感想
すごくエロゲっぽいエロラノベ。まあ作者が作者だしな。
さてその作者は星空のメモリア、初恋サクラメント、セイイキシリーズなどの「なかひろ」
萌え系エロゲではスペシャリストと言っていいゲスト作家である。
挿絵はこれも久々復帰の「みけおう」 淡い作画とトーン処理によって相性は良好。何気にバランスの良い巨乳揃いである。

展開は、まず万能超能力を持つ主人公の処女食い劇。ただしその過程は不可抗力であり、本人の誠実さも相まって悲劇的とも言える。
ヒロインは委員長、後輩、厨二病、妹と一揃いだが、それぞれ処女食いしたあとの扱いは軽い。
エンドとしても妹ルートな感じで、他三人とも関係は継続しているらしいのだが……

Hとしても処女食いメイン。特殊なプレイはあまりなくおもらしや青姦程度。
最初にいきなり親愛度がMAXになり、Hという終着点をあっさり済ませてしまうので、抜き目的はともかく余韻はない。
というかこれで毎回相手が離れていくというのだから主人公の寂しさがしっかり伝わる。

難点としては、そういったストーリーライン。特に女性側の心理動向には疑問符がよぎる。
主人公も誠実ではあるが散々女を食い散らかしてきているため、同情ともざまあとも言いにくい微妙な立ち位置。
そして攻略済みのヒロインとのHが無い為、二回目以降やハーレムプレイなどのうまみが丸ごとない。複数ヒロインものでこれは痛い。

文章的にはかなり上手く、基本明るめでギャグがシリアスとなりシリアスがギャグとなる文体は流石の一言。
総じると複数ヒロインで妹エンドと割り切ればかなりの良作。ただやっぱりハーレムプレイがないのは痛い。