>>152
あっ、ああっ!?
(驚きの声二連発)
(ブランコからジャンプした結城さんに驚いたのが一つ)
(その瞬間、思いっきりスカートが捲れてしまったのが一つ)
(思わず目をそらして見ていませんよ、と言いたくなったが、それは嘘になってしまう)
(さて、教師としてどうしたものか……と深遠なる命題に挑みかけたところで、目の前に近づいていた祐希さんに声をかけられた)
あ、うん、こんにちは、祐希さん。
(彼女は、僕のはじめての生徒の一人だ)
(まだ新人で、あっぷあっぷしながら授業をこなしていた僕にも、よく接してくれた)
(彼女が街の高校に通い始めてからは、会う機会もやや減っていたが……)
……っ、と、まあ、こんなところで立ち話もなんだ、職員室に行こう。
コーヒーも淹れなくちゃいけないしね。
(ニコニコしながら耳を伏せる祐希さんに、思わず頭に手を伸ばしそうになりながら、慌てて先導する)
(年頃の女の子の頭を、年上の男が無遠慮に撫でるのも、体裁が悪いだろう)
えっ、良いのかい? ……っと、言いたいところだけど、そこまでごちそうになる訳にもいかないよ。
それは君のお弁当だろう? 僕の分は、さっき言った通りパンがあるから……
(と、言ったところで)
(ぐぎゅう〜〜、と、漫画のようなタイミングでお腹が鳴った)
…………あの、やっぱり、少し分けてもらえるかな。
よく考えたら、お昼を食べ忘れてて……
(きっと、今の僕の顔は真っ赤になっているに違いない)

(とにかく、職員室のソファに彼女を案内する)
(自分はその近くの流し台で、コーヒーの準備)
(……とは言っても、残念ながらインスタントコーヒーだけど)
(ドリッパーやコーヒーミルを持ち込むのは、流石にちょっと勇気が足りなかった)
(コーヒーカップにインスタントコーヒーの粉とお湯を注ぎ、カップとスプーン、それにスティックシュガーとクリープの瓶をお盆に乗せて)
――はい、ごめんね、誘っておいてインスタントで……
(彼女の対面の席に座ると、コーヒーカップを差し出した)

【すいません、遅くなりました】
【短大卒は20歳から教師になれる、ということだったので、中学生の時の教師ということに……】
【……三年前を『昔』と表現されると、切なくなるなあ……】
【←三年前が『最近』になってきた人】