死戦期呼吸(しせんきこきゅう)とは、心停止直後の傷病者に見られる、しゃくりあげるような呼吸。現場や救急室では「ギャスピング」ということが多い。

死戦期呼吸は正常の呼吸とは違い、顎が動いているだけで胸が動いておらず、肺での酸素化ができていない。そのため、呼吸をしていない傷病者と同様に処置する必要がある。しかし、医療関係者以外が見分けることは難しく、呼吸していると判断されてしまうことが多い。

下顎呼吸吸気時に下顎を動かして空気を飲み込むような呼吸であり、顎の動きのみで胸郭はほとんど動かない。鼻翼呼吸吸気時に鼻翼が広がり呼気時に鼻翼が縮まる呼吸であり、やはり胸郭がほとんど動かない。あえぎ呼吸深い吸息と速い呼息が数回続いた後に無呼吸となる呼吸。

呼吸をしていないので、なるべく早期の胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸、AEDによる蘇生を要する。

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