妹は一足先に学校へ向かった。
ネケルも朝食を食べ終え、身支度を整え家を出た。
学校に着くとアレクがニケルを見かけて走り寄って来た。

「ニケル、いよいよだな。」
「ああ、そうだな。」ニケルは、はやる気持ちを親友に読まれまいと平常心を装った。
「どうなるんだろうな?」一方のアレクは興奮を抑えきれない様だ。
「神のみぞ知るさ。」ニケルはそっけなく答える。
「何だよ。俺の母ちゃんじゃ不満か?う〜ん。不満かも知れないか?うーん?」アレクが一抹の不安を口にする。
「そんな事ないさ。俺を選んでくれないかもしれないし。」ニケルが心もとなく答える。
「それは大丈夫だ。俺が手を回してやったから。俺の母親で良ければ自由にして良いぞ。ダッはっはっは」
アレクの言葉にニケルは少し勇気を貰った。
幼い頃から憧れていたアレクの母親。
ニケルが女性を意識した切っ掛けはアレクの母親だった。