今日もいいポジションだぞ、きつみは
寒いからだろうか、ぞぬは巻き尻尾だが、きつみはは相変わらずフッサフサだな
きつねも尻尾が巻くことってあるのかな?
巻くといえば、襟巻きできつねのを見たことがあるような・・・流石にあれはフェイクファーだろうなハハハ・・・
あ?きつみは?なにやってんだ?俺の背中に登り付いておんぶでもしてもらいたいのか?
あれ?もっと上に移動しようとしているぞおい、首の上に乗られると流石に辛い・・・もしやお前、きつねの襟巻きをしようとしているか?
いやまて、お前じゃ襟巻きには重過ぎるから・・・く、首が・・・苦しい・・・
重くてきつね臭くてあったかくて・・・ここは一体どんな天国・・・

>>384
トンツー・・・トントンツー・・・
「違う」
ツートントントン・・・トントン・・・トンツートントン・・・
「それはお前のことだ もっとちゃんと覚えろ」
「え?今のなんて意味だ?溝俺」
「お前な、自分で「ばか」と打ってそれも判らないとかもう本当に・・・」
溝俺の発案でモースル信号を使って三橋に告白しようということになったが
このモールス信号というものが難しくて俺は四苦八苦していた
「とりあえずだな・・・必要な単語だけでも打ち方を覚えるしかない」
そういうと溝俺は少し考えて、これだけ覚えろとある一文のモールス符号を書いてくれた
「えっと・・・トントンツートン・・・これってどんな意味だ?」
・・−・− −・・・ −−・−・ −−−・− −・−・・ −・ ・・
点と線からなるこの一文を何度も打って記憶する
だが難しい・・・単純だからこそ、覚えるにも時間がかかる
今日も放課後の教室で溝俺に教えを請いながら必死に練習していた
「ううう・・・指がつりそうだ・・・」
「なら三橋の事は諦めるか?」
「そ、それだけは・・・諦められない!!」
溝俺の言葉に奮起した俺は、再び闘志を燃やし始めた
その時、教室の戸がそろそろと開いて誰かがこっそりと覗き込んできた
「あ、俺くんここにいたんだ 今ちょっといいかな?」
三橋が俺を、探しにきたのだった つづく