ナイバッチきつみは
雨の日はきつみはの毛皮も毛が寝て大変そうだな ドライヤーで乾かしてあげよう、こっちにおいで

>>644
「こんばんわ」
気味の悪いほどの笑顔な田島に、三橋部の部員二人は内心うろたえた
「や、やあ・・・い、一年の田島君、だよね・・・」
「ということはそっちは先輩方ってことかな?
一年というよりも野球部の、と言った方が判りやすいんじゃないかな、そっちは」
田島は表情が、更に楽しくて仕方が無いとでもいうようなものにかわった
「あ、ああ・・・君は野球部だったよね・・・じゃあ俺たちはもう帰らなきゃだから」
さりげなく不自然にならない様に田島に背を向け、その場を離れようとした
「ねえ先輩たち・・・何こそこそやってんですか?」
思わずひっ!と悲鳴を上げそうになるが何とか耐える
「な、何って・・・」
平静を保ちつつ、背後を振り返る
「最近、俺の友達の周りがちょっと変なんですよ 何かざわついているというか、ちょろちょろ動き回っている奴がいるみたいで気味悪くてね」
「そ、それが・・・一体俺たちに・・・」
田島が一歩動いてその顔が街灯に照らされた
「だから、なんで三橋に纏わりついてんですか、先輩?」
顔は笑っているがその目はまったく笑っているそれではなくて・・・まるで蛙を睨む蛇を連想させた
"ど、どうする?""に、逃げよう・・・一斉に走るぞ"
「ちょっと先輩たち、何こそこそ話してんですか?俺の質問に答えてもらえませんかね?
三橋を盗撮したりそれを裏で売りさばいたりしているそうじゃありませんか なんでそんなことするのかな、ねえ先輩!」
田島の言葉に彼らは一斉に走り出した
全速力でとにかく田島から離れなければいけない
焦りと恐怖と運動不足で体からうまく動かないが、それでも逃げなければ・・・
暫く走り、もう限界と足を止める息を整える
ここまでくればもう大丈夫だろう、田島に部のことを知られたのは痛いが、まだ対策はできる
他の部員とすぐにでも連絡を取り合ってこれからの事を考えねば・・・
「先輩たち、なにやってんですか?あれで逃げたつもりですか?」
田島の声が背後から聞こえてきた つづく