叔父の葬式が終わってしばらく経った。
千夜「夕くんを食べたい。食べたい。食べたい。でも食べたくない! どうしよう……」
陽「仕方ないよ、ボクらはそういう存在だから、いずれはそうしてしまう」
千夜「どうすれば、どうすれば夕くんを守れるの……」
陽「教えてあげるよ。かつてボクがしたのと同じようにすればいい」

千夜「契約の代償として、夕くんの一番大切なモノを奪います」
夕「命ですよね。覚悟してます」
千夜「いいえ。奪うのはあなたの一番大切な家族、お姉ちゃんです」
夕「え!?」
陽「かつてボクも涼くんを守る為にそうしたんだ。それでも涼くんはボクを呼び出した。今度はもう、ボクは食べずにはいられなかった。それでも涼くんはボクに再び会えた事を喜んでくれた」
千夜「だから夕くん、もう二度と……お姉ちゃんと……会おうと……しちゃ、……う、うああああああああっ。別れたくないよぉ夕くん、夕くん、大好きな夕くん」
一晩泣き明かした後、千夜は去って行った。

土蔵には、叔父の残した黒魔術の資料がまだある。