今週は凄いな、きつみは
ちょっと頑張りすぎていないか?のんびりゆっくりでいいからな
でも何か今のきつみは・・・輝いて見える
日ごろの疲れを癒すために温泉にでも行こうか
いいところがあるからこれから一緒に行こうな
スーパーな銭湯という名前の温泉だけど・・・でも温泉を使っているから温泉だよなハハハ

少し白濁した湯はややぬるめで体を優しく包んでくれる
「ふう・・・きもちいい・・・」
思わず口から出てしまうがそれを聞く者は誰もいない
毎日部活で野球三昧な生活な三橋ではあったがやはり疲れというものはある
若いから回復も早いが、それでもどこかで疲れが溜まってしまうのは仕方が無い
極たまにある部活の無い連休に、父の実家が所有する山奥の秘湯へとやってきていた
誰もいないその温泉は露天風呂で、こんこんと湯が沸いている
それに浸かりながら、三橋はひと時の安らぎに癒されるのであった
だがある時とから何かが変だ・・・と感じ始めていた
自分以外誰もいないはずの山奥の温泉なのに何かの気配を感じる・・・
あたりを見回しても自分の他には誰もいないし物音も無い
段々と気味が悪くなって山の麓の宿泊用の別荘に戻ろうかと思い始めた
ガサ・・・ガサガサ・・・
何かが動く音がして三橋は思わずその方向を見た まだ紅葉には早い山の木々の間を何かが動いている
ガサガサ・・・ザッ・・・ザザッ!!キキッ!キーッ!!
「え?あ・・・さ、猿?」
現れたのは数匹の野生の猿で、どうやら隣の小さな露天風呂に入りにきたようだ
「猿、か・・・山の中だし出てもおかしくないなハハハ・・・」
湯に浸かり顔を真っ赤にして楽しんでいる猿を見ながら三橋はこういうのも悪くないな、と心の中で思った

「こちらA班、猿に監視を妨害されましたが、録画カメラは無事です」
「こちらB班、こちら異常なし 引き続き監視を続けます」
「了解、水中撮影班はそのまま任務を遂行せよ 三橋の温泉姿、余すところ無く撮って撮って撮りまくるのだ!」
「こ、こちら水中撮影班!三橋の股間に接近中・・・うわっ、こ、これは!うわあっ!た、たすけ・・・」
彼らは知らなかった 三橋廉を狙っているのは彼らだけではないことを・・・  とっぴんぱらりのぷう