きつみはもふもふふもふもふ
よし、とりあえず今日のおやつはフルーツサンドにしよう
サンドイッチは食事じゃないかだって?甘いのだからおやつでも大丈夫大丈夫!

部活が終わってからの帰り道は、いつも夜道だ
途中までは誰かと一緒だし、住宅街で街灯も多めにあるし
ここら辺は治安も良い方だからそんなに危険な目にあったりすることも無い
だけどやっぱり、自転車で通るとはいえ、夜の道を一人で通るのは緊張する
そんな時は自転車のペダルを早く漕いで急いで家に戻ろうとする
子供みたいだな、と思われるかもしれないが、人気の無い夜道はやはり心細くなる
ヒタヒタヒタ・・・
「どうした三橋?後ろに何か・・・」
ふいに立ち止まり、後ろを振り向く俺を共に歩いていた田島君が訝しがる
「ん・・・何でもない、みたいだ・・・気のせいかな」
振り返ってもそこには誰もいない でも最近、こんな事が多い気がしてならない
途中で田島君とは別れるが、その後は自転車で家まで一直線だ
だけどそんな時でも後ろから何かが付いてきている感じがして、すごく気味が悪い
だから今日は意を決して、それが確かにいるのかをはっきりさせようと思う
自転車の速度を何度も変え、途中で急に止ったりしてみる
もし、後ろの気配が同じ自転車でやってきているなら、急な速度変更やブレーキに対応仕切れなくて
なんらかの反応があるはず、なんだ
まずは勢いよく自転車を走らせ、そしてゆるくブレーキをしつつ速度を緩め、そしてまた急発進
そして家の近くで急ブレーキ!!
・・・特になにも変わった様子は無いみたいだ
きっと俺の勘違いなのかも知れないな・・・そう思ったら心が凄く軽くなった
ここ数日、寝つきが良くなかったけど、今夜はきっとグッスリと眠れそうだ

三橋家の前を一台の自転車ゆっくりと通り過ぎていく
乗っているのは男で黒づくめのその姿は夜の闇の中に同化しているようだった
その目が、三橋の部屋の方へと向くと、男の口元がニヤリと歪んだ
「小ざかしいことをするけど、俺には効かないよ また明日会おうね、三橋」
三橋廉の恐怖の日々はまだ終わらない