いわゆる大人のおもちゃと言われる
男性器を模した性具が床に何本も乱雑に転がっている。
様々な形、大きさ、中には驚くほどのサイズのモノもある。
どのように使うのか、暁年には分からない器具もある。
気のせいか、部屋の中には淫臭が漂っているような…
あちこちに、娼婦すら身に付けるのを恥らうような
卑猥なランジェリーが、たった今脱ぎ捨てられた
かのように何枚も散らばっている。
そして、物干しとして使っている、と唯子が言っていた
天井や壁に取り付けた金具からは
幾本もの麻縄や手枷のようなものが付いた
鎖が不気味にぶら下がっているではないか。

得体の知れない不安にかられる暁年。

性的な事に疎い暁年にも、この家で唯子が何をしていたのか、
何をされていたのか、漠然と想像がついた。