今日も絶好調だな、きつみは
でもそろそろ疲れが出ていないか?
こんな時は休むに限るぞ そうだ、温泉にでも浸かって癒されてみないか?
とはいっても遠出する金も気力も無い・・・そうだ、頂き物の入浴剤がまだたくさんあるからそれで温泉気分を味わおう
色んな薬効とか、お湯の色が青くなったり白くなったり泡あわで楽しめたりするのがいっぱいあるぞ
きつみはの好きなのから使っていいからゆっくりと温まっておいで

ハァハァハァ・・・
荒い息を無理やり抑え、意識を集中する
この場所はあまりこないが、それでも多少の地形も隠れるのに相応しい場所も知っていた
このあたりに気配は無い、と少しだけ安心する
胸を押さえると心臓がすごい速さで動いている
"どうしてこんな事に・・・"
思いもつかない出来事に、彼は内心、動揺していた
僅かな休息の後、隠れていた茂みから音を立てないように移動を開始した
周りの気配に異常は、無い
"大丈夫だ、きっと追っ手には気取られていない 今のうちに早く・・・"
彼の自慢の足でその場を駆け抜け、追っ手から距離を置こうとした
人並みによく聞こえるその耳は、後ろからの物音を感じてはいない
"よしっ!今のうちに少しでも早く・・・"
足元が悪くてもつれそうになるが、それでも足を止めるわけにはいかない
息が苦しい・・・足の痛みがそろそろ休息を、と言っている様だった
その時、急に視界が開け、広い場所が見えた
"やった・・・逃げ切れた・・・"
だがそんな彼の横から、黒い影すごい速さで走ってきて体当たりした
「うわっ!」
「フフフ・・・詰めが甘いぞ、きつみは」
「もう・・・俺くんの巨体で体当たりしたら壊れちゃうよ・・・」
「だってな、たまにはハードな鬼ごっこがしたいっていうから自然の多い遠くの公園まで来たんだぞ」
「じゃあ次は俺が鬼・・・はい俺くん、タッチ じゃあね!」
「って・・・おい、また俺が鬼かよ!まてこの野郎、そろそろ代われ!」
その日は一日、公園では俺ときつみはの鬼ごっこが見かけられたという どんとはらい