ナイバッチきつみは
台風一過、青空が広がる良い日だな
こんな日は外で何かしたい気がする・・・
久しぶりにきつみはに付き合って散歩もいいかな?
ところできつみはは今はどんな散歩コースを歩いているんだろ
毎回同じだと飽きるとか、まったく別のルートを開拓するのも楽しいよ、とか言ってたが
「え?今のコース?
えっと家を出て右に行って公園を突っ切って神社を一周して・・・
そしたら土手沿いをとにかく歩いて歩いて歩いて歩いて・・・夕方近くになったら走って帰る、かな」
お前・・・どんだけ歩いてんだよ それに帰りは走るだって?
ここから土手まで結構あるんだぞ・・・無理だ、俺は家の周りを歩くだけにする

>>768
とてとてとて・・・
きつみはは歩く足を早め、急いで家に戻ろうとした
それがいつしか駆け足気味になり、そして知らずに走り出していた
"は、早く・・・家に・・・怖い・・・"
後ろの足音はもう隠すこともやめたのか、凄い速さできつみはを追ってきている
ハァハァと息が荒くなる
それでも走るのをやめたら何が起こるのか判らない
「も、もう少し・・・」
見慣れた家が屋根が見え始め、家が近いことを知ってきつみはは足を早めた
早く家の門をくぐって玄関を開けて俺くんに・・・
「お、俺くんっ!ただいま・・・ぐっ・・・」
その時、後ろから自分と同じくらいの荒い息遣いをする何かが聞こえ
手が伸びてきつみはの動きを無理やり止めさせた
「やっ!やだっ!はなせっ!」
突然の拘束に手足をジタバタさせ体をねじって逃げようとするが
不意に甘い臭いがしてきつみははそのまま意識を失ってしまった
ぐったりとしたきつみはを腕に抱えたその男は、やってきた車にきつみはごと乗るとどこかへと走る去っていった
「おーい、きつみは 戻ったのか・・・あれ?いない・・・気のせいかな?」 つづく