翌朝。 


その幸せは唐突に終わりを告げた。 

「あ…やっちまった…」 

原因は男だった。 
なんてことはない。いつものように目覚ましに手をかけ起きた。 

ただ一つ違ったのは、男の足の着地点にゆっくりがいたということだけである。 
小豆色の潰れた物体に男はため息を漏らす。 

「俺の昨夜の労力は…ガラにもないことするもんじゃないな…」 

男はそう呟くと、バスタオルで赤ゆごと足を拭き取ってゴミ箱へ捨てた。 



都会に住むゆっくりは常に外敵に怯え、ゆっくりらしいゆん生を送ることなく死んでいく。 
しかし、運良く人間に拾われたゆっくりにも、絶対にゆっくりしたゆん生が保証されるわけではない。 

そう、これはそのほんの一例に過ぎないのだ。