「酔いを醒ますというのは、ただの言い訳です。・・・七瀬さん、貴女が欲しい」
「あ、明智さん・・・・・」
普段のクールな明智からは、とても想像出来はしない。あまりにもストレートな誘い文句に、美雪は言葉を失ってしまう。ただ頭の中が混乱して、何も考えられない。
そんな明智から、じっと見つめられてしまうと、その視線から目を逸らせなくなってしまう。やはり明智は、本気で自分を求めてくれているのだ。
彼の想いを感じてしまった美雪は、胸の高鳴りが押さえられずにドキドキとさせられてしまう。すると明智は席から立ち上がり、美雪の手を引いて、その肩を抱き支えてやる。
「さあ、行きますよ・・・」
「あ・・・・」
酔ってフラつく美雪は、明智に肩を抱かれながら、リストランテを後にする。そんな美雪は、どうしても明智を拒めずにいた。
その美雪の頭の中では、明智からの『貴女が欲しい』という、情熱的な告白の言葉だけが響いていた。