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今、彼は、このクソッタレな状況を、かなり確信していた。
レディージャスティスは、この超高層ビルの上から、彼を放りだそうとしている!

それどころか、彼女は…笑っていた。
空中で。
ニヤニヤと歯をみせて。
ウインクしながら。
彼の近くで前かがみになって。

そして今、彼女は時速100マイル近くのスピードで、上空に急上昇していきました。

フェリックスは両手をギュッと握って、建物の端まで走っていきました…
突風が下から突き上げるよう彼に吹きつけ…そして突然、
彼は初めて、このビルが100階建てだったという事の現実を、実感として思い出しました。

めまいは、フルスピードで、彼の背骨に激突しました。
両膝がすくみ、恐怖が、彼の腹ワタを食いちぎりました。

さっきまでの自信と興奮、それらの感情はすべて、一瞬のうちに取り除かれた。

フェリックスはそこに立って、少しずつ身体を角のぎりぎりまで動かし、
そこの高さに、呆然と口をあけて喘ぎ、そして、彼がその可能性を秘めた方法は…
絶対にない事を知っていました。

「さあ、どうしたんだい!ポリマス!私に、ついてこないのかい!」
レディージャスティスは彼女の肩越しに大声で叫んだ。

「クソッ!見てろッ!」