ナイバッチきつみは
クマーが走っているなら俺も走るしかないのか・・・ま、まずは歩くだけでもいいよなハハハ・・・

>>819
帰り道が夕焼けで真っ赤に染まっている
どこかの家から夕飯の支度らしい良い匂いがしてくる
"ああ・・・今日は少し遠くまで行っちゃったから帰るのが遅くなっちゃった・・・"
急いで家に戻ると俺くんが待っていてくれる
"よう、お帰り 今日は遅かったな"
"うん、ごめんね 晴れて空が綺麗だったから少し遠くまで行っちゃた
今日のお夕飯は何?この匂いだと・・・カレー?"
"特製チキンカレーだぞ それと厚揚げの煮物とサラダだ もう少しで出来上がるから手を洗っておいで"
俺くんはいつもの様の笑っている
俺くんの特製チキンカレーは油揚げの次の次の次くらいに好きだ
煮込まれた鶏肉が口の中でホロリとほぐれていく感触がまたたまらない
カレーの良い匂いを肺にうんと吸い込んで・・・あれ?カレーじゃない?
なんだろう、この甘い匂いは・・・頭がくらくらして・・・
「やあ、起きたね」
知らない声・・・
ちょっとだけ頭が痛くて体がだるくてそしてまだ少し眠い
目には入るのはいつも見慣れている天井ではなく、知らないどこか
「やっと私の所に来てくれたね、子狐ちゃん」
聞き覚えの無い若い男の声がしてきつみはの意識は一気に覚醒した
"そうだ、俺・・・家に戻ろうとして誰かにつけられてそして・・・"
「始めまして、今日から私が君の飼い主だよ」
とても嬉しそうな顔をした男が、きつみはの顔を覗き込んでいた
「かい・・・ぬし?」
「そう、君を一目みてからもう欲しくて欲しくて・・・それでこんな強行手段をとってしまったんだ、許しておくれ」
そう言うと男はきつみはの毛皮をやさしく撫で始めた
「俺・・・帰らないと・・・」
まだ体がだるいが、それでも起き上がろうとするきつみはを男は制した
「駄目だよ・・・君はもう私のもの・・・可愛いペットなのだから」 つづく