>>530さん、>>531さん
天城鷹雄氏に関してはさっぱりわかりませんが、扇紳之介氏も出版界では謎の人物だったそうですよ。九州在住で、編集者とのやりとりは全て電話と手紙だけで、編集者の誰一人直接扇紳之介氏に会ったことがなく、顔も職業もわからなかったそうです。
この辺りのことは、先にあげたマドンナメイトから出された「淫乱 鎌倉未亡人」のあとがきで舘淳一氏が少し触れています。
舘淳一氏によると、扇紳之介氏は若い頃に(普通の)作家を目指しておられたそうですが、上手くいかずに住まいも職業も転々とされたそうです。
朝鮮戦争の頃には米兵専用のホテルで働いていたこともあったそうで、その頃、生活苦のため米兵相手に春を売る女性達(中には旧華族のような良家のご出身の女性も多くいたとか)をよくみかけたのだそうです。
扇紳之介氏の作品に、終戦で没落した良家の子女が男たちに体を売るという設定のものが多いのはそのためのようですね。
ちなみに、SM小説を書き始めた頃は「室町ひとみ」等、女性の別名(筆名)を使っていたそうです。

高名な作家の別名といえば、直木賞を受賞された姫野カオルコ氏は、1980年代の中頃に別名でSM小説を数多く書いていらっしゃったそうですね。