「母さんとは大学のサークルで知り合ったんだ」
「それは聞いたよ。父さんは一目惚れだったんだろ」
「ああ、当時唯子は輝くような美少女の新入生。父さんは大学院生だった」
「ライバルも多かったんだろ?」
「まあ・・・な。色々あった末、やがてつきあうようになって・・一緒に暮らし、
あれが卒業する頃にお前が産まれた。すぐに籍を入れたよ」
「父さんも隅に置けないな」
「母さんはずっと専業主婦だったが、少ない給料のやりくりで大変だったと思う。
お前を見ると、結婚して何年たったかよくわかるよ(笑)」
「でも・・・父さん、このままでいいのかい?」
「いいとは思っていない・・だが、・・な・・・。
やめてーっと言って、あの男の体を守るようにすがりついた姿が浮かんで・・・(涙)」
「・・父さん・・」