「わたし、家に戻らないと・・・」
シャワーを浴び終えた美雪は、制服を着て、身なりを整えながら言った。もう時間は、かなり遅い。高校生とはいえ、少女が出歩いて良い時間では無い。
「そうですね。では、今度こそ送りますよ」
その明智の台詞に、美雪は思わず笑ってしまう。そう言った明智自身も、笑ってしまっていた。このホテルに着く前に、家には携帯で連絡済みではある。それに両親と面識のある明智からも、説明してくれていた。
だから多少遅くなったとしても、それ程には心配しないかもしれない。やはり相手が警察官の明智なので、まるで信用度が違うのだ。しかし娘が、その警察官と、まさかセックスをしていたなどとは露程にも思わないだろう。
「それじゃ、七瀬さん・・・・行きましょうか?」
「はい」
立ち上がった明智は、制服と入れ替えにドレスを入れた袋を持ってやる。こんなさり気無い気遣いは、さすが明智の成せる業であろう。
二人は寄り添いながら、出口のドアへと歩いていく。そうして明智がドアノブに手を掛けた時、美雪が問い掛けてきた。