奈須きのこの作品から伝わってくるのは、
強烈な孤絶である。
他者に対する拒否と言ってもいい。
ただし、拒否は否定を意味しない。
この人は好きだから寄っていこう、
こいつは嫌だから突っぱねよう、
といういい加減な態度ではなく、
人間花鳥万物 軒並みに、一歩離れた
ところから冷ややかな眼差しを当てるのだ。
(菊池秀行)