>>616
「え、えええっ?」「は、はい」「保健室…ベッド…まさか、続き……」「どうぞ、お邪魔はしませんので」
(顔を赤らめた生徒たちは百合花の邪魔はせず、送り出してくれた)
(百合花が立ち上がると、二人の下には壊れた何かの破片が散らばっていた)
(椅子とか家の壁とか、そのような物を想像させる破片だが、二人が閉じ込められていた教室のものというよりは、)
(シルバニアファミリーのドールハウスとかその手のファンシーなものに見えた)

「では三上先生、お願いしますね」
(保健室では病院へ連れて行く必要がある急病人がでたとのことで、保健室のせんせいは付き添いで出かけるところで、)
(百合花はそのまま後を任されてしまう)
(その代わり百合花はミズチと二人っきりで話す環境ができたことになる)

……ん、んん……せ、せんせい?
(ミズチをベッドに寝かして少しすると、ミズチが目を覚ます)
ここは? ……そっか、パパとママがちゃんと助けてくれたんだ。よかった……
(百合花には聞こえないが、ミズチは誰かから何かを聞いているような仕草をみせ、ほっとしたような深いため息をついた)
せんせい、わたしに聞きたいこと、ある?
教えられないこともあるし、聞かなかったほうがいいこともあるけれど、せんせいが聞きたいことがあれば、教えるよ。
せんせいとは、気持ちよかったから。
(聞いて欲しい。聞かないで欲しい。どちらとも取れる表情でミズチは問う)
(どちらでも構わない。百合花がどちらを選択しても、それを尊重すると)

【ちょっとシーンを飛ばしました。強制進行でごめんなさい】