明は以上だ。」
0166名無しさん2014/07/06(日) 02:28:19.04ID:w77C17UI
ブラック「最後はこれだ、ワールド・クリエイター。」

男「せ、世界を作るって意味ですか?」

ブラック「そうだ……名前の通りのことができる。」

男「ほ、本当に世界を作ることができるのですか?」

ブラック「自分が想像した世界に行くことができる。」

ブラック「簡単に言うと脳からイメージを取り出して、想像の世界の空間を作り出し、その世界に入ることができる。」

男「凄過ぎる!!」

男(ということは、イヤリング官女のいる世界を僕が作り出すこともできるのか。)

ブラック「そして、その世界から何かを取って帰ってくることさえもできる。」

男「マジですか!!それなら!!」

ブラック「ん、どうかしたのか?」

男「あ、ああ、いいえ、別に驚いただけですよ。」

ブラック「そうか……。」

男「でも、なんでこれを使わないんですか?」

ブラック「どういう意味だ?」
0167名無しさん2014/07/06(日) 03:10:19.30ID:w77C17UI
男「これを使えば食べ物をいくらでも想像して取れるじゃないですか?」

男「条件の合う星だって想像して作り出すこともできるんじゃないですか?」

ゴールド「それができたら苦労はしねぇよ。」

男「どういうことなんですか?」

ゴールド「あのなぁ、コイツは1回使うだけでも精神力をかなり使うぜ。」

ゴールド「取ってくる物のサイズもデカければデカいほど、その分だけ体力も消耗する。」

ゴールド「惑星サイズにでもなれば持ち帰りは100%不可能だ、体が耐えられない。」

ゴールド「考えてみろよ、自分一人の力だけで星を動かせるかよ。」

ゴールド「たとえ、百億人いたって星を持ち上げられる訳がない。」

男「そうなんですか……すみません、簡単そうに言ってしまって……。」

ホワイト「気にしないで〜、誰だってそう考えるわよ。」

ホワイト「こうやって地道に探していれば、いつかは理想の星に出会えるわ。」

シルバー「そうですよ、男さん、ホワイトさんの言う通りですよ。」

男「ありがとうございます、ホワイトさん、シルバーさん。」

ホワイト「いえいえ。」

シルバー「どうも、こちらこそ。」

男「解説をありがとうございます、ゴールドさん。」

ゴールド「お、おぅ。」

ブラック「お取込み中で悪いがこれで最後の説明だ……。」

ブラック「これが一番大事な説明だからな、よく覚えとけよ。」

男「はい、ブラックさん。」
0168名無しさん2014/07/06(日) 03:48:53.94ID:w77C17UI
ブラック「このワールド・クリエイターを作動するときには……。」

ブラック「キツイと思うがバトルスーツを着用した方がいい……。」

ブラック「体力を何十倍に上げることができるからな……。」

ブラック「ただし、言い忘れていたが……バトルスーツは体力が限界を迎えると……。」

ブラック「自動的に装着が解除される……。」

ブラック「ワールド・クリエイターで作り出した世界でも体力は徐々に削られていく……。」

ブラック「よって、長時間の間、作り出した世界にいることはできない……。」

ブラック「何かを持ち帰っている途中だとしても体力に限界を迎えた場合は……。」

ブラック「強制的に手ぶらで元の世界へと帰される……。」

ブラック「あと、バトルスーツを装着しても精神力は強くはならない……。」

ブラック「バトルスーツの力でも心の強さは上げることができない……。」

ブラック「だから、最初は世界を作るのでさえ難しいと思う……。」
0169名無しさん2014/07/06(日) 11:54:58.69ID:w77C17UI
ブラック「まあ、今の君だったら大丈夫だろう。」

ブラック「時間は掛かりそうだが、直に使いこなせる筈だ。」

男「元の世界に帰るには、どうすればいいんですか?」

ブラック「ああ、元の世界に帰りたくなった時は……。」

ブラック「元の世界を強くイメージしろ……。」

ブラック「そうすれば空間に穴が開き、入れば戻れる……。」

ブラック「行きの場合でも同じだ、空間の穴をくぐればいい……。」

ブラック「そして、これを使った後のダメージは大きいぞ……。」

ブラック「回復に個人差はあるが、最低でも12時間近くは昏睡状態になる……。」

ブラック「行きに成功した場合は、その世界ではダメージは軽いが……。」

ブラック「戻ってきたときに、蓄積された分が一気に体へ襲い掛かるぞ……。」

男「つまり……成功しようと失敗しようと、肉体と精神に大きな負担を掛けるってことですか。」

ブラック「そうだ、多かれ少なかれダメージは必ずに起こる……。」

ブラック「最後に教えるのは、不具合が起きた場合についてだ……。」

男「不具合?」
0170名無しさん2014/07/06(日) 12:19:45.75ID:w77C17UI
ブラック「たまにだが、取って帰ってきた物が従来と違う物になる場合がある……。」

男「それって……どういう意味ですか?」

ブラック「簡単に例えれば、向こうの世界から食べ物を取ってきたとする……。」

ブラック「見た目はとても美味しそうな食べ物だ……。」

ブラック「だが、それが形だけでなにも味や栄養がなかったらどうする?」

男「それじゃあ、食べる意味がないじゃないですか。」

ブラック「そうだ、意味がない……。」

ブラック「想像した物と違う場合があるから気をつけろよ……。」

男「はい。」

ブラック「ついでに、元の世界に取ってきた物を返すこともできる……。」

ブラック「取ってきた対象物の元にいた世界をイメージして空間の穴を開き……。」

ブラック「そこに放り込めばいい、そうすれば対象物は勝手に元の世界へと帰って行く……。」

男「このワールド・クリエイターも万能ではないんですね……。」

ブラック「これはまだまだ、試作品の段階だからな……。」

男「エッ!……そ、そうなんですか?」

ブラック「ああ、そうだ。」
0171名無しさん2014/07/06(日) 12:54:34.35ID:w77C17UI
ブラック「マウス星ではこれと同じ物が二千個ほどある……。」

男「そ、そんなにあるんですか!!」

ブラック「星の人口に比べれば全然、多くはない……。」

ブラック「これを作るには特別な材料と特殊な製造が必要なんだ……。」

ブラック「これ以上は量産できない……。」

ブラック「だから、これは我々のような軍隊が所有している……。」

ブラック「一度に多くを集めて保管していたら、万が一盗まれて各地に広まったら収拾がつかなくなる……。」

ブラック「誰でも簡単に使えて量産ができるぐらいになるまでは……。」

ブラック「こうやって1チーム1個で我々が軍隊が管理しているんだが……。」

ブラック「まさか、こんなことになるなんてな……。」

男「本当に……僕に渡してもいいんですか……皆さん……決まりを破ってまで……。」

ブラック「気にするな……我々の友情の証とでもして受け取ってくれ。」

シルバー「大変です!もう時間がないですよ、ブラックさん。」

ブラック「ああ、もっと説明することは山ほどあるのだが……仕方がない……。」

ブラック「すまない、残りの使い方は君一人で見つけてくれないか……。」

ブラウン「いや、その心配はない。」

ブラウンが機械室から戻ってきた。
手には本のような物を持っている。
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