>>190さん、>>191さん

確かに天城鷹雄氏の作風は扇紳之介氏の作風に似ていますよね。
私も1988年5月に「猟蝕夜」が発売されてすぐに本屋さんの店頭でパラパラとめくって見たとき、ああこれは扇紳之介の短編集だなと思いました。
そしてその翌年、1989年8月の「熟母」に始まり、天城鷹雄名でほぼ1年から1年半に1冊の割合で「未亡人肛母」まで続けて長編が出されたわけですが、
それらの長編を読み進めていくうちに、疑問が出て来ました。

前にもお話ししましたが、扇紳之介氏は、当時のSM小説界の大御所と呼ばれる団鬼六氏や千草忠夫氏、あるいは今でも人気の結城耕雨氏たちの作品とは異なり、
それまで全て1話完結の読切の作品しか出しておらず、いわゆる連載物は私の知る限りひとつもありません。

つまり、初めて中編と呼べる長さの作品を書いたのが、1987年3月に発売された書き下ろし作品でもある『淫 乱─鎌倉未亡人』となるわけです。
この作品ですら、400字詰め原稿用紙にしてわずか約160枚の分量です。

これに対して天城鷹雄氏の長編作品は、以下の通り、全て250枚以上の大作です。
(電子書籍化されていない「若悶母」は不明。)

『熟母』:約260枚
『恥母』:約250枚
『疼母』:約270枚
『恥母・隷虐の刻印』:約270枚
『熟恥母』:約280枚
『恥肛母』:約270枚
『未亡人肛母』:約275枚

果たして、それまで長編を書いてこなかった扇氏が、400字詰め原稿用紙にして250枚以上もの長編を立て続けに書き続けることが出来たのか?という疑問です。
ちなみに、扇氏は、1992年10月号のSM秘小説に掲載された『弄虐に魅せられて』という作品以降、SM誌ではその名を見かけなくなります。