「なっ…なにしやがるっ!」
金田一も負けじとキッと睨み付ける。
「七瀬君は元美術部である俺の大切な後輩なんだ。俺には彼女を守る義務がある。だから君の出る幕はないよ、金田一君」
そう言って、先輩はイヤミったらしく前髪を払い、美雪の元へと駆け寄ろうとした。……だが。

ドタンッ!!

「行かせるかっ!!」
金田一に片足を捕まれ、先輩も見事に砂浜に倒れ込んでしまった。すると金田一は先輩から巧くすり抜けて、美雪の元へと行こうとした。だが、それを先輩が素早く妨害する。
「美雪は俺が……」
「何を言うっ!彼女を守るのは、俺の役目だっ!」
金田一と先輩は、互いに美雪の元へと行こうとするのを妨害し、バタバタと暴れ回る。
「あんたら、いい加減にしなよっ!!」
「ってか、キンダニ達……あれ、何してんの?」
「さあ?バカはほっとくのが一番なんじゃない?」
そんな二人の遣り取りの横目に、数人の女子達が美雪を抱えて通り過ぎて行った。