(出撃した艦娘たちの様子は、無線を通じて把握していた)
(だから無事に戦闘を終えたことは知っていたのだが……)
……
(埠頭で海を眺めながら艦隊の帰投を待ち構える男の顔は少し張り詰めていた)
(無線で聞こえた声の中には、如月の悲鳴も混じっていた)
(大破ではないと思うが、心配する気持ちはある……そして、他の気持ちもあった)
ご苦労だった
(帰ってきた艦娘たちに、いつも通り平坦な言葉を投げかける)
(司令官の無感情な言葉に不機嫌になることもなく、いつものことと艦娘たちは受け入れていた)
(その中で、歩み寄ってくる如月の姿があった)
(埠頭に艦隊が辿り着いた時から、男は如月の姿を目で追っていた)
(中破した時ほどではないが、服が破けているのがすぐわかる)
(裾が破けたスカートからはいつもよりも足な肌が大きく露わになっていた)
(近寄ってくる際、如月はそのスカートを気にしていなくて)
(太ももが見え隠れする様子に、思わず視線を向けてしまっていた)
……ああ
怪我は大したことがなさそうだな
(特別に如月を見ているわけではないと示すように無愛想に応じる)
(一応は心配している素ぶりだが、声は相変わらず感情がこもっていない)
(だが、男の胸の内では心臓が早鐘を打っていた)
(好きよという如月の言葉に、甘えるように抱きつかれた態度に)
(内心では動揺して、落ち着かなくなってしまっていた)
(胸を押し付けられるだけでも、体の一部がピクリと反応を示す)
……執務室に戻る
後で今回の作戦について報告に来てくれ
(顔を隠すようにしながら如月に伝えて、その場を去ろうとした)
(作戦の報告はこうして如月に任せることが多く、いつものことと言えた)
(……ただ、その際、男の頬が赤く染まっていたことに如月は気付いたかも知れない)
(身を翻そうとしつつも、自分から如月の体を振りほどこうはせず、如月が離れるのを待っていて)
【そ、そうだな、戦闘だな。何だろうと考えてしまったが……当然そうだ】
【労う…といってもこんな感じだがな】
【書き出し感謝する。ああ、いっぱい楽しもう、如月】