グリムは激怒した。
必ず、なの邪智暴虐の羽虫を除かなければならぬと決意した。グリムには乙女心は分からぬ。グリムはエロゲの竿役である。
怪物を屠り、女の子を啼かせて暮らしてきた。けれどもアリスに対しては人一倍にビンビンであった。
きょう未明グリムは図書館の夢を出発し、血を越え森越え、一駅離れた此のクイーンランドにやって来た。
メロスには娘も、妹も無い。母も無い。67周の、発情淫乱雌ウサギとシロクマの三人暮らしだ。この雌ウサギは、箱庭の或るタラシの一竿役を、近々、花婿として迎えることになっていた。
Bエンドも間近かなのである。グリムは、それゆえ、童話やらキャンディーやらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
グリムには竹馬のセフレがあった。赤の女王プリケットである。今は此のクイーンランドで、アイドルをしている。そのセフレと、これからデートするつもりなのだ。久しくヤってなかったのだから、訪ねていくのが楽しみである。
歩いているうちにグリムは、遊園地の様子を怪しく思った。ひっそりとしている。もう既に日も落ちて、遊園地の暗いのは当たりまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、遊園地全体が、やけに寂しい。
のんきなグリムも、だんだんと不安になって来た。
隠し扉で逢った殺人道化をつかまえて、何があったのか、進行度2つまえに此の遊園地に来たときは、夜でも皆がオタ芸をおどって、遊園地は賑やかであったはずだが、と質問した。道化は首を振って答えなかった。
しばらく歩いてドルオタに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。ドルオタは答えなかった。
グリムは両手でドルオタのからだをゆすぶって質問を重ねた。ドルオタは、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。