団鬼六「修羅の花道」

時は明治初期。
親の仇討ちのために旅に出る美人姉妹・志乃と美雪、美雪のいいなづけの美少年・梅三郎。
しかし敵の卑劣な罠にはまり、囚われの身となってしまう。
三人は賊どもにありとあらゆる凌辱を受けるのであった。

…つまり、「鬼ゆり峠」の焼き直しに過ぎない作品。
キャラクターたちもエロの内容もコピペといっていいぐらい「鬼ゆり峠」と同じ。
これを読むなら「鬼ゆり峠」を読んだ方がいいでしょう。
「鬼ゆり峠」は団鬼六の筆が乗りに乗っていて、なにやら鬼気迫るものを感じますが、
「修羅の花道」はおそらくはお金を稼ぐために「鬼ゆり峠」をコピペしたものであって、
鬼六の筆にも熱意というものが感じられません。
といっても両作品には違うところはいくつかあって、
たとえば「鬼ゆり峠」にヒロイン浪路を恋い慕う女中・千津が出て来たのに対し、
この「修羅の花道」にはヒロイン志乃を恋い慕う下男・佐助が出て来る。
しかし、この佐助の志乃に対する恋心は、「鬼ゆり峠」の千津の浪路に対する恋心のような深みはない。
やっぱり鬼六先生的には、女と女の方が男と女よりも上等なものらしい。