来ている服が光の粒子となり、消えて行く。
(あっ…、オレーリアさん、ごめんなさい…。)
オレーリアの仕立た清楚な上着が消え去り、純白の下着姿になる。変身のためとはいえ、折角知人が仕立ててくれた服が…、と羞恥の他に罪悪感も高まり、キュッと身体を抱きしめ、申し訳なさそうな表情のシルヴィ。
その下着も粒子となって消えていくと、一糸纏わぬ姿となり、さらに頬を赤く染める。
(ご主人様…。)
ところどころに過去に受けた虐待の傷が目立つが、それ以外はまさに無垢の結晶といっても良い肢体が露わになる。
(こんな身体でも…。)
同時に胸の奥から熱い何かが沸き上がるのを感じたシルヴィは目を瞑り、精神を集中させ、自分の中に眠る力を引き出してゆく。
(愛してくれたあなたを…。)
幼い中では十二分に美しさを内包した白い素肌に新たな衣服を纏っていく。
無数の光糸が彼女を優しく包み込んでゆき―

腕を―
(今度は)
足を―
(私が)
胴体を―
(守って見せる!)

身体の主要部分を光が包み、彼女の決意に相応しいコスチュームを形成する。胴体にピッタリとフィットしたレオタードに、前開きの赤いスカート、胸元の黒いリボンと同色のロング手袋等、まさにこの世とは別次元の幻想的な姿だ。
その姿は、一見某セー〇ー服美少女戦士とも取れるが、メイド服と言われた方がしっくりくるかもしれない。
変身を完了し、強い決意を宿した瞳をゆっくりと開けたシルヴィは、そのまま変身空間を抜け、愛しい人を守るべく、今日も魔獣との戦いに勤しむのだった。
ちなみに、消失した衣服は、お約束通り、変身を解けば元に戻るので、彼女の心配は全くないのである。