>>226
この態度は、多分、奈須きのこ自身が、
人一倍情感豊かな人間-受け入れてほしい、
受け入れてあげたいという感情を含めて-
でありながら、容易に他者を受け入れられず、同時に周囲からも距離をおかれてきたこと
によるのではないか。
でなければ、このような透徹した残酷で
非情な物語は、創作不可能ではないかと
私は考える。

羨ましい。
それは、作家にとって素晴らしい資質を意味するからである。奈須きのこは、自ら造形した登場人物に無用な肩入れをして、物語を逸脱させることはあるまい。
何者かが降りてきて、自分はそれに筆を任せただけだなどという、幼稚な言い訳など死ぬまで漏らさないだろう。
(以上、菊池秀行の解説より。)