母親は朝から役場へ出かけていた。
成人の義を一週間後に控え胤主宿主が集められていたのだ。
この儀式の意味と規則をもう一度再確認する事と本番に臨む胤主宿主の意思確認の為でもあった。
そして、同時に息子娘のペアリング相手の通知を受け取る事になっていた。
この日をもってニケル達16歳になる少年少女は学校は休校になる。
成人の義に向けての準備にはいるのだ。
この日を少年達は待ちわびていた。
誰が自分のパートナーになるのかが一番の関心事だ。
学校にいてもみんなそわそわしていた。
終業時間になると先生たちが「一年後に皆の大人になった姿を見たいと思う!」
そうひとこと言って少年少女を送り出した。