「部屋も余ってるし
せっかく遠くから来たのだから」
と強く勧められて

僕たちも社長の家族たちと一緒に別荘に宿泊することになった
「なんか、栞さんがいらしてから男どもが活き活きしちゃって・・
本当、男って単純よねぇ」
この奥様も間違いなく美人の部類に入るはずだが
少し吊り上がった目が
強情でいかにも気が強そうだ
「いやー仕方ないだろ
 こんなに美人が傍に居たんじゃ
 落ち着かなくもなるさ、なあ信二」

「おい、兄さん、私に振らないでください
 まあ、否定はしないですけどね」


奥様が”男ども”と言ったのは
社長とその弟の信二さんのことだ

二人とも父よりは年配の40代後半くらいだろうか

どちらも恰幅がかなり良い

「いえ、とんでもないです」
と、満更でもなさそうな父