***
――――――――――――――2000年2月14日(木)AM 8:11

本当はもう、必要のなくなったメガネをかけて、出発前でアイドリング中のバスに乗った瞬間、
フェリックスの背骨は緊張ですでに硬直していました。
その通学中、クラス全員が、工場での超人悪魔達の攻撃について、賑やかに話していました。
フェリックスにとっては、自分がどこにいたのか、とか、その間は何をしていたのか、とか、
誰もフェリックスに追跡していなかったことは幸運でした―ペニーでさえ、夢中で話していました。
しかし、バスの中央通路に沿って体を横にして、こそこそと歩いていた時、彼は悲鳴を聞きました。
そしてペニーが彼を最大の疾走速度で、ぶつかってくる前に緊張して準備する為の時間を、
およそ2,5秒、彼は持っていました。
彼女の腕は彼の肩を包み込み、彼に向かって押し上げました。

「フェリ――――ックス、私はとーてもっ心配たのよー―――っ!」彼女は金切り声を上げました。
それから、彼を引き戻して、彼女はささやきました。

「ん、あんた、体が大きくなった?気がする?まさか、スーパーパワー、手に入れた?」
フェリックスが目をパチクリと瞬きさせました。
「……いいや、ペニー。僕は何も」と彼はゆっくり言った。

ペニーはあえぎました。 「そりゃ、そうよねーッ!」

二人は座りました。
ペニーは、しかし、彼女の目の隅からフェリックスを、ちらちらと見ていました。
バスが走りだした時、彼女は言いました。

「それじゃねー、昨日は実際に重大な事件は何も起こらなかった訳ね」
「僕たちの計画された社会科見学は、超人悪魔達によって中断されたんだ、それは重大な事件さ」
と、フェリックスはドライに言いました。