「美雪、先行ってるよ〜♪」
「やーんっ!ちょっと待ってよぉー!」
明日で波乱万丈だった旅行も最後。雪美はまだ、頭の整理がつかないままでいた。自分が好きなのは、もちろん金田一なのだが、先輩の自分を想ってくれている一途な気持ちを踏みにじる事も出来ずにいた。
それに先輩との秘密の関係を続ける事を、雪美は承諾してしまったらしいのだ。(雪美自身は、ぼんやりとしか覚えていない)
「はあぁ〜」
鬱屈とした気持ちに、思わず深い溜め息が出てしまう。でも、せっかくの旅行も今日で最後なのだし、気持ちを切り替える事にした。
美雪は楽しみにしていた買い物に専念しようと、急いで出掛ける用意をしていく。ピンクのTシャツと、白のミニスカートに着替えた美雪は、カバンを持って部屋を出ようとする。
そして、ドアを開けた瞬間……。
「きゃっ!?」
「ああっ、ごめん美雪ちゃん」
部屋から出た瞬間、男子達にぶつかってしまい、床の上に尻餅をつく。その短いスカートからは、可愛いイチゴのパンツが丸見えになってしまっていた。
咄嗟に股をバッと閉じ、顔を上げる。そこに居たのは、この旅行に一緒に来ていた美術部員で、美雪の先輩達だった。
「大丈夫?ケガしてないかい?」
「あ、はい……大丈夫です。すみません」
手を差し出してくる先輩部員に、美雪は礼を言って助け起して貰った。