>>561

「漏れは振り子のことが好きなんだと思う」
 多分、と前置きをして呟かれた言葉は振り子を驚かせるに事足りていた。
 隣のぶさ子はこちらを見ようとしない。いつも堂々としているぶさいくな面を下げて、豊満だと見せびらかすご自慢の体を縮こまらせていた。
「別に振り子とどうこうなりたいってわけじゃないよ」
 ぶさ子は頑なにこちらを見ようとはしない。
 うっせーよ、どうこうとかなんだよ。いいんだよどうだって、似合わない事言ってんじゃねえよぶさいくのくせに。
丹田まで込み上げた言葉を吐き出そうとして、やめた。
「ただ、好きになったかもしれないってだけ」
 そう言ったぶさ子が、あまりに何でもないような顔をして笑ったから。その瞳の奥が悲しみを湛えていると、今までずっと総合で見てきた振り子は充分に知っていたから。どうしようもない気持ちになったのは振り子のほうだった。

 こいつは最上のバカだ、笑い顔だってぶさいくだし。すぐこうやって、ひとり考え込んで自己解決しようとしたりして。バカだ、本当に、ほんとうにバカだ。でも、だから、漏れは。
 ぶさ子にそんな顔をさせたくない。

 衝動に任せてしまえば簡単だった。振り子はぶさ子の腕を掴んで引き寄せる。
 ぶさいくよりも自分の方がきっと、バカだ。初めて触れたぶさ子の手のひらがあまりに熱くて、余計にたまらなくなってしまった。

もれも振りぶさやってみたお^−^b