アマゾンレビュー^−^
一言で言って薄っぺらい。
11巻というより全体を通してのレビュー。中学のとき、図書館で小説版を読んで感じた不快感を
大人になってようやく言葉にすることができた。
一言で言えば、何もかもが薄っぺらいのである。アパートの住人は主人公が語った女教師を
こき下ろし、トドメとばかりに「それで処女なら最悪だ」と嘲笑する。
性行為の有無が人間性の有無に関わるなど三十年前の認識であり、この時点で作者の実に
薄っぺらい価値観が窺い知れる。
煙草を吸う教師がいる。なるほど煙草を吸う姿がカッコイイとか憧れるとか、そういうのは
一定数存在するだろう。が、ハリウッド映画が厳しく煙草を吸うシーンを規制しているのは、
本当にそれを真似る子供が多数存在するからだ。
なのに注意されても平然と吸い続ける。それを見て(馬鹿な)生徒たちは憧れる。そりゃ注意されるに決まってんだろ!
というか病気(しかも煙草を吸うと確実に悪くなるタイプの)だったよねこの教師!?
余談だがスキーに行くちょっと手前のシーン、ブランド物で決めまくって「決めたつもりはなかったんだが」とトボける教師は
屈指の迷シーンである。お前それどこで買ったの? バーゲンセールに紛れ込んでたの?

訳知り顔で「昔は良かった。大人が子供を注意していた」と語る人間がいる。確かにその通りかもしれないが、
それは同時に児童虐待を含めた子供に対する犯罪を誘発させていたことは常識である。
というか、昔の方が少年犯罪率が高かったので「注意せざるを得なかった」と分析できるかもしれない。
いずれにせよ、単純に昔がよくて今はコミュニケーションとか断絶でダメと決めつけられるものでもない。
だが作者はそうする。同人でしか育たず、社会分析を含めたまともな本を一切読まずに思い込みだけで作った物語を押しつける。
だから、マトモな大人にとってはひたすら薄っぺらいし不快なのだ。
これを読んで面白い、ということは社会の何たるかも理解できないクソガキという良い証明である。
いやまあ、児童文学なんだからそれでいいと言えばいいんですがね。