週の初めから一番とは幸先が良いじゃないか、きつみは
ボワボワ毛並みでも可愛いものは可愛いな
そろそろ桜も本番か・・・
まだ満開じゃないし、今年は開花が遅れていると聞いた
ということは、遅い日まで楽しめるとうことだな
よし、庭にある桜で花見をしよう
まだ若くて花も少ししか咲かないけど桜には違いないよな
この電気炬燵を庭に持っていって電気コードを延長して
ついでに夜桜も楽しめるように照明も用意して、簡易コンロで鍋をしながら花見をしようそうしよう
もちろん、甘じょっぱくに揚げたおあげの稲荷寿司も忘れていないぞ
たんと作るからいっぱい食えよ、きつみは

ここはどこかにあると言われている館
名は無いが、客からは「ミハシの館」と呼ばれている
そこでは様々なミハシが貴方のお越しをお待ちしている
さあ、今宵貴方が選ぶのはどのミハシ?

ここ最近、館には行っていない
というか、忙しすぎてとんと足が遠のいてしまった
そろそろミハシの生肌が恋しく感じられ頃、それは送られてきた
「招待状」
白い洋封筒にはそう書かれていた
裏には封蝋が施されていて、格式ばった感じがした
中にはカードが一枚入っており、優雅な手書き文字でなにやら書かれていた
「春の日差しかが快く感じられる季節となりましたが、俺川様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
日頃のご厚誼へのお礼とご慰労をかねまして、下記の通り花見を催したいと思います」
招待状の差出人はミハシの館の支配人の名前になっていた
あのタレ目のちょっと慇懃無礼なところもある男が花見を計画か・・・
ということは館のミハシたちも参加ということだよな
もちろんあの館の事だから、普通の花見で済む訳はない・・・
色んな妄想で頭をいっぱいにした俺は、躊躇なく参加する旨をしたため、館へ返信した
ミハシたちが花見客にどんな接待をしてくれるのか楽しみだ 続く