>>255
64話だろ

 近くでみると、ダイヤは見覚えがあった。 浩一の父はそれが、亡くなった妻の遺品であることを理解したくなかった。
 だが、それは、紛れもなくそのダイヤに違いない。
 浩一が生まれた時の記念に、亡き妻に贈ったネックレスに填っていたはずのあのダイヤを、ミサトがくすねたのだと理解した。台座からこの女は、むしり取ったのだ。
 それをこともあろうに、性器のピアスに付け替えたのだ。
 激しい憤りを覚え、こみ上げる憤怒の炎が燃え立つのを感じながらも、メイドの魔力が浩一の父を骨抜きにしてゆく。怒りの炎の色が変えられてゆく。