俺の名はナローシュ。 三白眼と白髪混じりの髪、ちょっと小汚い無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは複垢師だ。 そう、執筆スキルを全く習得しない小説家なんだ。おかげで書けない俺はクラスタのいじられ役。
だが、自尊心はMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がクラスタメンバーとネカフェから戻ると、リーダーのササムラから『クラスタ追放』を言い渡された。
理由は『ツイッター界隈で流行している』かららしい。 そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が三十路の不思議ちゃんだって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、クラスタメンバーの評価ブクマ感想レビューを全削して、クラスタを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、自尊心MAXの力を以ってすれば、Sランク作家になる夢を見るのは余裕だが、あくまで俺は『複垢師』なんだ。
必死になって執筆するなんて野蛮なことはしたくない。 表の世界では役に立たない『複垢師』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、
文章力重視の執筆者たちからは相手にされない。 そんな、ある日、ツイッター界隈では流行している、
『クラスタ追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『評価師』カークヨム。もう一人は『ブクマ師』マグネ。ともになぜか無職から始まっていて、
就職できず仲間から追放されたアラフォー女執筆者だ。 俺はそんな追放された二人とともに複垢クラスタ
『なろう同盟《ゴジョクラスタ》』を結成する。 その後、前のパーティーとのひと悶着があって、
アラフィフ女『F5師』アルファポリッシュも参加することとなった。 本当は彼女らが成長し、
他のクラスタに入れるまでの暫定クラスタのつもりだったが、俺の指導でメキメキと複垢力を伸ばしていき、
いつの間にか『なろう同盟《ゴジョクラスタ》』が最強の書籍化クラスタと言われるようになるまでの物語である。