きつみはもふもふふもふもふ
ふむふむ、なるほどなるほど・・・確かに今日は変な日だな
俺が朝、起きようとするといつの間にかきつみはが俺の布団に包まっていて起きられなかったり
いざ朝飯、というところで水谷がやってきて俺の分が削られたり
少し横になっていようかな、と思ったらきつみはに「掃除しないとゴミ屋敷になるよ」と脅されて掃除したり・・・
こんな事が午後も続くのかな?俺は・・・俺はのんびりと生きていたいだけなんだよ・・・
「俺くん、お昼ご飯カップ麺でいい?冷蔵庫の中が空っぽだから後で買出しに行こうね
今日はね、カレー味のカップ麺なんだよ これに貰い物の薄く切ったお餅を入れるとおいしいよ」
うん、カレー麺美味しいよ・・・しゃぶしゃぶ餅も美味しいや
このくらいの薄さだと少し待つだけで柔らかくなるから便利だな・・・
「じゃあご飯食べたらお昼寝してそれから買出しにいこうね!今日は油揚げの特売日なんだよっ!」
お前は本当に・・・いや、油揚げなら冷凍にしておけば保存できるからいくらでも買ってやるよ!!

今年も俺んちの軒先にはオレンジ色の柿の実がたくさん吊るされている
毎年恒例の干し柿作り、これだけはやめられない俺ときつみはの行事だ
今年は台風の影響で先送りにしていたのだが、やっと晴れて吊るせる様になった
「俺くん、これで最後だよ」
きつみはが柿の実を紐で縛り、熱湯にくぐらせた最後の一つを持ってきて俺に渡した
「よし、ちょっと待ってろよ」
脚立に登り、最後のそれを吊るすときつみはは歓声を上げた
「わあい!今年も干し柿が一杯だ!」
「おうよ、今年は一杯実をつけたから柿の木に感謝だな!」
「それと、ご近所さんにもね!たくさん戴いたから出来たらお礼に持っていっていいよね!」
毎年、きつみはが干し柿を作っているのを近所の人たちも知っていて
自分の家では持て余している渋柿をきつみはにと戴いたのだ
「ご近所さんと山に送る分と・・・あとうちで食べる分と・・・それと・・・」
「もっとたくさん作ればよかったかな?きつみははたくさん食べるから大変だw」
「そ、そんな事ないよっ!俺くんじゃないんだからっ!」
ハハハ・・・と二人笑い合いながら吊るされた柿を眺める
また、今年も、きつみはと一緒に干し柿が作れた
俺にはそれだけで十分に幸せなんだが、きつみははどうかな?
「また来年もたくさん作ろうね、俺くん」