帰宅中、ふとしたことからシルヴィは魔獣と遭遇した。

「魔獣…、こんな時に!」

一般の人には見えず、その力は脅威。しかも―

「ご主人様!」

なりふり構わず人を襲うので、質が悪い。

「よくも…!」

自身の恩人―もしくは親、もとい恋人?―が傷つけられている。
それを見た彼女の怒りはMAXだった。

すぐに人目のなさそうな路地に足を踏み入れ、服の内側に隠していたピンク色の宝石を取り出した。
それを両手で包み、目を閉じて意識を集中する。
すると、宝石から膨大な光が溢れ出し、あっという間に彼女の姿を包み込んでいった。

姿を消したシルヴィは、不思議な空間の中にいた。
宝石と同じ、ピンクの輝きがどこまでも続き、上下左右も天も地もない無重力の中、両足をゆるりと伸ばしながら、ゆっくりと目を開く。

(ご主人様…、今、助けます!)

そんな思いを胸に、再度、目の前に来たピンクの宝石に願いを込める。
それに答えるように、宝石が輝くと、彼女の変化が始まる。