>>247
故郷の村が嫌になって飛び出したのは、まだ俺が7歳の頃だ。

 魔力持ちだからできたことだが、その年で故郷から遠く離れたシュピアゼイク公爵領にまでやってくることができたのは自分でも驚きだ。

 自業自得とはいえ、親もなく頼るもののなかった俺はすぐに生活に困った。なにせシュピアゼイク公爵領に到着した時点で8歳だ。本来だったら親の仕事を手伝って、社会の仕組みを覚えていく年齢なのだ。