両親を亡くし、資産家の親戚に引き取られた少年が、年上の三姉妹に甘く誘惑される王道の誘惑モノ。
長女は爆乳のクールビューティ、次女は家庭的で母性的な癒し系、三女は露出高めのギャル系……と、まさに言うことなしである。
雰囲気はいわゆる「おねしょたハーレム」ものであり、真っ先に秋月耕太先生の作風を思い出した。
誘惑系作品で大事なのはヒロイン側のセリフ。この著者のひねり出す数々のセリフにはセンスを感じた。男女の会話の掛け合いに勢いとバネがある。
ただ、残念だったのは地の文だ。セリフのテンポはいいのに、間に差し挟まれた地の文でひっかかってしまう。
単純なアドバイスとして、もう少し一文を短くしてみてはどうだろうか。簡単に表現すればいいのに、自ら難しくしている気もした。
「甘く危険なルームシェア相関図」(K.Oさん)
25歳の年上OLにアパートに誘われて初体験する少年の話。同じ部屋でルームシェアをしている別のお姉さんが加わり、甘い三角関係が展開される。
アパートの隣の部屋にいそうな、ちょっとエッチなお姉さんがリアリティをもって描けている。少年の初体験の感動も伝わってくるし、濡れ場の描き方もいい。
変にひねらずに、王道の誘惑モノで応募してくれたことは高く評価したい。
ただ、濡れ場に力が入ってくると、地の文が重くなり、使われる単語が固くなる傾向が見受けられた。
肩に力が入りすぎているとでも言うのだろうか。もう少し、いい意味で力を抜いてみてほしい。また、セリフが四文字言葉に頼りすぎている印象もあった。