コスチューム姿のジョギングし、
公共交通機関のバスへの乗車、
地下鉄線やエレベーターに乗車、
それらの時間、すべて人々の視線をやり過ごし、
パラジウムビルに到着する必要があったのです。
その途中、目的地に向かう交通機関の中で、彼の考えを占めていたのは、たった一つの事でした。
彼女のこと。
彼は知っていました。
レディージャスティスには信じられないほどの完璧なお尻があり、
フェリックスは、自分がそれに狂ったように恋をしていることを…。
時折、彼女の携帯型コミュニケータで何かを読むのを見る時の、
彼女の背中からお尻までの滑らかな曲線、彼女の顔の真剣な表情、
彼はそれらを、うっとりと思い出しては、それら全てに、驚嘆し、魅了されてニヤニヤしていました。
周りにいた地下鉄の乗客から見れば、彼は相当気持ちが悪かったと思います。
ただ、彼女が赤毛だったという事実は…
とうとう、彼にそれを思い出させてしまいました…そして
その事が急にドキドキと彼の心臓を打ち始めさせました。
(あ――――っ!!?よく考えりゃ、そっくりじゃないか、その声、その喋り方…僕のママに)
しかし、それは、また、さらに彼を興奮させる材料にしかなりませんでした。
彼には、彼のママに長年抱いてきた、強い近親相関願望があったのですから…
だからこそ、会って確かめようと強く思いました。
彼女が彼のママなのか、どうかを…。